| ポイント制賞与 | 
 ポイント制賞与は、評価等により社員ごとに設定したポイントによって、賞与の支給額を計算する方式で、ポイント式賞与と言ったりもします。計算プロセスは次のようになります。
 ①評価に基づいて社員個々人のポイントを設定
 ②賞与原資÷総ポイント数によりポイント単価を算出
 ③ポイント単価×個々人のポイントにより賞与支給額を算出
 具体例で見ていきましょう。あらかじめ、下記のように賞与ポイント配分テーブルを作成しておきます。ポイント設定の仕方は、上位等級のB評価=下位等級のS評価、上位等級のD評価=下位等級のB評価というイメージです。また、上位等級になるほど、評価によるメリハリをはっきりさせています。
■賞与ポイント配分テーブル
等級  | 職位  | 評価  | |||||
S  | A  | B  | C  | D  | |||
Ⅴ  | 部長  | 5.2  | 4.6  | 4.0  | 3.4  | 2.8  | |
Ⅳ  | 課長  | 4.0  | 3.5  | 3.0  | 2.5  | 2.0  | |
Ⅲ  | 係長  | 2.8  | 2.4  | 2.0  | 1.6  | 1.2  | |
Ⅱ  | 中堅一般職  | 1.8  | 1.6  | 1.4  | 1.2  | 1.0  | |
Ⅰ  | 初級一般職  | 1.2  | 1.1  | 1.0  | 0.9  | 0.8  | |
①今期、Ⅴ等級Sさんの評価がB、Ⅲ等級Tさんの評価がA、Ⅰ等級Uさんの評価がCであったとします。そうすると、各人の賞与ポイントは、Sさん⇒4.0、Tさん⇒2.4、Uさん⇒0.9 となり、総ポイント数は7.3となります。
②賞与原資が200万円とすると、ポイント単価は200万円÷7.3≒273,973円(端数切上)となります。
③各人の支給額は次のとおりです。
  Sさん⇒273,973×4.0=1,095,892円
  Tさん⇒273,973×2.4=657,535円
  Uさん⇒273,973×0.9=246,576円
 ポイント制退職金は多くの企業に取り入れられていますが、ポイント制賞与は、まだそれほど普及していません。当初のポイント設定がやっかいといえばやっかいですが、次のようなメリットがありますので、導入を検討してみてはいかがでしょうか。
 
① 最初に賞与原資を確定できるので、人件費のコントロールをしやすい。
② 高評価者が多数出現しても賞与原資を超えることはないので、評価分布規制をしなくてよく、絶対評価を貫くことができる。
③ 特定部門のポイントを高くする、メリハリを大きくするなど、政策的な設定が容易にできる。
