労働基準法関係通達



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   労働基準法関係通達

  第1条 労働条件の原則
 昭和22年9月13日発基第17号

(一) 本条は労働者に人格として価値ある生活を営む必要を充すべき労働条件を保障することを宣明したものであって本法各条の解釈にあたり基本観念として常に考慮されなければならない。
(二) 労働者が人たるに値する生活を営むためにはその標準家族の生活をも含めて考えること。
(三) 第二項については労働条件の低下がこの法律の基準を理由としているか否かに重点を置いて認定し経済諸条件の変動に伴うものは本条に抵触するものとしないこと。


 第3条 均等待遇
 昭和22年9月13日発基第17号

 「信条」とは特定の宗教的若しくは政治的信念をいい、「社会的身分」とは生来の身分例えば部落出身者の如きものをいうこと。


 第4条 男女同一賃金の原則
 昭和22年9月13日発基第17号

(一) 本条の趣旨は我国における従来の国民経済の封建的構造のため男子労働者に比較して一般に低位であった女子労働者の社会的経済的地位の向上を賃金に関する差別待遇の廃止という面から実現しようとするものであること。
(二) 職務能率技能等によって賃金に個人的の差異のあることは、本条に規定する差別待遇ではないこと。
(三) しかしながら労働者が女子であることのみを理由として或は社会的通念として若しくは当該事業場において女子労働者が一般的に又は平均的に能率が悪いこと知能が低いこと勤続年数が短いこと扶養家族が少いこと等の理由によって女子労働者に対し賃金に差別をつけることは違法であること。


第5条 強制労働の禁止
 昭和22年9月13日発基第17号

(一) 強制労働は我が国の労働関係に残存する封建的遺制の代表的なものであり自然犯に類するものであるので、本条の違反については当初から特にその監督取締を厳格に行うこと。
(二) 「不当に拘束する手段」とは法に例示するもの以外に例えば法第一六条第一七条第一八条等もこれに該当するが、就業規則に社会通念上認められる懲戒罰を規定する如きは「不当」とは認めないこと。


 第6条 中間搾取の排除
 昭和22年9月13日発基第17号

(一) 「法律に基いて許される場合」とは職業紹介法及びその委任命令に基く場合をいうこと。
(二) 本条は繰込手当を受ける納屋頭の如き労働関係の存続に関係するものを含む趣旨であること。


 第7条 公民権行使の保障
 昭和22年9月13日発基第17号

 本条の保障する時間は、衆議院議員その他の選挙権被選挙権を行使し、又は衆議院議員その他の議員、労働委員会の委員、陪審員等法令に根拠を有する公の職務を執行するものに限り訴権その他はこれを含まない趣旨であること。


 第9条 労働者
 平成19年5月17日基発第0517002号

 標記については、障害者自立支援法に基づく就労継続支援事業を実施している施設以外にも、いわゆる授産施設、小規模作業所等の形態により、障害者が物品の生産等の作業に従事している施設(以下「小規模作業所等」という。)が見受けられるが、これら小規模作業所等において作業に従事する障害者が、労働基準法第9条の労働者に当たるか否かについて、疑義が生じていることから、今後、その判断に当たっては、下記によることとしたので、了知の上、その運用に遺憾なきを期されたい。
 
 記
 
1 基本的な考え方
 労働基準法第9条において、「労働者」とは「事業又は事務所に使用される者で、賃金を支払われる者」と定義されており、この労働者性の判断は、使用従属性があるか否かを労務提供の形態や報酬の労務対償性及びこれらに関連する諸要素を勘案して総合的に判断するものである。
 小規模作業所等における作業に従事している障害者の多くは、当該作業に従事することを通じて社会復帰又は社会参加を目的とした訓練等(以下「訓練等」という。)を行うことが期待されている場合が多く、障害者の労働習慣の確立、職場規律や社会規律の遵守、就労意欲の向上等を主たる目的として具体的な作業指示が行われているところである。このため、このような作業については訓練等を目的としているとしても、使用従属関係下において行われているか否かを判断することが困難な場合が多い。
 このため、小規模作業所等において作業に従事する障害者の労働者性の判断に当たっては、以下により取り扱うこと。 
 なお、当該小規模作業所等における事業収入が一般的な事業場に比較して著しく低い場合には、事業性を有しないと判断される場合があることに留意すること。
 
2 訓練等の計画が策定されている場合
 ①小規模作業所等において行われる作業が訓練等を目的とするものである旨が定款等の定めにおいて明らかであり、②当該目的に沿った訓練等の計画(下記3の(1)から(4)の要素が含まれていないものに限る。)が策定され、③小規模作業所等において作業に従事する障害者又はその保護者との間の契約等において、これら訓練等に従事することの合意が明らかであって、④作業実態が訓練等の計画に沿ったものである場合には、当該作業に従事する障害者は、労働基準法第9条の労働者ではないものとして取り扱うこと。
 
3 訓練等の計画が策定されていない場合
 訓練等の計画が策定されていない小規模作業所等において作業に従事する障害者については、次の(1)から(4)のいずれかに該当するか否かを、個別の事案ごとに作業実態を総合的に判断し、使用従属関係下にあると認められる場合には、労働基準法第9条の労働者であるものとして取り扱うこと。
(1) 所定の作業時間内であっても受注量の増加等に応じて、能率を上げるため作業が強制されていること
(2) 作業時間の延長や、作業日以外の日における作業指示があること
(3) 欠勤、遅刻・早退に対する工賃の減額制裁があること
(4) 作業量の割当、作業時間の指定、作業の遂行に関する指導命令違反に対する工賃の減額や作業品割当の停止等の制裁があること
 
4 その他
 授産施設において作業を行う障害者の労働基準法第9条の適用については、昭和26年10月25日付け基収第3821号「授産事業に対する労働基準法の適用除外について」(以下「26年通達」という。)に従い判断しているところであるが、昭和26年当時と異なり、福祉の場における障害者の就労実態が大きく変化し、26年通達を適用する意義が失われていることから、26年通達は、本通達をもって廃止することとし、今後は、本通達に基づき判断すること。
 

 第10条 使用者
 昭和22年9月13日発基第17号

 「使用者」とは本法各条の義務についての履行の責任者をいい、その認定は部長、課長等の形式にとらわれることなく各事業において、本法各条の義務について実質的に一定の権限を与えられているか否かによるが、かかる権限が与えられて居らず、単に上司の命令の伝達者にすぎぬ場合は使用者とはみなされないこと。


 第11条 賃金
 昭和22年9月13日発基第17号

(一) 労働者に支給される物又は利益にして、次の各号の一に該当するものは、賃金とみなすこと。
(1) 所定貨幣賃金の代りに支給するもの、即ちその支給により貨幣賃金の減額を伴うもの。
(2) 労働契約において、予め貨幣賃金の外にその支給が約束されているもの。
(二) 右に掲げるものであっても、次の各号の一に該当するものは、賃金とみなさないこと。
(1) 代金を徴収するもの、但しその代金が甚だしく低額なものはこの限りでない。
(2) 労働者の厚生福利施設とみなされるもの。
(三) 退職金、結婚祝金、死亡弔慰金、災害見舞金等の恩恵的給付は原則として賃金とみなさないこと。但し退職金、結婚手当等であって労働協約、就業規則、労働契約等によって予め支給条件の明確なものはこの限りでないこと。


 第12条 平均賃金
 昭和22年9月13日発基第17号

(一) 臨時に支払われた賃金とは、臨時的、突発的事由にもとづいて支払われたもの、及び結婚手当等支給条件は予め確定されているが、支給事由の発生が不確定であり、且非常に稀に発生するものを云うこと。
名称の如何にかかわらず、右に該当しないものは、臨時に支払われた賃金とはみなさないこと。
(二) 施行規則第二条第三項による評価額の判定基準は別に指示するところによること。
(三) 日日雇い入れられる者の平均賃金については、別途、告示を以て定められたが、将来は一定の標準賃金額を以て定める方法による予定であること。
(四) 施行規則第四条に規定する場合における平均賃金決定基準は次によること。
施行規則第四条前段の場合は、法第一二条第三項第一号乃至第三号の期間の最初の日を以て、平均賃金を算定すべき事由の発生した日とみなすこと。
 前項各号の期間が長期にわたったため、その期間中に当該事業場において、賃金水準の変動が行われた場合には、平均賃金を算定すべき事由の発生した日に当該事業場において同一業務に従事した労働者の一人平均の賃金額により、これを推算すること。
 雇い入れの日に平均賃金を算定すべき事由が発生した場合には、当該労働者に対し一定額の賃金が予め定められている場合には、その額により推算し、しからざる場合には、その日に、当該事業場において、同一業務に従事した労働者の一人平均の賃金額により推算すること。


 平成22年4月12日基監発0412第1号

 労働者が業務上疾病の診断確定日に、既にその疾病の発生のおそれのある作業に従事した事業場を離職している場合の災害補償に係る平均賃金の算定において、当該労働者の賃金額が他の資料から不明である場合に、当該労働者が業務上疾病の発生のおそれのある作業に従事した最後の事業場を離職した日に厚生年金保険等の被用者年金制度に加入しており、かつ、離職した日以前3箇月間の標準報酬月額が明らかであり、当該労働者が自己の賃金額を証明する資料として厚生年金保険等の被保険者記録照会回答票又はねんきん定期便を提出している場合は、被保険者記録照会回答票又はねんきん定期便により確認される当該標準報酬月額を基礎として、平均賃金を算定して差し支えないこと。なお、賃金の水準の上昇の考慮については、昭和50年9月23日付け基発第556号「離職後診断によって疾病の発生が確定した労働者に係る平均賃金の算定について」の記の2に準じて行うこと。


 平成22年7月15日基監発0715第7号

 労働基準法第12条第3項第3号において、平均賃金の算定期間中に使用者の責めに帰すべき事由によって休業した期間がある場合は、その日数及びその期間中の賃金は、平均賃金算定の基礎となる期間及び賃金の総額から控除することとされているが、休業の開始日から終了日までの間に、労働協約、就業規則又は労働契約により休日と定められている日が含まれている場合、当該休日の日数は、休業した期間の日数に含むものと解してよろしいか。
 
 貴見のとおり。
 なお、休業の開始日及び終了日は、当該休業に係る労使協定や就業規則の規定に基づく使用者の指示等により、個別の状況に応じて客観的に判断されるものであること。


 第14条 契約期間等
 平成11年1月29日基発第45号

第一 契約期間の上限(法第一四条関係)
一 趣旨
 高度の専門的能力を有し、企業の枠を超えて柔軟な働き方を求める労働者が、その能力を存分に発揮するための環境を整備し、企業がこのような労働者を活用して積極的な事業を展開することや、高齢者の経験や能力を生かせる雇用の場を確保することを可能とすることを目的として、
① 新商品、新技術の開発等のための業務や新規事業への展開を図るためのプロジェクト業務に必要とされ、事業場で確保が困難な高度の専門的な知識、技術又は経験(以下「専門的知識等」という。)を持っている者を新たに雇い入れる場合に締結される労働契約や、
② 満六〇歳以上の労働者との間に締結される労働契約
について、契約期間の上限を三年としたものであること。
二 対象
 契約期間の上限が三年とされた労働契約は、法第一四条第一号から第三号までに掲げる労働契約であり、具体的には次のとおりであること。
(一) 法第一四条第一号に掲げる労働契約
イ 「新商品、新役務若しくは新技術の開発」にいう「新」とは、当該事業場において新規のものであれば足りるものであること。
 また、「科学に関する研究」には、自然科学に関する研究だけでなく、人文科学又は社会科学に関する学術的な研究も含むものであること。
ロ 高度基準は、高度の専門的知識等を限定列挙したものであること。
 高度基準第二号、第四号及び第五号中「・・年以上従事した経験」には、それぞれの学位や資格等を得る以前の経験を含むものであること。
 高度基準第五号に規定する「労働省労働基準局長が認める者」については、おって必要に応じ、労働省労働基準局長通達により定めることとするものであること。
ハ 法第一四条第一号の労働契約を締結するため、既に事業場にいた高度の専門的知識等を有する労働者を解雇し、又は移籍出向等させた事業場は、「当該高度の専門的知識等を有する労働者が不足している事業場」とは認められないものであること。
ニ 「当該高度の専門的知識等を有する業務に新たに就く者」とは、当該労働契約の締結前に、当該事業場において当該業務に就いていたことのない労働者のことであること。
 このため、従来、当該事業場において同一業務に就いていた者と法第一四条第一号の契約を締結することはできないものであること。また、同号の契約を更新する場合、一年を超える期間を定めることはできないものであること。
(二) 法第一四条第二号に掲げる労働契約
イ 「一定の期間に完了することが予定されているもの」とは、具体的に終期が予定されている業務のことであること。  例えば、二年計画でいわゆるプロジェクトとして特別の体制を講じて行われる事業の立ち上げに関する業務がこれに該当するものであること。
ロ 高度基準、「当該高度の専門的知識等を有する労働者が不足している事業場」及び「当該高度の専門的知識等を有する業務に新たに就く者」の解釈については、上記(一)ロからニまでと同様であること。
(三) 法第一四条第三号に掲げる労働契約
イ 本号の労働契約は、契約締結時に満六〇歳以上である労働者との間に締結されるものであることを要すること。
ロ 法第一四条第一号又は第二号の契約更新時に、当該労働者が満六〇歳以上であれば、三年以内の労働契約の締結が可能であること。
三 法第一四条に規定する期間を超える期間を定めた労働契約の効力等について
 法第一四条に規定する期間を超える期間を定めた労働契約を締結した場合は、同条違反となり、当該労働契約の期間は、法第一三条の規定により法第一四条第一号から第三号までに掲げるものについては三年、他のものについては一年となること。


