リクルートマネジメントソリューションズが8月26日に発表した「人事評価と職場における感謝・称賛に関する実態調査」結果では、人事評価に対して、社員に2つのギャップがあることが示された。
1つは、評価制度への期待と実感との間のギャップである。人事評価制度を重要と感じる人(「とても重要である」「重要である」「やや重要である」の合計)は89.3%と約9割を占めた。一方、満足しているとの回答(「とても満足している」「満足している」「やや満足している」の合計)は50%と低くなっている。「とても満足している」「満足している」に限ると23.2%に止まり、制度が期待に応えられていない実態が浮かび上がる。
どういう点で期待に応えられていないのか、そのヒントとなるのが、もう1つのギャップである。それは、評価制度で会社が重視しているものと、社員が望んでいるものとのギャップである。
「現在、どのような要素が重視されていると思いますか(複数回答)」という質問に対する回答の上位5つは、以下の通りである。
①評価基準が明確であること(34.8%)
②評価結果が処遇(給与や昇進)に適切に反映されていること(29.9%)
③チームへの貢献が見られていること(28.4%)
④評価理由が説明されていること(26.5%)
⑤上司と十分に話し合えること(25.3%)
一方で、「人事評価に納得するためには、どのような要素が重視されることが望ましいですか(複数回答)」の上位5つは、以下の通りである。
①評価基準が明確であること(37.5%)
②評価結果が処遇(給与や昇進)に適切に反映されていること(34.1%)
③評価者によるばらつきが小さいこと(30.5%)
④評価理由が説明されていること(29.0%)
⑤直接評価につながらないが、重要な仕事も見られていること(29.0%)
①②④は同じ要素となったが、③⑤は異なる要素が挙げられている。
ちなみに、「重視されることが望ましい」の③⑤は、「現在、重視されている要素」の中では、それぞれ7位(21.6%)、8位(20.7%)である。要素は全部で8個なので、最下位2つを占めることとなり、この2点に関しては、会社が重視していることと社員が望んでいることにギャップが生じている。これらは評価制度の満足感を低める要因になっていると考えられる。
このうち、「評価者によるばらつきが小さいこと」は、企業側が重視していないことはないと思われる。むしろ、多くの企業で課題として認識しているはずである。ただ、社員はそのことをあまり実感していないということだ。評価者によるばらつきを小さくする努力をしていることを、企業は社員にもっとアピールする必要がある。
一方、「直接評価につながらないが、重要な仕事も見られていること」については、企業側の認識不足があるかもしれない。典型的な例としては、業績評価を目標管理で行う場合に、目標項目以外の業績・成果をどう評価するかである。能力評価や行動評価でフォローするというのが一般的な対応であるが、その場しのぎの感も否めない。
また、目立った業績がなくても、日常の何気ないコミュニケーションや気遣いによって職場の雰囲気を良くする社員も存在するが、評価はされづらい。こういった人々をしっかり評価していくことも、確かに課題となる。
今回の調査で、社員は人事評価を重要視し、期待をしていることがあらためてわかった。その期待に応えるために、企業として地道な努力が求められる。