 平成15年10月22日基発第1022001号

第1 有期労働契約(法第14条、第137条及び改正法附則第3条関係)
1 契約期間の上限(法第14条第1項関係)
(1) 趣旨
 有期契約労働者の多くが契約更新を繰り返すことにより、一定期間継続して雇用されている現状等を踏まえ、有期労働契約が労使双方から良好な雇用形態の一つとして活用されるようにすることを目的として、有期労働契約の契約期間の上限を1年から3年に延長するとともに、高度の専門的知識等を有する労働者や満60歳以上の労働者については、特例としてその期間の上限を5年としたものであること。
 なお、高度の専門的知識等を有する労働者との間に締結される労働契約については、当該労働者の有する高度の専門的知識等を必要とする業務に就く場合に限って契約期間の上限を5年とする労働契約を締結することが可能となるものであり、当該高度の専門的知識を必要とする業務に就いていない場合の契約期間の上限は3年であること。
 また、本条第1項第1号の高度の専門的知識等を有する労働者との間に締結される労働契約については、改正法による改正前の労働基準法第14条第1号又は第2号の労働者との間に締結される労働契約に係る特例と異なり、当該労働者が当該専門的知識等を必要とする業務に就く者である場合であれば、いつでも5年以内の契約期間の労働契約を締結することができるものであること。
(2) 特例の対象
 契約期間の上限が5年とされた労働契約は、法第14条第1項第1号及び第2号に掲げる労働契約であり、具体的には次のとおりであること。
ア 法第14条第1項第1号に掲げる労働契約
(ア) 趣旨
 特例基準は、高度の専門的知識等を限定列挙したものであり、衆議院及び参議院の厚生労働委員会における附帯決議(別添1参照)において、「有期上限5年の対象労働者の範囲については、弁護士、公認会計士など専門的な知識、技術及び経験を有しており、自らの労働条件を決めるに当たり、交渉上、劣位に立つことのない労働者を当該専門的な知識、技術及び経験を必要とする業務に従事させる場合に限定すること。」とされたことを踏まえたものであること。
(イ) 特例基準第1号関係
 本号は、博士の学位を有する者を特例の対象とすることとしたものであるが、契約期間の上限を5年とする労働契約を締結することができるのは、法第14条第1項第1号に定めるとおり「当該高度の専門的知識等を必要とする業務に就く」場合に限るものであることから、労働者が博士の学位を有しているだけでは足りず、当該博士の学位に関係する業務を行うことが労働契約上認められている等が必要であるものであること。
(ウ) 特例基準第2号関係
 本号において、契約期間の上限を5年とする労働契約を締結することができるのは、上記(イ)の考え方と同様に、労働者が本号に掲げる国家資格を有していることだけでは足りず、当該国家資格の名称を用いて当該国家資格に係る業務を行うことが労働契約上認められている等が必要であるものであること。
(エ) 特例基準第3号関係
 「アクチュアリー」とは、確率や数理統計の手法を駆使して、保険料率の算定や配当水準の決定、保険商品の開発及び企業年金の設計等を行うものであり、「アクチュアリーに関する資格試験」とは、社団法人日本アクチュアリー会が行 うアクチュアリーに関する資格試験を指すものであること。
 また、本号において、契約期間の上限を5年とする労働契約を締結することができるのは、上記(イ)の考え方と同様に、労働者が本号に掲げる資格試験に合格している者であることだけでは足りず、当該資格を用いて当該資格に係る業務を行うことが労働契約上認められている等が必要であるものであること。
(オ) 特例基準第4号関係
 本号において、契約期間の上限を5年とする労働契約を締結することができるのは、上記(イ)の考え方と同様に、労働者が特許発明等の発明者等であるだけでは足りず、当該特許発明等に関係する業務を行うことが労働契約上認められている等が必要であるものであること。
(カ) 特例基準第5号イ関係
a 「農林水産業若しくは鉱工業の科学技術若しくは機械、電気、土木若しくは建築に関する科学技術に関する専門的応用能力を必要とする事項についての計画、設計、分析、試験若しくは評価の業務」とは、①農林水産業の技術者、②鉱工業の技術者、③機械・電気技術者又は④建築・土木技術者の業務をいうものであること。
 具体的には、平成11年11月25日付け職発第826号に定める労働省編職業分類における大分類A(専門的・技術的職業)中中分類02(農林水産業・食品技術者)、03(機械・電気技術者)、04(鉱工業技術者(機械・電気技術者を除く。))又は05(建築・土木・測量技術者)中小分類051(建築技術者)若しくは052(土木技術者)に分類される者をいうものであること。
b 「情報処理システム(電子計算機を使用して行う情報処理を目的として複数の要素が組み合わされた体系であってプログラムの設計の基本となるものをいう。以下同じ。)の分析若しくは設計の業務(以下「システムエンジニアの業務」をいう。)」とは、いわゆるシステムエンジニアの業務をいうものであること。
 「情報処理システム」とは、情報の整理、加工、蓄積、検索等の処理を目的として、コンピュータのハードウェア、ソフトウェア、通信ネットワーク、データを処理するプログラム等が構成要素として組み合わされた体系をいうものであること。
 また、「情報処理システムの分析又は設計の業務」とは、①ニーズの把握、ユーザーの業務分析等に基づいた最適な業務処理方法の決定及びその方法に適合する機種の選定、②入出力設計、処理手順の設計等アプリケーション・システムの設計、機械構成の細部の決定、ソフトウェアの決定等、③システム稼働後のシステムの評価、問題点の発見、その解決のための改善等の業務をいうものであること。プログラムの設計又は作成を行うプログラマーは含まれないものであること。
c 「衣服、室内装飾、工業製品、広告等の新たなデザインの考案の業務」とは、いわゆるデザイナーの業務をいうものであること。
 また、「広告」には、商品のパッケージ、ディスプレイ等広く宣伝を目的としたものも含まれるものであること。考案されたデザインに基づき、単に図面の作成、製品の製作等の業務を行う者は含まれないものであること。
d (1)から(3)までに規定する「就こうとする業務に関する学科」とは、労働者に従事させようとする業務にそれぞれ関するものであること。例えば、別添2に掲げるような学科が考えられること。
 なお、「学科」には、大学設置基準(昭和31年文部省令第28号)第5条に基づき学科に代えて設置されている「課程」も含まれるものであること。
e 本号中「・・年以上従事した経験」には、それぞれの学位や資格等を得る以前の経験を含むものであること。
(キ) 特例基準第5号ロ関係
a 「事業運営において情報処理システムを活用するための問題点の把握又はそれを活用するための方法に関する考案若しくは助言の業務」とは、いわゆるシステムコンサルタントの業務をいうものであること。システムコンサルタントについては、学歴は問わず、システムエンジニアとしての実務経験を要件としているものであること。
b 「情報処理システムを活用するための問題点の把握」とは、現行の情報処理システム又は業務遂行体制についてヒアリングを行い、新しい情報処理システムの導入又は現行情報処理システムの改善に関し、情報処理システムを効率的、有効に活用するための方法について問題点の把握を行うことをいうものであること。
 また、「それを活用するための方法に関する考案若しくは助言」とは、情報処理システムの開発に必要な時間、費用等を考慮した上で、新しい情報処理システムの導入や現行の情報処理システムの改善に関しシステムを効率的、有効に活用するための方法を考案し、助言することをいうものであること。
 なお、アプリケーションの設計又は開発の業務、データベース設計又は構築の業務は、上記(カ)のbのいわゆるシステムエンジニアの業務に含まれるものであり、いわゆるシステムコンサルタントの業務には含まれないものであること。
(ク) 特例基準第5号の賃金の額に係る要件関係
a 「支払われることが確実に見込まれる賃金の額」とは、個別の労働契約又は就業規則等において、名称の如何にかかわらず、あらかじめ具体的な額をもって支払われることが約束され、支払われることが確実に見込まれる賃金はすべて含まれるものであること。したがって、所定外労働に対する手当や労働者の勤務成績等に応じて支払われる賞与、業績給等その支給額があらかじめ確定されていないものは含まれないものであること。ただし、賞与や業績給でもいわゆる最低保障額が定められ、その最低保障額については支払われることが確実に見込まれる場合には、その最低保障額は含まれるものであること。
b 「一年当たりの額に換算した額が千七十五万円を下回らないもの」とは、契約期間中に支払われることが確実に見込まれる賃金額を一年当たりに換算した額が1,075万円以上であることをいうものであり、次のいずれかに該当するものであること。
(a) 労働契約の開始の日から起算する一年ごとの期間について1,075万円以上であること
(b) 賃金計算期間等に応じて客観的かつ合理的に定められる任意の日から起算する一年ごとの期間について1,075万円以上であること
(c) 契約期間中に支払われることが確実に見込まれる賃金の総額を一年に換算した額が1,075万円以上であること
c 上記bの(a)及び(b)において、一年未満の端数となる期間が生じる場合にあっては、当該期間を一年に換算した賃金額が1,075万円以上であることが必要であること。
d 当該賃金の額に係る要件は、3年を超える有期労働契約の締結に当たっての要件であり、労働者の何らかの事由による休業や欠勤等により実際の賃金額が減額され得ることは、契約の締結の要件とは関係のないことであること。
e 上記cの換算方法その他について疑義が生じた場合には、個別ケースごとに照会されたいこと。
(ケ) 特例基準第6号関係
 本号に規定する「厚生労働省労働基準局長が定める者」については、おって必要に応じ、厚生労働省労働基準局長通達により定めることとするものであること。
イ 法第14条第1項第2号に掲げる労働契約
 本号の労働契約は、契約締結時に満60歳以上である労働者との間に締結されるものであることを要すること。
(3) 法第14条第1項に規定する期間を超える期間を定めた労働契約の効力等について
 法第14条第1項に規定する期間を超える期間を定めた労働契約を締結した場合は、同条違反となり、当該労働契約の期間は、法第13条により、法第14条第1項第1号及び第2号に掲げるものについては5年、その他のものについては3年となること。
(4) その他
 今回の法改正における有期労働契約の期間の上限の延長は、有期労働契約が労使双方から良好な雇用形態の一つとして活用されるようにすることを目的としているものであり、今回の改正を契機として、企業において、期間の定めのない契約の労働者の退職に伴う採用や新規学卒者の採用について、これまでは期間の定めのない契約の労働者を採用することとしていた方針を有期契約労働者のみを採用する方針に変更するなど有期労働契約を期間の定めのない労働契約の代替として利用することは、今回の改正の趣旨に反するものであること。
 また、使用者が労働者との間に期間の定めのない労働契約を締結している場合において、当該労働者との間の合意なく当該契約を有期労働契約に変更することはできないものであること。
 以上の点に留意すべき旨、使用者やその団体等に対して、集団指導等あらゆる機会を捉えて周知を図るものであること。
2 有期労働契約の締結、更新及び雇止めに関する基準(法第14条第2項及び第3項)
(1) 趣旨
 有期契約労働者について適切な労働条件を確保するとともに、有期労働契約が労使双方にとって良好な雇用形態として活用されるようにするためには、有期労働契約の締結、更新及び雇止めに際して発生するトラブルを防止し、その迅速な解決が図られるようにすることが必要であることから、厚生労働大臣が「有期労働契約の締結、更新及び雇止めに関する基準」を定めることとし、当該基準に関し、行政官庁が必要な助言及び指導を行うことができることとしたものであること。
(2) 雇止めに関する基準の内容
ア 第1条関係
(ア) 本条により明示しなければならないこととされる「更新の有無」及び「判断の基準」の内容は、有期労働契約を締結する労働者が、契約期間満了後の自らの雇用継続の可能性について一定程度予見することが可能となるものであることを要するものであること。
 例えば、「更新の有無」については、
a 自動的に更新する
b 更新する場合があり得る
c 契約の更新はしない
 等を明示することが考えられるものであること。
 また、「判断の基準」については、
a 契約期間満了時の業務量により判断する
b 労働者の勤務成績、態度により判断する
c 労働者の能力により判断する
d 会社の経営状況により判断する
e 従事している業務の進捗状況により判断する
 等を明示することが考えられるものであること。
(イ) なお、これらの事項については、トラブルを未然に防止する観点から、使用者から労働者に対して書面を交付することにより明示されることが望ましいものであること。
(ウ) 本条第3項については、使用者が労働契約締結時に行った「更新の有無」及び「判断の基準」に係る意思表示の内容を変更する場合に、当該労働契約を締結した労働者に対して、速やかにその変更した意思表示の内容を明示しなければならないものであること。この場合、「更新の有無」及び「判断の基準」が当該労働契約の一部となっている場合には、その変更には当該労働者の同意を要するものであること。
イ 第2条関係
(ア) 本条の対象となる有期労働契約は、
a 有期労働契約が3回以上更新されている場合
b 1年以下の契約期間の労働契約が更新又は反復更新され、当該労働契約を締結した使用者との雇用関係が初回の契約締結時から継続して通算1年を超える場合
c 1年を超える契約期間の労働契約を締結している場合
であること。
(イ) なお、30日未満の契約期間の労働契約を3回以上更新した場合又は当該労働契約の更新を繰り返して1年を超えた場合の雇止めに関しては、30日前までにその予告をするのが不可能な場合であっても、本条の趣旨に照らし、使用者は、できる限り速やかにその予告をしなければならないものであること。
ウ 第3条関係
 「更新しないこととする理由」及び「更新しなかった理由」は、契約期間の満了とは別の理由を明示することを要するものであること。
 例えば、
(ア) 前回の契約更新時に、本契約を更新しないことが合意されていたため
(イ) 契約締結当初から、更新回数の上限を設けており、本契約は当該上限に係るものであるため
(ウ) 担当していた業務が終了・中止したため
(エ) 事業縮小のため
(オ) 業務を遂行する能力が十分ではないと認められるため
(カ) 職務命令に対する違反行為を行ったこと、無断欠勤をしたこと等勤務不良のため
 等を明示することが考えられるものであること。
エ 第4条関係
 本条における「労働契約の実態」とは、例えば、有期労働契約の反復更新を繰り返した後、雇止めをした場合であっても、裁判において当該雇止めが有効とされる場合のように、業務の都合上、必然的に労働契約の期間が一定の期間に限定され、それ以上の長期の期間では契約を締結できないような実態を指すものであること。
(3) その他
ア 有期労働契約の雇止めに関する裁判例を見ると、契約の形式が有期労働契約であっても、
・ 反復更新の実態や契約締結時の経緯等により、実質的には期間の定めのない契約と異ならないものと認められた事案
・ 実質的に期間の定めのない契約とは認められないものの契約更新についての労働者の期待が合理的なものと認められた事案
・ 格別の意思表示や特段の支障がない限り当然更新されることを前提として契約が締結されていると認められ、実質上雇用継続の特約が存在すると言い得る事案
 があり、使用者は、こうした事案では解雇に関する法理の類推適用等により雇止めが認められなかった事案も少なくないことに留意しつつ、法令及び雇止めに関する基準に定められた各事項を遵守すべきものであること。
イ 雇止めに関する基準は、有期労働契約の契約期間の満了に伴う雇止めの法的効力に影響を及ぼすものではないこと。


 平成20年1月23日基発第0123005号

1 趣旨
 平成18年12月27日の労働政策審議会の答申において、期間の定めのある労働契約について、「「有期労働契約の締結、更新及び雇止めに関する基準」第2条の雇止め予告の対象の範囲を拡大(現行の1年以上継続した場合のほか、一定回数(3回)以上更新された場合も追加)すること」とされたことを踏まえ、有期労働契約の締結、更新及び雇止めに関する基準(平成15年厚生労働省告示第357号。以下「雇止めに関する基準」という。)を改正したものであること。
 
2 内容
(1) 雇止めに関する基準第2条の雇止め予告の対象の範囲として、有期労働契約が3回以上更新された場合を追加したものであること。
 これより、使用者は、有期労働契約が3回以上更新されている場合において、当該有期労働契約を更新しないこととしようとする場合には、少なくとも当該契約の期間の満了する日の30日前までに、その予告をしなければならないものであること。
 なお、
 ア 30日未満の契約期間の労働契約を3回以上更新した場合
 イ (2)のアの場合であって、適用日以後の契約の期間が30日未満である場合
 の雇止めに関しては、30日前までにその予告をするのが不可能な場合であっても、雇止めに関する基準第2条の趣旨に照らし、使用者は、できる限り速やかにその予告をしなければならないものであること。
(2) 改正告示の適用日前に締結された有期労働契約であっても、
 ア 改正告示の適用日前に3回以上更新されていた場合
 イ 改正告示の適用日以後に3回目の更新がなされた場合
 には、改正告示による改正後の雇止めに関する基準第2条の対象となるものであること。


 第15条 労働条件の明示
 昭和22年9月13日発基第17号

(一) 規則第五条第一号の「従事すべき業務」を明示するについては、具体的且つ詳細に明示すること。但し将来従事せしめるべき業務を合せ網羅的に明示することは差支えないこと。
(二) 本条第三項「必要な旅費」とは、労働者本人のみならず、就業のため移転した家族の旅費を含むこと。


 平成11年1月29日基発第45号

第二 労働条件の明示(法第一五条第一項関係)
一 趣旨
 労働移動の増大、就業形態の多様化等に伴い、労働条件が不明確なことによる紛争が増大するおそれがあることから、このような紛争を未然に防止するため、書面の交付により明示すべき労働条件を追加したものであること。
二 労働契約の締結の際に明示すべき事項
 使用者が労働契約の締結の際に明示すべき事項として、労働契約の期間に関する事項及び所定労働時間を超える労働の有無を追加したものであること。
三 書面の交付により明示すべき事項
 使用者が労働契約の締結の際に書面により明示すべき事項として、次の事項を追加したものであること。
(一) 労働契約の期間に関する事項
 期間の定めのある労働契約の場合はその期間、期間がない労働契約の場合はその旨を明示しなければならないこと。
(二) 就業の場所及び従事すべき業務に関する事項
 雇入れ直後の就業の場所及び従事すべき業務を明示すれば足りるものであるが、将来の就業場所や従事させる業務を併せ網羅的に明示することは差し支えないこと。
(三) 始業及び終業の時刻、所定労働時間を超える労働の有無、休憩時間、休日、休暇並びに労働者を二組以上に分けて就業させる場合における就業時転換に関する事項
 当該労働者に適用される労働時間等に関する具体的な条件を明示しなければならないこと。
 なお、当該明示すべき事項の内容が膨大なものとなる場合においては、労働者の利便性をも考慮し、所定労働時間を超える労働の有無以外の事項については、勤務の種類ごとの始業及び終業の時刻、休日等に関する考え方を示した上、当該労働者に適用される就業規則上の関係条項名を網羅的に示すことで足りるものであること。
(四) 退職に関する事項
 退職の事由及び手続、解雇の事由等を明示しなければならないこと。
 なお、当該明示すべき事項の内容が膨大なものとなる場合においては、労働者の利便性をも考慮し、当該労働者に適用される就業規則上の関係条項名を網羅的に示すことで足りるものであること。
四 書面明示の方法
 上記三の書面の様式は自由であること。
 なお、上記に掲げた事項については、当該労働者に適用する部分を明確にして就業規則を労働契約の締結の際に交付することとしても差し支えないこと。


 平成15年10月22日基発第1022001号

4 労働契約締結時の解雇事由の明示(則第5条関係)
 使用者が労働契約の締結に際し書面の交付により明示すべき労働条件として、「退職に関する事項」に「解雇の事由」が含まれることを則において明らかにすることとしたものであること。
 なお、当該明示すべき事項の内容が膨大なものとなる場合においては、労働者の利便性をも考慮し、当該労働者に適用される就業規則上の関係条項名を網羅的に示すことで足りるものであること。


 平成24年10月26日基発第1026002号

 労働基準法施行規則の一部を改正する省令(平成24年厚生労働省令第149号。以下「改正省令」という。)及び有期労働契約の締結、更新及び雇止めに関する基準の一部を改正する件(平成24年厚生労働省告示第551号。以下「改正告示」という。)については、それぞれ本日公布及び告示され、平成25年4月1日から施行し、及び適用されることとなったが、その趣旨、内容等については下記のとおりであるので、その施行に遺漏なきを期されたい。
なお、改正省令及び改正告示の施行に伴う関係通達の整備については、おって通達する。
1 改正の趣旨
改正省令及び改正告示は、労働政策審議会建議「有期労働契約の在り方について」(平成23年12月26日)において「有期労働契約の継続・終了に係る予測可能性と納得性を高め、もって紛争の防止に資するため、契約更新の判断基準は、労働基準法第15条第1項後段の規定による明示をすることとすることが適当である。」とされたことを踏まえ、労働基準法施行規則(昭和22年厚生省令第23号。以下「則」という。)及び有期労働契約の締結、更新及び雇止めに関する基準(平成15年厚生労働省告示第357号。以下「雇止めに関する基準」という。)について所要の改正を行ったものである。
2 改正の内容
(1) 労働基準法(昭和22年法律第49号。以下「法」という。)第15条第1項前段の規定により労働者に対して明示しなければならない労働条件及び同項後段の厚生労働省令で定める事項として、期間の定めのある労働契約であって当該労働契約の期間の満了後に当該労働契約を更新する場合があるものの締結の場合においては「期間の定めのある労働契約を更新する場合の基準に関する事項」(以下「更新の基準」という。)を加えるものとしたこと(則第5条第1項第1号の2及び第2項)。
これにより、更新の基準は、則第5条第3項の規定により、書面の交付により明示しなければならない労働条件となるものであること。
書面の交付により明示しなければならないこととされる更新の基準の内容は、有期労働契約を締結する労働者が、契約期間満了後の自らの雇用継続の可能性について一定程度予見することが可能となるものであることを要するものであること。
当該内容については、平成15年10月22日付け基発第1022001号「労働基準法の一部を改正する法律の施行について」の記の第1の2の(2)のアの(ア)において示していたものと同様であり、例えば、「更新の有無」として、
a 自動的に更新する
b 更新する場合があり得る
c 契約の更新はしない
等を、また、「契約更新の判断基準」として、
a 契約期間満了時の業務量により判断する
b 労働者の勤務成績、態度により判断する
c 労働者の能力により判断する
d 会社の経営状況により判断する
e 従事している業務の進捗状況により判断する
等を明示することが考えられるものであること。
また、更新の基準についても、他の労働条件と同様、労働契約の内容となっている労働条件を使用者が変更する場合には、労働者との合意その他の方法により、適法に変更される必要があること。
(2) 上記(1)の改正に伴い、雇止めに関する基準第1条における契約締結時の明示事項等に係る規定を削除するものとすること。
3 モデル労働条件通知書の改正
改正省令の施行等に伴い、平成11年2月19日付け基発第81号「労働条件通知書等の普及促進について」の(別添1)から(別添5)までのモデル様式を別添1から別添5までのように改正し、改正省令の施行日から適用する。


 第16条 賠償予定の禁止
 昭和22年9月13日発基第17号

 本条は、金額を予定することを禁止するのであって、現実に生じた損害について賠償を請求することを禁止する趣旨ではないこと。


 第17条 前借金相殺の禁止
 昭和22年9月13日発基第17号

(一) 弁済期の繰上げで明かに身分的拘束を伴わないものは労働することを条件とする債権には含まれないこと。
(二) 労働者が使用者から人的信用に基く貸借として金融を受ける必要がある場合には、賃金と相殺せず労働者の自由意志に基く弁済によらしめること。


 第18条 強制貯金
 昭和27年9月20日発基第675号

(一) 本条は、貯蓄金管理について、労働者側の意思を充分反映させるとともに、監督官庁に対する手続を簡素化する見地から、従来の認可制を、法第三六条の時間外労働協定と同様に、労使協定の届出制に改めたものであること。
(二) 第三項にいう管理規程には、利率、利子の計算方法、貯蓄金の保管及び返還の方法等について規定させること。
(三) 利率を定める省令の制定により、貯蓄金の利率は、年利六分以上でなければならないから、年利六分未満の利率を定めていても、法律上当然に年利六分による利子をつけなければならないこと。
(四) 利子は、利率を定める省令によって毎月末に月利五厘の割合で利子をつけなければならないこと。なお、利子の計算方法は単利であっても違法ではないこと。
(五) 第六項による貯蓄金管理を「その必要な限度の範囲内で」中止させることは、貯蓄金管理を委託している労働者の全部又は一部について中止させるとの意であり、当該貯蓄金の全部又は一部の返還を命ずるとの意ではないこと。
(六) 第七項の中止命令は、貯蓄金管理に伴う弊害排除のために定められた行政官庁の最終処分であるから、違反があった場合には、この措置をとるまでに、注意を与える等によって違反を是正せしめるようにすること。
(七) 廃止
(八) 従来認可を受けて貯蓄金管理をしていた場合には、改正法律附則第二項によって改正後は労使協定の届出があったものとみなされるから、改正法施行の際法第一八条第二項の手続をとる必要はないこと。しかし同条第三項乃至第七項は当然適用されるから、例えば年利六分未満の利率を定めていたものは、直ちに年利六分以上と改めなければならないこと。


 昭和52年1月7日基発第4号

 いわゆる社内預金制度の運用に関しては、これまで、その適正な運営のため、法的規制の整備及び行政指導の充実を図ってきたところであるが、今般、賃金の支払の確保等に関する法律(昭和五一年法律第三四号。以下「賃確法」という。)により、社内預金の保全措置が法定されたことにかんがみ、同法の関係条項の施行期日である昭和五二年四月一日以後の社内預金の管理・運営については、下記によることとするのでこれが監督指導に遺憾なきを期されたい。
 
 なお、本通達の施行をもって別表記載の社内預金関係通達は廃止する。
 
 記
 
 目次
 
第一 貯蓄金の管理
 
第二 協定の内容
 
一 預金者の範囲
 
二 預金額の限度等
 
三 下限利率
 
四 上限利率
 
五 預金の利子の計算方法
 
六 預金の受入れ及び払戻しの手続
 
七 預金の保全方法等
 
第三 協定の届出
 
第四 預金管理状況報告
 
第一 貯蓄金の管理
 
 事業主(使用者)がその労働者の委託を受けて貯蓄金の管理を行う場合には、労働基準法(昭和二二年法律第四九号。以下「法」という。)第一八条第二項に基づく貯蓄金管理に関する協定(以下「協定」という。)の締結・届出等法に定める一定の要件を備えなければならないことはいうまでもないが、これに加え、貯蓄金の管理が労働者の預金の受入れであるときは、貯蓄金の保全のため、賃確法第三条に定めるところにより、一定の措置を講じなければならないものであること。
 
 協定の締結・届出を行うことなく、事業主が労働者の預金の受入れを行うことは、法第一八条第二項に違反するとともに、出資の受入、預り金及び金利等の取締等に関する法律(昭和二九年法律第一九五号)にも抵触するおそれがあることに留意すべきものであること。
 
 なお、貯蓄金の管理のうち、労働者自らが金融機関に預け入れた預金についてその預金通帳を事業主が保管する、いわゆる通帳保管については、法第一八条第四項及び労働基準法施行規則(昭和二二年厚生省令第二三号。以下「規則」という。)第五条の二並びに賃確法第三条の適用はないものであること。
 
第二 協定の内容
 
一 預金者の範囲
 
 法律第一八条第二項は、事業主がその労働者の委託を受けて貯蓄金を管理しようとする場合について規定したものであるので、預金者の範囲は当然、法第九条に規定する労働者に限られるものであること。したがって、次に掲げる者はこれに含まれないこと。
 
(一) 株式会社及び有限会社の取締役及び監査役、合資会社及び合名会社の業務執行社員、特殊法人等の総裁、理事長、組合長、会長、理事及び監事その他事業主との間に使用従属の関係にない者。ただし、代表権又は業務執行権を有しない者で、工場長、部長等の職にあって事業主から賃金の支払を受ける者を除く。
 
(二) 退職者
 
(三) 労働者の家族
 
(四) 社内親睦団体
 
 なお、事業主として法第一八条第二項により労働者の貯蓄金の管理を行い得る者は、法第一〇条に規定する使用者に限られ、会社の共済会等はこれに含まれないこと。
 
二 預金額の限度等
 
(一) 貯蓄金の管理が、法第一八条第二項の規定に基づいて受け入れる預金である以上、雇用関係に基づく労働者の収入がその源資となるべきものである。したがって、預金の源資は、定期賃金、賞与等労働の対償として支払われたものに限られ、労働者の家族等が労働者名義で預金を行うことはもちろん、労働者の兼業収入、財産収入、財産処分による収入等は預金の源資として適当でないので、協定においては法第一一条に規定する賃金以外のものは受け入れない旨を明らかにすること。
 
(二) 協定においては、預金者一人当たりの預金残高の限度を定めなければならないこととされているが、預金残高の限度は上記の趣旨にそって、当該事業場の賃金水準、預金の目的等を考慮して具体的に決定すべきものであること。この場合、預金残高の限度を「賃金額の〇〇カ月分」とする定めも預金残高の限度の具体的な定めに該当するものであること。
 
(三) いわゆる出向社員、労働組合専従職員等であって、その者の出向前、労働組合専従前等の事業場に在籍のまま、労働提供の義務が免除される場合には、その者の貯蓄金を引き続き出向前等の事業場で管理して差し支えないが、その者の基本賃金、手当等が出向先又は労働組合等から支払われる場合にあっては、それを出向前等の事業場で預金として受け入れることは適当でないこと。ただし、出向先等に社内預金制度がない場合には、その者の受ける基本賃金、手当等を出向前の事業場において引き続き預金として受け入れることは差し支えないこと(この場合、当該事業場における協定において預金者の範囲から出向者を除く旨の定めがないときに限る。)。
 
 出向者等が出向前等の事業場に復帰するときは、出向先等における社内預金の預金残高を出向前等の事業場が預金として受け入れることも差し支えないこと。
 
三 下限利率
 
(一) 法第一八条第四項の規定に基づき使用者が労働者の預金を受け入れる場合の利率の最低限度(以下「下限利率」という。)は、使用者が労働者の預金を受け入れる場合に必ず付けなければならない利子の利率の最低限度を定めたものであること。
 
(二) 下限利率は、市中金利の実勢を考慮した妥当な利率に改正していくものであることから、毎年一月に見直し作業を行い、改正の必要が認められる場合には、四月一日を施行日とし、年度単位で改正を行うこととしていること。
 
 このため、下限利率が引き上げられた場合であって、個々の事業場における社内預金の利率が当該下限利率を下回るものであるときは、当該下限利率の施行期日までに、少なくとも当該下限利率と同率以上に引き上げなければならないこと。また、下限利率が引き下げられた場合において、個々の事業場における社内預金の利率を改定するときには、原則として、改めて労使協定を締結し届出の手続をとる必要があること。なお、労使協定において、社内預金の利率を下限利率による旨定めている場合には、下限利率の引下げに連動して社内預金の利率が変更されることとなるが、こうした場合にあっても、改めて労使協議の上、実態を踏まえた適切な利率が設定されることが望ましいこと。
 
四 上限利率
 
 預金の利率について、著しく高い利率を定めることは、市中金利体系との整合性及び預金の安全性の確保の問題がある等その弊害も黙視し得ないことから、これまで、毎年度ごとに行政指導上の基準としての預金の利率の上限(以下「上限利率」という。)を示し、預金の利率を上限利率以下とするよう指導してきたところである。
 
しかしながら、
 
イ 平成六年をもって市中金利が完全に自由化されたこと
 
ロ 著しい高利率による預金の安全性の確保については、上限利率に係る指導による規制によってではなく、本来、保全措置の適正化によって図るべきものであり、賃金の支払の確保等に関する法律第三条に基づき、社内預金制度を実施している事業主に対して保全措置を講ずることが義務付けられており、また、当該保全措置中問題が認められている預金保全委員会方式については、従来から、その実効性に係る指導を行ってきていること
 
ハ 上限利率に係る指導の背景となった昭和三〇年から四〇年代に比し、現在、企業等においても金融機関からの資金調達が容易になった上に市中金利が低水準にあるなどの状況の変化により、著しい高利率の設定は予想されないこと
 
 等現在の状況においては、上限利率を示し、それに係る指導を行う意義が乏しくなっていると認められることから、当面、上限利率を示すこと及び当該利率に係る指導は行わないものであること。
 
五 預金の利子の計算方法
 
 預金の利子の計算方法については、単利、複利の別、付利単位、利息の計算期間等を協定において定めること。
 
六 預金の受入れ及び払戻しの手続
 
(一) 貯蓄金管理の適正化のためには、預金者各人につき預金額が常時明らかにされなければならないことは当然であり、協定においては、少なくとも、預金通帳等預金の受入れ額、払戻し額及び預金残高を記録した書面の交付並びにこれらの事項を預金者各人別に記録した預金元帳の備付けを明記する必要があること。
 
(二) 預金者に交付する書面は、通常普通預金及び積立預金の場合には預金通帳、定期預金の場合には預金証書となるが、積立預金のうち、預金の方法が法第二四条第一項ただし書の規定による協定に基づき賃金から控除して預金として受け入れるものに限定されているものについては、預金者に交付する賃金支給明細書にその月の積立金額及び積立合計額を記載し、これをもって預金通帳に代えることは差し支えないこと。
 
(三) 預金元帳は、本社等において一括管理して差し支えないこと。
 
七 預金の保全方法等
 
 協定の定めるべき事項としての預金の保全の方法に関しては、賃確法第三条並びに昭和五一年労働省令第三一号による改正後の賃金の支払の確保等に関する法律施行規則(昭和五一年労働省令第二六号。以下「賃確則」という。)第一条及び第二条に定めるところによらなければならないが、その運用は次に示すところによるものとすること。
 
 なお、保全措置に係る各種契約の約定書例については別途通達する。
 
(一) 保全措置を要しない場合
 
イ 保全措置を要しない場合の第一は、国又は地方公共団体が事業主として貯蓄金管理を行う場合である(なお、国家公務員法(昭和二二年法律第一二〇号)附則第一六条参照)。これは、国又は地方公共団体は、その性質上、貯蓄金返還不能の事態を生ずることはないと考えられることによるものであること。
 
ロ 保全措置を要しない場合の第二は、いわゆる特殊法人等が貯蓄金の管理を行う場合であって、保全措置を講ずることを要しない旨の労働大臣の指定を受けたときとされているが、これは、いわゆる特殊法人及び特別の法律により地方公共団体が設立者となって設立された法人(現在のところ、公有地の拡大の推進に関する法律(昭和四七年法律第六六号)により設立された土地開発公社、地方道路公社法(昭和四五年法律第八二号)により設立された地方道路公社及び地方住宅供給公社法(昭和四〇年法律第一二四号)により設立された地方住宅供給公社に限る。)のうちには、法律上、その予算、事業計画、資金計画、役員の任免等が主務大臣又は地方公共団体の長の認可等にかかり、主務大臣又は地方公共団体の長が当該特殊法人等に対し、その業務に関し監督上必要な命令を発し得る等、国又は地方公共団体の厳格な監督に服することとなっているため、貯蓄金の返還不能という事態を生じることがないと考えられるものがあり、このような実態を有するものに限って指定を行う趣旨であり、特殊法人等のすべてを指定するものではないこと。
 
 なお、この指定は貯蓄金管理を行おうとする特殊法人等からの指定の申請に対して労働大臣において審査の上行うこととするので、特殊法人等から都道府県労働基準局長又は労働基準監督署長に対し指定の申請があったときは、これを受理した上、別途指示するところにより本省あて送付すること。
 
(二) 保全措置の種類及び内容
 
 賃確則第二条は、貯蓄金の保全措置として適当と認められるものを列挙したものであり、同条に定める措置の二以上を併用することは差し支えないが、同条に定める措置以外の措置を講じている場合は、賃確法に規定する保全措置として認めない趣旨であり、賃確法第四条の命令の対象となるものであること。保全措置として講ずべき措置の内容は、賃確則第二条に定めるとおりであるが、なお、次の点に留意すること。
 
イ 保全措置を講ずべき貯蓄金の額
 
 保全措置を講ずべき貯蓄金の額は、賃確法第三条に定められた毎年三月三一日現在における受入預金額の全額であり、その後において受入預金額の増減があっても、法律上保全すべき貯蓄金の額には影響を及ぼさないこと。したがって、保証契約、質権設定契約又は抵当権設定契約によって貯蓄金の保全を行う場合にあっては、一定の極度額を定めた根保証、根質又は根抵当となることが通例であること。
 
ロ 保全措置の概要
 
(イ) 保証契約の締結
 
 この方法は、預金の返還につき、金融機関又は債務の保証を業とする公益法人であって労働大臣が指定するものが事業主と連帯して保証し、これにより預金の保全を図るものであること。
 
 債務の保証を業とする公益法人に対する指定は、労働大臣において行うこととするので、都道府県労働基準局長又は労働基準監督署長に対し指定の申請があったときはこれを受理した上、別途指示するところにより遅滞なく本省あて送付すること。
 
(ロ) 信託契約の締結
 
a この方法は、事業主と信託会社(信託業務を兼営する銀行を含む。)との間に、事業主が貯蓄金の払戻しに係る債務を履行し得なくなった場合に、信託財産から預金者に弁済するため、事業主の有する財産を信託財産とする信託契約を締結するものであること。
 
b 信託財産については、換価が容易であるものが望ましいこと。また、価額変動をきたすものは好ましくないので、金銭その他価額の安定したものをこれにあてることが望ましいこと。
 
(ハ) 質権の設定
 
a この方法は、預金者と事業主との間に、その貯蓄金の払戻しに係る債権を担保するため、事業主又は第三者の有する財産(債権を含む。)を質物とする質権設定契約を締結するものであること。
 
b 質物については、価額変動をきたすものは好ましくないので、質権設定者(事業主)が金融機関に対して有する預金債権、金融債、生命保険契約上の債権等を質物とすることが望ましいこと。
 
c なお、この場合、第三者に対する対抗要件を備えなければ第三者に対抗できないことに留意すること。
 
(ニ) 抵当権の設定
 
a この方法は、預金者と事業主との間に、その貯蓄金の払戻しに係る債権を担保するため、事業主又は第三者の有する財産を抵当権の目的物とする抵当権設定契約を締結するものであること。
 
b 抵当権の目的物については、不動産の外、各種の財団抵当法による財団(工場財団、鉱業財団等)、自動車、建設機械等があること。
 
c 抵当権は、同一の目的物につき複数の債権の担保のために設定することができ、その抵当権相互間の優先順位は、登記の前後によって定まるものであるので、原則として第一順位の抵当権の設定が望ましいが、貯蓄金の払戻しに係る債権につき設定する抵当権が、後順位であっても、目的物の価額が当該後順位たる貯蓄金の払戻しに係る債権をも担保するに十分である限り、後順位の抵当権であっても差し支えないこと。
 
 なお、抵当権については、その設定の登記がなければ、第三者に対抗できないことに留意すること。
 
(ホ) 預金保全委員会の設置
 
a 趣旨
 
 預金保全委員会は、労働者の預金を貯蓄金管理勘定として経理すること等の措置をあわせ講ずることにより、貯蓄金の管理につき、預金者たる労働者の意思を反映させるとともに、自己の預金の安全性を監視させることにより、返還不能のおそれがある場合には事前に預金者の自主的な預金の払出しを期待し、実質的に預金の保全を図ろうとするものであること。したがって、預金保全委員会は、事業主に対して貯蓄金の管理につき意見を述べることができるが、預金の運用方法等につき、交渉決定する機関ではないこと。
 
 なお、預金保全委員会は、賃確則第二条第二項の全ての要件をみたさなければ、適法な保全措置とは認められないこと。
 
b 設置の単位
 
 預金保全委員会は、貯蓄金管理を企業単位で行っている場合には企業単位で、事業場単位で行っている場合には事業場単位又は企業単位で設置することとし、協定において、設置の単位を明記すること。
 
c 委員会の構成
 
 賃確則第二条第二項第一号の「半数」とは、少なくとも半数の意であること。したがって、預金保全委員会の構成員の数を奇数とする場合には、その過半数を労働者代表の推せんを受けた者とすることが必要であること。
 
d 委員会の選出方法等
 
(a) 賃確則第二条第二項第一項の「労働者の過半数」とは、企業単位で預金保全委員会を設置する場合には当該企業の労働者の過半数を、事業場単位で預金保全委員会を設置する場合には当該事業場の労働者の過半数をいうものであること。ここでいう「労働者」の範囲については、法第三六条に基づく時間外・休日労働に関する協定の締結当事者を選出する場合の「労働者」の範囲と同様であること(昭和四六年一月一八日四五基収第六、二〇六号参照)。
 
(b) 労働者代表の推せんに係る委員は、当該事業主に現に使用されている労働者であることを要するので、労働組合役員等が構成員となる場合であっても、少なくとも、その者は当該事業主の事業に在籍する者でなければならないこと。
 
(c) 推せんの形式については、定めがないので、被推せん人の氏名が特定される限り、任意の方式によることができるものであること。
 
e 貯蓄金管理勘定
 
 貯蓄金管理勘定とは、社内預金の受入れ、払戻しの状況について記録する貸方勘定の一つであって、これにより預金の受け払い状況を常時明らかにし、預金保全委員会の活動を実効あるものにするためのものであること。具体的には、貯蓄金として受け入れた額、払い戻した額を元帳に貯蓄金管理勘定口座を設け、これに記入すること。
 
 なお、この勘定は、各四半期ごとに締め切るものとすること。またあわせて、各四半期における貯蓄金の運用状況を明らかにすることを要すること。ここにいわゆる元帳とは、前記第二の六の(一)の個人別に記録した預金元帳とは別のものであること。
 
f その他適当な措置
 
(a) 保全措置として預金保全委員会を採用する場合に併せて講ずべき「その他の適当な措置」とは、支払準備金制度をいうものであって、貯蓄金管理勘定の設置又は支払準備金制度のうち、いずれを採用しても差し支えないが、そのいずれを採用するかは、協定において明らかにしなければならないこと。
 
 また、預金保全委員会の設置に併せて貯蓄金管理勘定を設けるのみでは単に受払の状況を確認するにとどまるものであることから、実質的な保全機能を高めるためには、貯蓄金管理勘定と支払準備金制度の併用が望ましいこと。
 
(b) 支払準備金とは、毎年三月三一日現在の受入預金額の全額(その一部を上記(イ)~(ニ)により保全する場合にはその残額)について一時的にその返還請求が行われた場合にも、これに対応しうるよう、その払戻しのための資金を準備するものであり、元本が保証され、かつ、換価の容易なもので他の債権の担保に供されていないものをもってこれにあてることを要すること。
 
g 苦情処理
 
 事業主は、預金保全委員会から貯蓄金の管理について意見が掲示された場合には、これを誠実に処理しなければならないこと。また、事業主は、預金保全委員会が貯蓄金の管理に関する苦情を処理するために必要な資料の提出等の措置を講ずること等により預金保全委員会の活動を保障しなければならないこと。
 
h 管理状況の報告
 
 預金保全委員会に対する事業主の預金の管理に関する状況についての報告の内容は、これによって、預金保全委員会が預金の管理及び保全の状況が十分には握できるに足る内容であって、預金保全委員会が本来の機能を有効に発揮しうるものでなければならないこと。具体的には、報告時あるいは直近の計算の締切日における受入預金総額、払戻し総額、預金の運用状況、支払準備金制度を設ける場合にあっては、以上のほか、準備金の種類、準備金の額等を報告すべきであること。
 
i 周知と記録の作成
 
(a) 労働者に周知すべき議事概要の内容には、少なくとも、開催日時、議題、出席者職氏名、各出席者の発言要旨、決定された事項を含むこと。
 
(b) 記録として作成すべき重要な議事の内容には、少なくとも開催日時、議題、出席者職氏名、各出席者の発言要旨のうち重要なもの、決定された事項、預金保全委員会に対し報告された労働者の預金の管理に関する状況の概要を含むこと。
 
(c) 議事録の保存について電子機器を用いて磁気ディスク、磁気テープ、光ディスク等により保存する場合には、以下のいずれをも満たしていること。
 
(ⅰ) 電気機器を用いて磁気ディスク、磁気テープ、光ディスク等により作成された預金保全委員会における議事で重要なものに係る記録を有し、かつ、画面に表示し、及び印字するための装置を備えつける等の措置を講じていること。
 
(ⅱ) 労働基準監督官の立入り時等預金保全委員会の記録の検査が必要とされる場合に、直ちに必要事項が明らかにされ、その内容について報告し得るシステムとなっていること。
 
j その他
 
 預金保全委員会の運営については、上記に掲げたc、d、g、h及びiを遵守することが必須のものであるため、これらの事項を踏まえた適正な運営が確実に行われるよう強力に指導すること。
 
第三 協定の届出
 
 貯蓄金管理制度は、その性格上、企業全体で統一的に行われるのが通常であり、したがって、労働者の預金の受入れに係る協定の内容は、通常の場合、同一企業に属する各事業場においては同一内容の協定が締結されるものと考えられる。このような場合においても、協定の締結単位は各事業場であり、また、その届出も各事業場の所在地を管轄する労働基準監督署長に対して行わなければならないところであるが、これが取扱いについては次に定めるところによること。
 
一 当該企業の本社の所在地を管轄する労働基準監督署長は、本社に係る協定の届出書の提出があったときは、併せて、本社以外の他のすべての事業場に係る協定の届出書についても、その提出を求め、当該企業に属する各事業場に係る協定のすべての届出書について法令及び通達に適合するか否かの点検及び措置を行うことができること。
 
二 上記一の点検及び措置を行った労働基準監督署長は、本社に係る協定の届出書を受理するとともに、他の事業場に係る協定の届出書については、これに「確認済」であることを明示した上、すみやかにこれを返戻すること。
 
三 上記二により「確認済」であることを明示された届出書については、当該企業の他の事業場の所在地を管轄する労働基準監督署長は、その内容の確認を要せずに受理して差し支えないこと。
 
四 規則様式第一号関係について
 
(一) 本様式の記載事項につき、協定の写を添付する場合、必要事項を協定から抜枠添付する場合等、その内容が明らかであるときは、これをもって様式の所要事項記載にかえることは差し支えないこと。
 
(二) 本様式中、「預金の運用の方法」の欄には、貯蓄金の保全措置が預金保全委員会の設置である場合において、労働者の預け入れた預金の運用につき制限を付するときにその方法を記入すれば足り、預金の運用につき制限を付さない場合には記入の必要はないこと。
 
(三) 本様式中、「その他の方法による貯蓄金管理の場合」の「管理の方法」は、いわゆる通帳保管等の方法をいうものであること。
 
第四 預金管理状況報告
 
一 規則第五七条第三項により毎年定期に預金の管理状況を報告しなければならない事業主は、協定に基づき労働者の預金の受入れを行う事業主であって、いわゆる通帳保管のみを行う場合には適用がないこと。
 
二 企業を単位とする預金の管理の状況に関する報告(以下「預金管理状況報告」という。)の取扱いについては、次に定めるところによることとすること。
 
(一) 規則第五七条第三項の規定による預金管理状況報告については、労働者の預金の受入れを行う事業場の使用者が当該事業場の預金の管理の状況につき記入し、報告すべきものであるが、同一企業に属する各事業場(以下「支社等」という。)の預金が本社等特定の事業場(以下「本社」という。)において集中管理される等の場合にあっては、支社等の預金の管理状況について記入することが困難な場合もあることにかんがみ、預金管理状況報告は、当該事業場を管轄する労働基準監督署長に対して行うべきであることは当然であるが、その内容については、次のすべての要件を具備している限り、当該事業場に関する状況とせず、当該事業場が属する企業全体に関する状況とすることができるものとすること。
 
イ 協定の内容が同一企業に属する各事業場において同一であること。
 
ロ 預金元帳が本社において集中管理されていること。
 
ハ 保全措置が同一企業に属する各事業場の預金につき本社において一括講ぜられていること。
 
(二) 預金管理状況の内容を企業全体に関する状況とする場合においても、本社及び支社等はそれぞれの事業場を管轄する労働基準監督署長に対して報告を行わなければならないが、同一の労働基準監督署管内に二つ以上の事業場があり当該企業内の組織上、各事業場の長より上位の使用者が、とりまとめて当該労働基準監督署長に報告を行う場合においては、一の事業場の預金管理状況の内容を様式第二四号に記載し、他の事業場の内容については別添の続紙に記載しこれに添付して報告することも差し支えないものであること。
 
三 様式第二四号については、任意の様式を認めないこととしているため、法令で定められた様式で報告させること。
 
 また、続紙については、別添のOCIR様式を必要に応じ事業場に交付し、これにより、報告するよう指導すること。
 

(別表)本通達の施行に伴い廃止する通達
 
一 昭和四一年三月二三日付け基発第二五一号「労働基準法施行規則の一部を改正する省令の施行について」(いわゆる基本通達)
 
二 昭和四一年四月二〇日付け基発第三九四号「貯蓄金管理の取扱いについて」(昭和四二年一二月二二日付け基発第一一〇三号「社内預金に関する行政指導について」により改正)(いわゆる細部取扱通達)
 
三 昭和四一年七月二一日付け基発第七六〇号「企業を単位とする預金管理状況報告の取扱いについて」
 
四 昭和五一年六月二五日付け基発第四九〇号「いわゆる社内預金の利率の上限規制について」
 
 


 平成8年2月16日基発第62号

 標記について、左記一のとおり取り扱うこととし、この取扱いに伴い、左記二のとおり、昭和五二年一月七日付け基発第四号「社内預金制度の運用について」(以下「四号通達」という。)を改正することとしたので、了知の上、これが運用に遺憾なきを期されたい。
 
 記
 
一 上限規制について
(一) いわゆる社内預金の上限利率については、昭和三〇年代後半に高利率を付した社内預金による資金調達が過剰に行われるなどの問題が認められ、著しい高利率は①市中金利体系との整合性を乱すこと、②預金の安全性の確保に問題があること等の弊害が生じたことから、昭和四一年以降、行政的措置として、毎年度、その年初の市中最高金利を基に上限利率を示し、社内預金制度を実施する事業場に対しては、預金の利率を上限利率以下とするよう指導を行ってきたところである。
 しかしながら、
 イ 平成六年をもって市中金利が完全に自由化されたこと
 ロ 著しい高利率による預金の安全性の確保については、上限利率に係る指導による規制によってではなく、本来、保全措置の適正化によって図るべきものであり、賃金の支払の確保等に関する法律第三条に基づき、社内預金制度を実施している事業主に対して保全措置を講ずることが義務付けられており、また、当該保全措置中問題が認められている預金保全委員会方式については、従来から、その実効性に係る指導を行ってきていること
 ハ 上限利率に係る指導の背景となった昭和三〇年から四〇年代に比し、現在、企業等においても金融機関からの資金調達が容易になった上に市中金利が低水準にあるなどの状況の変化により、著しい高利率の設定は予想されないこと
 等現在の状況においては、上限利率を示し、それに係る指導を行う意義が乏しくなっていると認められることから、当面、上限利率を示すこと及び当該利率に係る指導は行わないものであること。
(二) 貯蓄金管理に関する協定における預金の利率について、これまで、労働省が毎年示す上限利率を参考としてきた労使もあることが考えられることから、当面、上限利率に係る指導を行わないものであることについて、あらゆる機会において、その旨の周知徹底を図ること。
(三) 従来、預金の利率について労働省の示す上限利率による旨を協定してきた労使等からの協定するに当たっての目安なり指標についての問合わせに対しては、今後は上限利率を意識することなく下限利率以上において労使の自主的な協議により利率を協定するものであり、労働省として目安や指標は示さないことを十分説明すること。
 なお、その際、労働省が従来上限利率を示す際に指標としてきた利率について問われた場合には、これまで毎年一月一日現在における市中最高金利商品であった貸付信託の予想配当率又は定期預金の利率の最高値(これが下限利率を下回る場合には、下限利率と同率をもって上限利率としてきたこと。)であった旨説明すること。
 
二 四号通達の改正について
 四号通達の記の第二の四を次のように改める。
 預金の利率について、著しく高い利率を定めることは、市中金利体系との整合性及び預金の安全性の確保の問題がある等その弊害も黙視し得ないことから、これまで、毎年度ごとに行政指導上の基準としての預金の利率の上限(以下「上限利率」という。)を示し、預金の利率を上限利率以下とするよう指導してきたところである。
 しかしながら、
 イ 平成六年をもって市中金利が完全に自由化されたこと
 ロ 著しい高利率による預金の安全性の確保については、上限利率に係る指導による規制によってではなく、本来、保全措置の適正化によって図るべきものであり、賃金の支払の確保等に関する法律第三条に基づき、社内預金制度を実施している事業主に対して保全措置を講ずることが義務付けられており、また、当該保全措置中問題が認められている預金保全委員会方式については、従来から、その実効性に係る指導を行ってきていること
 ハ 上限利率に係る指導の背景となった昭和三〇年から四〇年代に比し、現在、企業等においても金融機関からの資金調達が容易になった上に市中金利が低水準にあるなどの状況の変化により、著しい高利率の設定は予想されないこと
 等現在の状況においては、上限利率を示し、それに係る指導を行う意義が乏しくなっていると認められることから、当面、上限利率を示すこと及び当該利率に係る指導は行わないものであること。
 

 平成9年1月16日基発第17号

第一 「労働基準法第一八条第四項の規定に基づき使用者が労働者の預金を受け入れる場合の利率を定める省令の一部を改正する省令」の施行について
 
一 改正の趣旨
 「労働基準法第一八条第四項の規定に基づき使用者が労働者の預金を受け入れる場合の利率を定める省令」(以下「利率省令」という。)の第一条で定める労働基準法第一八条第四項の規定に基づき使用者が労働者の預金を受け入れる場合の利率の最低限度(以下「下限利率」という。)、すなわち、いわゆる社内預金の下限利率については、平成七年八月一日に、それまでの年六分を年三分に改正したところであるが、この改正から一年以上経過し、また、下限利率と市中金利の実勢との乖離が大きくなっていることから、今般、下限利率を市中金利の実勢を考慮した妥当なものに改正することとし、利率省令の改正を行ったものであること。
 
二 改正の内容
(一) 社内預金の下限利率を年三分から年一分に改正すること。
(二) 改正省令は、平成九年二月一日から施行すること。
 
三 改正内容の周知
 改正の内容については、集団指導等あらゆる機会を活用して周知を図ること。
 その際、下限利率が、年三分から年一分に変更された旨の周知にとどまらず、下限利率は、使用者が労働者の預金を受け入れる場合に必ず付けなければならない利子の利率の最低限度を定めるものであり、個々の事業場において労使協定により定められている社内預金の利率を改正する場合には、改めて労使協定を締結し届出の手続をとる必要があることについても併せて周知を図ること。
 
第二 平成九年度以降の社内預金の下限利率の改正について
 平成九年度以降の社内預金の下限利率の改正については、市中金利の実勢を考慮して、毎年一月に見直し作業を行い、改正の必要が認められる場合には、四月一日を施行日とする利率省令の改正を行うこととしたので、了知の上、上記第一の三の周知に併せて、これが周知を図られたい。
 なお、平成九年度における社内預金の下限利率の改正の要否等については、別途通達することとしているので了知されたい。


 第19条 解雇制限
 昭和22年9月13日発基第17号

 「事業の継続が不可能となった場合」とは、事業の全部又は大部分の継続が不可能となった場合をいうものであること。


 第20条 解雇の予告
 昭和22年9月13日発基第17号

 「労働者の責に帰すべき事由」とは、労働者の故意過失又はこれと同視すべき事由であるが、労働者の継続勤務年限、勤務状況等を考慮して、綜合的に判断すること。


 第22条 退職時等の証明
 昭和22年9月13日発基第17号

 本条第三項は、所謂ブラツクリストの回覧の如き予め計画的に就業を妨げることを禁止する趣旨であるから、事前の申し合せに基かず個々具体的の照合に対して回答することは差し支えないこと。


 平成11年1月29日基発第45号

第三 退職時の証明(法第二二条第一項関係)
一 趣旨
 解雇や退職をめぐる紛争を防止し、労働者の再就職活動に資するため、退職の事由(退職の事由が解雇の場合にあっては、その理由を含む。)を退職時に証明すべき事項として追加したものであること。
二 記載すべき内容
 「退職の事由」とは、自己都合退職、勧奨退職、解雇、定年退職等労働者が身分を失った事由を示すこと。また、解雇の場合には、当該解雇の理由も「退職の事由」に含まれるものであること。
 解雇の理由については、具体的に示す必要があり、就業規則の一定の条項に該当することを理由として解雇した場合には、就業規則の当該条項の内容及び当該条項に該当するに至った事実関係を証明書に記入しなければならないこと。
 なお、解雇された労働者が解雇の事実のみについて使用者に証明書を請求した場合、使用者は、法第二二条第二項の規定により、解雇の理由を証明書に記載してはならず、解雇の事実のみを証明書に記載する義務があること。


 平成15年10月22日基発第1022001号

2 退職時等の証明(法第22条第2項関係)
(1) 趣旨
 解雇をめぐる紛争を未然に防止し、その迅速な解決を図ることを目的として、現行の退職時証明に加えて、解雇を予告された労働者は、当該解雇の予告がなされた日から当該退職の日までの間においても、使用者に対して当該解雇の理由を記載した証明書の交付を請求できることとし、当該請求があった場合には、使用者は、遅滞なく、当該解雇の理由を記載した証明書の交付をしなければならないこととしたものであること。
(2) 法第22条第1項との関係
ア 労働者が解雇予告の期間中に当該解雇の理由について証明書を請求した場合は、その日以後に労働者が当該解雇以外の事由で退職した場合を除いて、使用者は、当該解雇予告の期間が経過した場合であっても、法第22条第2項に基づく証明書の交付義務を負うものであること。
 この場合、労働者は、当該解雇予告の期間が経過したからといって、改めて法第22条第1項に基づき解雇の理由についての証明書を請求する必要はないこと。
イ 法第22条第2項の規定は、解雇予告の期間中に解雇を予告された労働者から請求があった場合に、使用者は遅滞なく、当該解雇の理由を記載した証明書を交付しなければならないものであるから、解雇予告の義務がない即時解雇の場合には、適用されないものであること。
 この場合、即時解雇の通知後に労働者が解雇の理由についての証明書を請求した場合には、使用者は、法第22条第1項に基づいて解雇の理由についての証明書の交付義務を負うものと解すべきものであること。
(3) 記載すべき内容
 「解雇の理由」については、法第22条第1項に基づく請求における場合と同様に、具体的に示す必要があり、就業規則の一定の条項に該当する事実が存在することを理由として解雇した場合には、就業規則の当該条項の内容及び当該条項に該当するに至った事実関係を証明書に記入しなければならないものであること。


 第23条 金品の返還
 昭和22年9月13日発基第17号

 本条第一項及び第二項の「権利者」とは、一般債権者を含まないこと。


 第24条 賃金の支払
 昭和22年9月13日発基第17号

 賞与とは、定期又は臨時に、原則として労働者の勤務成績に応じて支給されるものであって、その支給額が予め確定されていないものを云うこと。定期的に支給され、且その支給額が確定しているものは、名称の如何にかかわらず、これを賞与とはみなさないこと。
従って、かかるもので施行規則第八条に該当しないものは、法第二四条第二項の規定により毎月支払われなければならないこと。

 
 昭和27年9月20日発基第675号

(一) 第一項但書の改正は、購買代金、社宅、寮その他の福利厚生施設の費用、労務用物資の代金、組合費等、事理明白なものについてのみ、法第三六条の時間外労働と同様の労使の協定によって賃金から控除することを認める趣旨であること。
(二) 賃金を通貨以外のもので支払うことについては、従来通りであること。
(三) 協定書の様式は任意であるが、少くとも、〓控除の対象となる具体的な項目、〓右の各項目別に定める、控除を行う賃金支払日を記載するように指導すること。

 
 
 昭和63年1月1日発基第1号

(1) 賃金の支払
イ 賃金の預金又は貯金への振込みによる支払
(イ)賃金の預金又は貯金への振込みによる支払いについては、従来昭和五〇年二月二五日付け基発第一一二号をもって一定の要件を満たす限り、法第二四条に違反しないものと解されてきたところであるが、規則第七条の二第一項は、これを法令上明記したものであること。
(ロ) 同項における「同意」については、労働者の意思に基づくものである限り、その形式は問わないものであり、「指定」とは、労働者が賃金の振込み対象として銀行その他の金融機関に対する当該労働者本人名義の預貯金口座を指定するとの意味であって、この指定が行われれば同項の同意が特段の事情のない限り得られているものであること。
 また、「振込み」とは、振り込まれた賃金の全額が所定の賃金支払日に払い出し得るように行われることを要するものであること。
(ハ) 同項の支払の方法による使用者に対しては、引き続き昭和五〇年二月二五日付け基発第一一二号により指導すること。
ロ 退職手当の支払方法
(イ) 法第二四条第一項ただし書において、命令で定める賃金について確実な支払の方法で命令で定めるものによる場合には通貨以外のもので支払うことができることを規定したが、規則第七条の二第二項は、これを受け退職手当の支払については、現金の保管、持ち運び等に伴う危険を回避すること等のため、労働者の同意がある場合には預金又は貯金への振込みによるほか、同項各号に掲げる方法によることができる旨を規定したものであること。
(ロ) 同項の「同意」については、労働者の意思に基づくものである限り、その形式は問わないものであること。
(ハ) 同項第一号及び第二号の「その他の金融機関」とは、小切手法ノ適用ニ付銀行ト同視スベキ人又ハ施設ヲ定ムルノ件(昭和八年勅令第三二九号)により小切手法(昭和八年法律第五七号)の適用につき銀行と同視されるものをいい、具体的には、郵便局、信用金庫、信用金庫連合会、信用協同組合、協同組合連合会、農業協同組合、農業協同組合連合会、漁業協同組合、漁業協同組合連合会、水産加工業協同組合、水産加工業協同組合連合会、農林中央金庫、商工組合中央金庫、労働金庫及び労働金庫連合会をいうものであること。
 また、同項第三号の「郵便為替」には、普通為替、電信為替及び定額小為替があること。
(ニ)退職手当について小切手による支払を行おうとする使用者に対しては、労働者の同意に先立ち、小切手の支払人となっている金融機関名及び店舗名を明らかにした書面を当該労働者に交付するよう指導すること。


第26条 休業手当
 平成23年3月15日基監発第315001号

 
休電による休業の場合の労働基準法(昭和22年法律第49号。以下「法」という。)第26条の取扱いについては、「電力不足に伴う労働基準法の運用について」(昭和26年10月11日付け基発第696号。以下「局長通達」という。)の第1の1において示されているところである。
今般、平成23年東北地方太平洋沖地震により電力会社の電力供給設備に大きな被害が出ていること等から、不測の大規模停電を防止するため、電力会社において地域ごとの計画停電が行われている。この場合における局長通達の取扱いは下記のとおりであるので、了知されたい。
1 計画停電の時間帯における事業場に電力が供給されないことを理由とする休業については、原則として法第26条の使用者の責めに帰すべき事由による休業には該当しないこと。
2 計画停電の時間帯以外の時間帯の休業は、原則として法第26条の使用者の責に帰すべき事由による休業に該当すること。ただし、計画停電が実施される日において、計画停電の時間帯以外の時間帯を含めて休業とする場合であって、他の手段の可能性、使用者としての休業回避のための具体的努力等を総合的に勘案し、計画停電の時間帯のみを休業とすることが企業の経営上著しく不適当と認められるときには、計画停電の時間帯以外の時間帯を含めて原則として法第26条の使用者の責に帰すべき事由による休業には該当しないこと。
3 計画停電が予定されていたため休業としたが、実際には計画停電が実施されなかった場合については、計画停電の予定、その変更の内容やそれが公表された時期を踏まえ、上記1及び2に基づき判断すること。

(参考)
○電力不足に伴う労働基準法の運用について
(昭和26年10月11日)
(基発第696号)
(都道府県労働基準局長あて労働省労働基準局長通知)
最近電力事情の悪化は、全国的問題となり、各方面に深刻な影響を与えつつあるのであるが、労働基準法の適用についても、幾多の困難な問題が生じている。然して、電力問題は、根本的には、電力の確保増強と、その需給調整により左右されるところが大きいことに鑑み、本省においては、公益事業委員会宛別紙の通り申入れを行い電力の確保と需給調整の合理化と計画化について要望したのであるが、貴局においても電力事情の実態を不断に把握し、左記要領により行政運営上万全の措置を講ぜられたい。
第1 労働基準法の運用について
1 法第26条関係
休電による休業については、原則として法第26条の使用者の責に帰すべき事由による休業に該当しないから休業手当を支払わなくとも法第26条違反とはならない。なお、休電があっても、必ずしも作業を休止する必要のないような作業部門例えば作業現場と直接関係のない事務労働部門の如きについてまで作業を休止することはこの限りでないのであるが、現場が休業することによつて、事務労働部門の労働者のみを就業せしめることが企業の経営上著しく不適当と認められるような場合に事務労働部門について作業を休止せしめた場合休業手当を支払わなくても法第26条違反とはならない。
2 以下略


 第27条 出来高払制の保障給
 昭和22年9月13日発基第17号

 本条は労働者の責にもとづかない事由によって、実収賃金が低下することを防ぐ主旨であるから、労働者に対し、常に通常の実収賃金を余りへだたらない程度の収入が保障されるように保障給の額を定めるように指導すること。


 第32条 労働時間
 昭和63年1月1日発基第1号

(2) 一週間の法定労働時間と一日の法定労働時間
 法第三二条第一項で一週間の法定労働時間を規定し、同条第二項で一日の法定労働時間を規定することとしたが、これは、労働時間の規制は一週間単位の規制を基本として一週間の労働時間を短縮し、一日の労働時間は一週間の労働時間を各日に割り振る場合の上限として考えるという考え方によるものであること。
 一週間の法定労働時間と一日の法定労働時間とを項を分けて規定することとしたが、いずれも法定労働時間であることに変わりはなく、使用者は、労働者に、法定除外事由なく、一週間の法定労働時間及び一日の法定労働時間を超えて労働させてはならないものであること。
 なお、一週間とは、就業規則その他に別段の定めがない限り、日曜日から土曜日までのいわゆる暦週をいうものであること。また、一日とは、午前〇時から午後一二時までのいわゆる暦日をいうものであり、継続勤務が二暦日にわたる場合には、たとえ暦日を異にする場合でも一勤務として取り扱い、当該勤務は始業時刻の属する日の労働として、当該日の「一日」の労働とするものであること。

 
 平成元年3月1日発基第92号

 自動車運転者の労働時間等の改善のための基準(平成元年労働省告示第七号。平成三年労働省告示第七九号、平成四年労働省告示第九九号及び平成九年労働省告示第四号により改正されたものをいい以下「改善基準」という。)第四条第三項各号(第四条第六項により準用する場合を含む。)及び第五条第三項各号に該当する場合における一般乗用旅客自動車運送事業以外の事業に従事する自動車運転者の拘束時間及び休息期間については、下記によることとしたので通知する。
 
 記
 
一 業務の必要上、勤務の終了後継続八時間以上の休息期間を与えることが困難な場合
(一) 業務の必要上、勤務の終了後継続八時間以上の休息期間を与えることが困難な場合には、当分の間、一定期間における全勤務回数の二分の一を限度に、休息期間を拘束時間の途中及び後続時間の経過直後に分割して与えることができるものとする。この場合において、分割された休息期間は、一日(始業時刻から起算して二四時間をいう。)において一回当たり継続四時間以上、合計一〇時間以上でなければならないものとする。
(二) 上記(一)は自動車運転者が勤務の中途においてフェリーに二時間を超えて乗船する場合には適用しないものとする。
 
二 自動車運転者が同時に一台の自動車に二人以上乗務する場合
 自動車運転者が同時に一台の自動車に二人以上乗務する場合(車両内に身体を伸ばして休息することができる設備がある場合に限る。)においては、改善基準第四条第一項第二号前段及び第五条第一項第二号前段の規定にかかわらず最大拘束時間を二〇時間まで延長することができるものとし、同号後段の規定は、適用しないものとする。
 また、休息期間は改善基準第四条第第一項第三号及び第五条第一項第三号の規定にかかわらず四時間まで短縮することができるものとする。
 
三 自動車運転者が隔日勤務に就く場合
 業務の必要上やむを得ない場合には、当分の間、改善基準第四条第一項第一号から第三号及び第五条第一項第一号から第三号までの規定並びに上記一及び二にかかわらず、次の条件の下で隔日勤務に就かせることができるものとする。
(一) 二暦日における拘束時間は、二一時間を超えてはならないものとする。
 ただし、事業場内仮眠施設又は使用者が確保した同種の施設において、夜間に四時間以上の仮眠時間を与える場合には、二週間について三回を限度に、この二暦日における拘束時間を二四時間まで延長とすることができるものとする。この場合においても、二週間における総拘束時間は一二六時間(二一時間×六勤務)を超えることができないものとする。
(二) 勤務終了後、継続二〇時間以上の休息期間を与えなければならないものとする。
 
四 自動車運転者がフェリーに乗船する場合
 自動車運転者が勤務の中途においてフェリーに乗船する場合における拘束時間及び休息期間は、次のとおり取り扱うものとする。
(一) フェリー乗船時間(a)のうち二時間(フェリー乗船時間が二時間未満の場合には、その時間)については拘束時間として取り扱い、その他の時間については休息期間として取り扱うものとする。
(二) フェリー乗船時間(a)が二時間を超える場合には、上記(一)により休息期間とされた時間を改善基準第四条第一項第三号及び第五条第一項第三号の規定(ただし、二人乗務の場合には上記二、隔日勤務の場合には上記三の(二))により与えるべき休息期間の時間から減ずることができるものとする。ただし、その場合においても、減算後の休息期間(c)は、二人乗務の場合を除き、フェリー下船時刻から勤務終了時刻までの間の時間(b)の二分の一を下回ってはならないものとする。

 
 平成元年3月1日基発第93号

 自動車運転者の労働時間等の労働条件については、これまで昭和五四年一二月二七日付け基発第六四二号「自動車運転者の労働時間等の改善基準について」(以下「旧改善基準」という。)によりその改善を図ってきたところであるが、今般、昭和六三年一〇月七日の中央労働基準審議会の中間報告を踏まえ、「自動車運転者の労働時間等の改善のための基準」(平成元年労働省告示第七号。以下「改善基準」という。別添一(略))が告示され、今後はこれを中心として自動車運転者の労働時間等の労働条件の改善を図ることとしたので、下記の事項に留意の上その運用に遺憾なきを期されたい。

 
 改善基準については、本職より別添二(略)により関係労使団体及び陸上貨物運送事業労働災害防止協会に対しその遵守方を、また、別添三(略)及び四(略)により荷主団体及び旅行業者団体に対しその協力方を要請したところがあるが、貴職においても管内における関係労使団体、荷主団体等に対し同様の要請をすることとされたい。
 
 なお、改善基準及び本通達に基づく監督指導は、本年四月一日以降実施することとされたい。
 
 おって、旧改善基準及び昭和五五年一月一六日付け基発第二一号「「自動車運転者の労働時間等の改善基準」運用上の留意事項について」は、本年三月三一日をもって廃止する。
 
 記
 
第一 経緯
 
 自動車運転者の労働時間等の労働条件については、これまで旧改善基準によりその改善指導に努めてきたところであるが、中央労働基準審議会においては、「自動車運転者の労働時間等の規制に係る問題については、関係労使等を加えた検討の場を設けて引き続き検討する」(昭和六一年一二月一〇日「労働時間法制等の整備について」の建議)こととされ、昭和六二年四月二四日、同審議会に関係労使の代表が参加する自動車運転者労働時間問題小委員会が設置された。
 
 同小委員会は、トラック関係、バス関係及びハイヤー・タクシー関係の三つの作業部会を設け、一年余にわたり自動車運転者の労働時間等の規制に係る問題について検討を重ねた上、昭和六三年一〇月七日、旧改善基準のうち拘束時間、最大拘束時間、休息期間及び運転時間に係る事項については告示によることとすること、タクシーに乗務する自動車運転者について一日の拘束時間の基本を一四時間から一三時間に短縮すること等を内容とする中間的な報告(「自動車運転者の労働時間等の規制のあり方等について」)がまとめられ、同審議会から労働大臣あて報告がなされた。
 
 改善基準は、この報告の趣旨に沿い策定されたものである。
 
 なお、この報告では一般乗用旅客自動車運送事業以外の事業に従事する自動車運転者の拘束時間等については触れられていないが、今回の報告は中間的なものであり、これらについては引き続き同小委員会において検討が行われることとされている。
 
第二 改善基準の内容(削除)
 
第三 労働時間等の取扱い及び賃金制度等に関する基準
 
一 内容
 
(一) 労働時間等の取扱い
 
イ 労働時間の取扱い
 
 労働時間は、拘束時間から休憩時間(仮眠時間を含む。)を差し引いたものとすること。この場合において、事業場外における仮眠時間を除く休憩時間は三時間を超えてはならないものとすること。ただし、業務の必要上やむを得ない場合であって、あらかじめ運行計画により三時間を超える休憩時間が定められている場合、又は運行記録計等により三時間を超えて休憩がとられたことが客観的に明らかな場合には、この限りでないものとすること。
 
ロ 休日の取扱い
 
 休日は、休息期間に二四時間を加算して得た、連続した時間とすること。ただし、いかなる場合であっても、その時間が三〇時間を下回ってはならないものとすること。
 
(二) 賃金制度等
 
 自動車運転者の賃金制度等は、次により改善を図るものとすること。
 
イ 保障給
 
 歩合給制度が採用されている場合には、労働時間に応じ、固定的給与と併せて通常の賃金の六割以上の賃金が保障されるよう保障給を定めるものとすること。
 
ロ 累進歩合制度
 
 歩合給制度のうち累進歩合制度は廃止するものとすること。
 
ハ 年次有給休暇の不利益取扱いの是正
 
 法附則第一三四条の規定に従い、年次有給休暇を取得したとき、不当に賃金額を減少させないものとすること。
 
二 留意事項
 
(一) 労働時間等の取扱いに関する留意事項
 
イ 労働時間の取扱いについて
 
(イ) 自動車運転者の業務は事業場外において行われるものではあるが、通常は走行キロ数、運転日報等からも労働時間を算定し得るものであり、一般に法第三八条の二の「労働時間を算定し難いとき」という要件には該当しないこと。
 
 事業場外における休憩時間については、就業規則等に定めた所定の休憩時間を休憩したものとして取り扱うこととしたが、休憩時間が不当に長い場合は歩合給等の賃金体系との関連から休憩時間中も働く可能性があるので、事業場外での休憩時間は、仮眠時間を除き、原則として三時間を超えてはならないものとしたこと。
 
 なお、手待時間が労働時間に含まれることはいうまでもないこと。
 
(ロ) 自動車運転者の労働時間管理を適正に行うためには、運転日報等の記録の適正な管理によることのほか、運行記録計による記録を自動車運転者個人ごとに管理し、労働時間を把握することも有効な方法であること。
 
 したがって、労働時間管理が不十分な事業場のうち、車両に運行記録計を装着している事業場に対しては、運行記録計の活用による適正な労働時間管理を行うよう指導するとともに、車両に運行記録計を装着していない事業場に対しては、運行記録計を装着する等により適正な労働時間管理を行うよう指導すること。
 
 また、昭和六三年一〇月七日の中央労働基準審議会の中間報告においては、「自動車運転者の労働時間管理を適正に行うため、自動車運転者個人ごとの労働時間等を容易に把握し得る計器の活用が図られることが適当である。また、いわゆる流し営業を主体とするタクシーについては、現在運行記録計の装着を義務付けられていない車両についても、上記のような計器の活用が図られるべきである。」とされているので、留意すること。
 
ロ 休日の取扱いについて
 
 法第三五条に規定する休日は原則として暦日を単位として付与されるべきものであるが、自動車運転者については、その業務の特殊性から暦日を単位として休日を付与することが困難であるため、休息期間に二四時間を加算して得た労働義務のない時間、すなわち通常勤務の場合には連続した労働義務のない三二時間を、隔日勤務の場合には連続した労働義務のない四四時間を休日として取り扱うこととしたこと。
 
 また、休息期間を分割して付与した場合、二人乗務の場合及びフェリーに乗船した場合には、休息期間に二四時間を加算しても三〇時間に満たない場合があるが、この場合については、休息期間に二四時間を加算して得た時間ではなく、連続した三〇時間の労働義務のない時間を休日として取り扱うこととしたこと。
 
 なお、休日が暦日を単位として付与されている場合であっても、当該時間が上記所定の時間に満たない場合は、上記一の(一)のロの要件を満たさないものであること。
 
(二) 賃金制度等に関する留意事項
 
イ 保障給について
 
 上記一の(二)のイの趣旨は歩合給制度を採用している場合には、労働者ごとに労働時間に応じ各人の通常賃金の六割以上の賃金が保障されるようにすることを意図したものであって、六割以上の固定的給与を設けなければならないという趣旨ではないこと。
 
 「通常の賃金」とは、原則として、労働者が各人の標準的能率で歩合給の算定期間における通常の労働時間(勤務割に組み込まれた時間外労働及び休日労働の時間を含む。)を満勤した場合に得られると想定される賃金額(上記の時間外労働及び休日労働に対する手当を含み、臨時に支払われる賃金及び賞与を除く。)をいい、「一時間当たりの保障給」の下限は次の算式により算定すること。
 
 なお、「一時間当たりの保障給」の実際の算定に当たっては、特段の事情のない限り、各人ごとに過去三箇月程度の期間において支払われた賃金の総額(すべての時間外労働及び休日労働に対する手当を含み、臨時に支払われた賃金及び賞与を除く。)を当該期間の総労働時間数で除して得た金額の一〇〇分の六〇以上の金額をもって充てることとして差し支えなく、また、毎年一回等定期的にあらかじめ定めておく場合には、特段の事情のない限り、当該企業の歩合給制労働者に対し過去三箇月程度の期間に支払われた賃金の総額(すべての時間外労働及び休日労働に対する手当を含み、臨時に支払われた賃金及び賞与を除く。)を当該期間の延総労働時間数で除して得た金額の一〇〇分の六〇以上の金額をもって保障給として差し支えないこと。
 
ロ 累進歩合制度について
 
 賃金制度は、本来、労使が自主的に決定すべきものであるが、上記一の(二)のロでは、歩合給制度のうち累進歩合制度を特に廃止すべきこととしたこと。
 
 累進歩合制度には、水揚高、運搬量等に応じて歩合給が定められている場合にその歩合給の額が非連続的に増減するいわゆる「累進歩合給」、水揚高等の最も高い者又はごく一部の労働者しか達成し得ない高い水揚高等を達成した者のみに支給するいわゆる「トップ賞」、水揚高等を数段階に区分し、その水揚高の区分の額に達するごとに一定額の加算を行ういわゆる「奨励加給」が該当するものであること。

第四 法定基準の確保
 
改善基準及び上記第三に定める基準は、自動車運転者の労働の実態にかんがみ、自動車運転者の労働時間等の労働条件の改善を図るため、法に定める事項のほかに必要な事項を定めているものであるが、割増賃金の適正かつ確実な支払い、実態に即した就業規則の整備、賃金台帳の適正な記録、仮眠施設の設置、健康診断の実施等法及び労働安全衛生法に定められた事項を遵守すべきことはいうまでもなく、特に割増賃金の支払について不適正な事例がみられるので、更に徹底させるよう監督指導を行うこと。

 
 平成6年1月4日発基第1号

7 教育職員の特例
(1) 趣旨
 教育職員については、学校週五日制の進捗状況とその勤務時間の取扱が密接な関係にあり、今後とも学校週五日制の動向をみていく必要があることから、すべての土曜日を学校の休業日とする学校週五日制が実施されるまでの間、労働時間の特例を置くものであること。
(2) 内容
 教育職員については、当分の間、一週間に四四時間、一日について八時間まで労働させることができるものであること。
 また、当該特例の下に、一箇月単位の変形労働時間制を採用することができるものであること。なお、妊産婦(妊娠中の女子及び産後一年を経過しない女子)である教育職員が請求した場合には、法第六六条第一項の趣旨にかんがみ、一週間について四四時間、一日について八時間を超えて労働させてはならないものであること。
 「教育職員」とは、学校教育法(昭和二二年法律第二六号)第一条に規定する小学校、中学校、高等学校、盲学校、聾学校、養護学校及び幼稚園に勤務する校長(園長を含む。)、教頭、教諭、助教諭、養護教諭、養護助教諭、講師、実習助手及び寮母をいうものであること。

 
 平成9年3月11日発基第143号


 自動車運転者の労働時間等の労働条件については、「自動車運転者の労働時間等の改善のための基準」(平成元年労働省告示第七号(以下「改善基準告示」という。)、平成元年三月一日付け基発第九二号「一般乗用旅客自動車運送事業以外の事業に従事する自動車運転者の拘束時間及び休息期間の特例について」(以下「特例通達」という。)、同日付け基発第九三号「自動車運転者の労働時間等の改善のための基準について」(以下「九三号通達」という。)及び平成五年三月一七日付け基発第一六五号「自動車運転者の労働時間等の改善のための基準の一部改正等について」(以下「一六五号通達」という。))により、その改善を図ってきたところである。

 
 本改善基準告示については、今般、平成八年一二月六日の中央労働基準審議会の報告(別紙一。以下「平成八年報告」という。)を踏まえ、告示された「自動車運転者の労働時間等の改善のための基準の一部を改正する件」(平成九年労働省告示第四号。別紙二。以下「四号告示」という。)により別紙三のとおり改正されたところである。平成九年四月一日以後はこの改正後の改善基準告示によって自動車運転者の労働時間等の労働条件の改善を図ることとしたので、下記の事項に留意の上、その適切な運用を期されたい。
 
 記
 
第一 四号告示による改善基準告示の改正の概要等
 
一 四号告示による改正の概要
 
 四号告示による改正の概要は以下のとおりである。
 
(一) 一般乗用旅客自動車運送事業に従事する自動車運転者の拘束時間について
 
イ 隔日勤務以外の勤務に就く一般乗用旅客自動車運送事業に従事する自動車運転者の拘束時間について
 
(イ) 一箇月についての拘束時間を短縮し、二九九時間を超えないものとした。
 
(ロ) 車庫待ち等の自動車運転者に延長が認められる1箇月についての拘束時間を短縮し、三二二時間を超えないものとした。
 
ロ 隔日勤務に就く一般乗用旅客自動車運送事業に従事する自動車運転者の拘束時間について
 
(イ) 一箇月についての拘束時間を短縮し、二六二時間を超えないものとし、また、地域的事情その他の特別な事情がある場合において、労使協定があるときは、一年のうち六箇月までは二七〇時間まで延長することができるものとした。
 
(ロ) 車庫待ち等の自動車運転者の二暦日についての拘束時間に「一箇月について七回(地域的事情その他の特別の事情がある場合において労使協定があるときは、八回)以内」で認められている延長について、「労使協定により定める回数(当該回数が一箇月について七回を超えるときは、七回)」に限り認めるものとした。
 
(ハ) 車庫待ち等の自動車運転者の二暦日についての拘束時間を延長した場合の一箇月の拘束時間の上限を短縮し、上記(一)のロの(イ)の拘束時間に二〇時間を加えた時間を超えないものとした。
 
(二) 貨物自動車運送事業に従事する自動車運転者の拘束時間について
 
 現行の二週間について一四三時間、四週間について二七三時間を超えないものとされているところを、一箇月について二九三時間を超えないものとし、また、労使協定があるときは、一年のうち六箇月までは、一年間についての拘束時間が三、五一六時間(二九三時間×一二箇月)を超えない範囲内において、一箇月についての拘束時間を三二〇時間まで延長することができるものとした。
 
(三) 一般乗用旅客自動車運送事業以外の旅客自動車運送事業に従事する自動車運転者に係る拘束時間等について
 
イ 準用規定をやめ、拘束時間、休息期間及び運転時間等について新たに規定するものとした。
 
ロ 拘束時間について、現行の二週間を平均し一週間当たり七一・五時間を超えないものとされているところを、四週間を平均し一週間当たり六五時間を超えないものとし、また、貸切バスを運行する営業所において運転の業務に従事する者、貸切バスに乗務する者及び特定運転者(高速バスの運転者)については、労使協定があるときは、五二週間のうち一六週間までは、四週間を平均し一週間当たり七一・五時間まで延長することができるものとした。
 
ハ 運転時間について、現行の二週間を平均し一週間当たり四四時間を超えないものとされているところを、四週間を平均し一週間当たり四〇時間を超えないものとし、また、貸切バスを運行する営業所において運転の業務に従事する者、貸切バスに乗務する者及び特定運転者(高速バスの運転者)については、労使協定があるときは、五二週間についての運転時間が二、〇八〇時間(四〇時間×五二週間)を超えない範囲内において、五二週間のうち一六週間までは四週間を平均し一週間当たり四四時間まで延長することができるものとした。なお、四号告示による改正事項の新旧対照表を添付したので参考とされたい(別紙四)。
 
二 改善基準告示の遵守
 
 今回の改正で労使協定により拘束時間及び運転時間を一定期間延長する措置が設けられたことから、これらの適正な管理が行われるよう従前以上に台帳の作成等による各種記録の整備を図る必要がある。また、改善基準告示は、関係労使の代表の合意に基づき策定され、見直されたものであり、関係当事者は定められた基準を遵守することを特に強く要請されるものである。
 
第二 改善基準告示の内容
 
一 目的等(第一条関係)
 
(一) 第一項は、長時間労働の実態が見られる自動車運転者について、労働時間等に関する改善のための基準を定めることにより、自動車運転者の労働時間等の労働条件の向上を図ることを目的とすることを明らかにしたものである。なお、四号告示により「労働省労働基準局長が定めるものを除く」こととしたが、これは平成八年報告記の二において「緊急輸送、緊急作業及び危険物輸送についての改善基準の適用除外の扱いについては、平成九年三月三一日までに労使の合意に基づいて別途通達等で措置することが適当である。」とされたことを踏まえ、当該措置を行う際の改善基準告示上の根拠として規定したものである。
 
(二) 第二項は、労働関係の当事者に対して、この基準を理由として自動車運転者の労働条件を低下させてはならないことを求めるとともに、その向上に努めるべき旨を規定したものであるが、特に、改善基準告示の改正を契機に労働条件を低下させるようなことのないように要請されるものである。
 
二 一般乗用旅客自動車運送事業に従事する自動車運転者の拘束時間等(第二条及び第三条関係)
 
 第二条は、一般乗用旅客自動車運送事業に従事する自動車運転者の拘束時間、休息期間等についての基準を定めたものである。
 
(一) 隔日勤務以外の勤務に就く者の拘束時間及び休息期間(第二条第一項関係)
 
 第一項は、一般乗用旅客自動車運送事業に従事する自動車運転者のうち隔日勤務以外の勤務に就く者の拘束時間及び休息期間について定めたものである。
 
イ 拘束時間
 
 拘束時間とは、基本的には労働時間と休憩時間(仮眠時間を含む。)の合計時間をいうものであるが、改善基準告示においては拘束時間規制の観点から、あらゆる場合における始業時刻から終業時刻までの使用者に拘束されているすべての時間を確実に含ましめるため、念のため「その他の使用者に拘束されている時間」を加えたものである。したがって、通常の場合「その他の使用者に拘束されている時間」が発生する余地はなく、労働時間と休憩時間(仮眠時間を含む。)の合計時間が拘束時間となるものである。
 
 なお、改善基準告示に定める拘束時間の範囲内であっても、法定労働時間を超えて労働させ、又は休日に労働させる場合には労働基準法(以下「法」という。)第三六条に定める協定の締結・届出をすることはいうまでもない。
 
ロ 一箇月についての拘束時間
 
 一箇月の拘束時間については、四号告示による改善基準告示の改正により改正がなされたが、その改正の内容は次のとおりである。
 
(イ) 拘束時間については、四号告示による改正前は三一二時間以内とすることとしていたが、四号告示により、三一二時間から一日の原則的な拘束時間の上限に相当する一三時間を減じ二九九時間とすることとしたものである。
 
 二九九時間とは、一三時間×二三日という計算によるものであるが、当該月の労働日数には直接かかわらず、一箇月についての総拘束時間を二九九時間としたものである。
 
 なお、「一箇月」とは原則として暦月をいうものであるが、就業規則、勤務割表等において特定日を起算日と定めている場合には、当該特定日から起算した一箇月でも差し支えないものである。
 
(ロ) 顧客の需要に応ずるため常態として車庫等において待機する就労形態(以下「車庫待ち等」という。)の自動車運転者については、作業密度が比較的薄く、直ちに拘束時間の短縮を図ることが困難な事情も認められることから、四号告示による改正前は、改善基準告示により労使協定の締結を条件に一箇月について三三六時間(一四時間×二四日)までの拘束を認めることとしていたが、四号告示により、三三六時間から算定上の一日の拘束時間である一四時間を減じ三二二時間(一四時間×二三日)以内とすることとしたものである。
 
 「車庫待ち等の自動車運転者」とは、旧改善基準(九三号通達により廃止された昭和五四年一二月二七日付け基発第六四二号「自動車運転者の労働時間等の改善基準について」をいう。以下同じ。)における「常態として車庫待ち、駅待ち等の形態によって就労する自動車運転者」と同様である。したがって、一般的には今回改めて車庫待ち等の自動車運転者に該当するか否かを判断する必要はなく、また、従来車庫待ち等の実態にないものとされた事業場については、就労の実態に特段の変化がないかぎり、本項第一号括弧書の適用の余地はないものである。
 
 本項第一号に定める労使協定には、少なくとも①協定の適用対象者、②一箇月についての拘束時間の限度、③協定の有効期間を定めるよう指導すること。なお、別紙五のとおり協定例を作成したので、参考とすること。
 
ハ 一日についての拘束時間
 
(イ) 一日(始業時刻から起算して二四時間をいう。以下同じ。)についての拘束時間は、一三時間以内を基本とするものであるが、必要がある場合には一日一六時間まで拘束することができる。この場合においても一箇月についての拘束時間が本項第一号に定める拘束時間を超えない範囲内において認められるものであることはいうまでもない。
 
 なお、一日についての拘束時間の限度(以下「最大拘束時間」という。)を一六時間としたのは、始業時刻から起算して二四時間中に少なくとも継続八時間以上の休息期間を確保する必要があるためである。
 
(ロ) 車庫待ち等の自動車運転者については、一定の条件の下に最大拘束時間の延長を認めているが、これは、車庫待ち等の自動車運転者は比較的作業密度が薄く、かつ、営業区域が狭いこと等により、帰庫させ仮眠時間を与えることが可能な実態を有するためである。
 
 この取扱は特例的なものであることから、改善基準第二条第一項第二号の要件については厳格に適用することとし、特に同号ハに定められた一日についての拘束時間が一八時間を超える場合における仮眠時間に関しては、仮眠設備において夜間四時間以上の仮眠時間を確実に与えることが要請されていることに留意すること。
 
 最大拘束時間を延長することができる条件はおおむね旧改善基準と同様であるが、一日の拘束時間が一六時間を超えることのできる回数については、旧改善基準においては二週間を通じ三回を限度としていたものを、改善基準告示において拘束時間の規制の単位を一箇月としたことに伴い、一箇月について七回以内に改めたものである。
 
ニ 休息期間
 
 休息期間については、拘束時間と表裏の関係にあることから、改善基準告示においては「使用者の拘束を受けない期間」としているが、休息期間についての考え方は、旧改善基準と全く同様である。すなわち、休息期間とは、勤務と次の勤務との間にあって、休息期間の直前の拘束時間における疲労の回復を図るとともに、睡眠時間を含む労働者の生活時間として、その処分は労働者の全く自由な判断にゆだねられる時間であって、休憩時間や仮眠時間等とは本質的に異なる性格を有するものである。
 
(二) 隔日勤務に就く者の拘束時間及び休息期間(第二条第二項関係)
 
 隔日勤務制は都市部のタクシー業を中心に広く採用されている勤務形態であるので、二暦日における拘束時間を最大二一時間(一日平均一〇・五時間)とし、日勤勤務より総拘束時間を短くするとともに、勤務終了後、継続二〇時間以上の休息期間を与えることを条件として、認めることとしている。
 
 なお、日勤勤務と隔日勤務を併用して頻繁に勤務態様を変えることは、労働者の生理的機能への影響にかんがみ認められない。したがって、日勤勤務と隔日勤務を併用する場合には、制度的に一定期間ごとに交替させるよう勤務割を編成しなければならない。
 
イ 拘束時間
 
 拘束時間については、四号告示による改善基準告示の改正により改正がなされたが、その改正の内容は次のとおりである。
 
(イ) 隔日勤務については、四号告示による改正前は一箇月について二七〇時間以内とすることとされていたが、四号告示により、二七〇時間から八時間を減じ二六二時間以内とすることとしたものである。この場合においても当該月の労働日数には直接かかわらず、一箇月における総拘束時間を二六二時間以内としたものである。
 
(ロ) 地域的事情その他の特別な事情がある場合において、労使協定があるときは、一年のうち六箇月までは一箇月の拘束時間を二七〇時間まで延長することができることとしたが、これは、一般乗用旅客自動車運送事業をめぐる諸情勢は非常に厳しいものがあり、かつ先行きが不透明な情勢にあること等にかんがみ、隔日勤務に就く者の一箇月の拘束時間の例外措置として認めることとしたものである。
 
 「地域的事情その他の特別な事情」とは、例えば地方都市における顧客需要の状況、大都市部における顧客需要の一時的増加等をいうものである。
 
 当該延長を労使協定に係らしめることとしたのは、拘束時間の限度について、予め労働者に周知することを通じて、適正かつ明確な拘束時間の管理を期すためであり、当該労使協定には次の事項を定めておく必要がある。
 
① 対象者
 
② 拘束時間を延長する月及び当該月の拘束時間
 
③ 当該協定の始期及び終期
 
 また、協定に定めることとした事項は、事情の変更に応じて変更する必要が生じることも考えられるので、その変更により影響を受ける労働者がある程度余裕をもって対応できるよう、一定期間前もって協議する事を明らかにする等、協定を変更するための手続きも併せて定めておく必要がある。
 
 なお、別紙六のとおり協定例を作成したので、参考とすること。
 
 労使協定では、一年の始期及び終期を定め、当該一年のうち六箇月までの範囲で一箇月の拘束時間を二七〇時間を超えない範囲で延長する旨を協定することとなるが、その場合の各月の拘束時間は、例えば次のようになり、すべての協定対象者の各月の拘束時間は、この範囲内とする必要がある。
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(ハ) 車庫待ち等の自動車運転者については、夜間四時間以上の仮眠時間を与えることを条件に、一箇月について労使協定により定める回数(当該回数が一箇月について七回を超えるときは、七回)に限り、二四時間まで延長することができることとし、この場合の一箇月の拘束時間は二六二時間又は二七〇時間までで労使協定により定めた時間にそれぞれ二〇時間を加えた時間を超えないこととしたものである。
 
 具体的には、一箇月の拘束時間を原則どおりとしている場合は車庫待ち等の自動車運転者の一箇月の拘束時間は二八二時間まで延長でき、労使協定により一箇月の拘束時間を二七〇時間を超えない範囲で延長した場合には、当該延長を行った月については、当該延長により定められた拘束時間に二〇時間を加えた時間(例えば、ある月の一箇月の拘束時間を労使協定により二六六時間まで延長した場合には、車庫待ち等の自動車運転者のその月の拘束時間は二六六+二〇時間で二八六時間)まで延長できることとなる。
 
 二暦日についての拘束時間の延長の限度は三時間であるから、二一時間を超える回数が六回以内の場合には一箇月の拘束時間は二六二時間又は二七〇時間までで労使協定により定めた時間にそれぞれ二〇時間を加えた時間に達することはなく、七回の場合には二六二時間又は二七〇時間までで労使協定により定めた時間に二〇時間を加えた時間が限度となるものである。
 
 一箇月についての拘束時間について通常の隔日勤務の場合より二〇時間の限度で延長を認めることとしたのは、二暦日についての拘束時間が二一時間を超える場合には、拘束時間中少なくとも四時間の仮眠時間が含まれていることから、月間二〇時間の限度で延長を認めても通常の隔日勤務に比べて過重とはいえないという理由によるものである。
 
 この取扱は特例的なものであることから、改善基準告示第二条第二項第一号の要件については厳格に適用することとし、特に二暦日についての拘束時間が二一時間を超える場合における仮眠時間に関しては、仮眠設備において夜間四時間以上の仮眠時間を確実に与えることが要請されていることに留意すること。
 
 なお、別紙七のとおり協定例を作成したので、参考とすること。
  
ロ 休息期間
 
 勤務終了後、継続二〇時間以上の休息期間を与えなければならないこととしたのは、連続勤務を禁止する趣旨であるので、休息期間が確保されない連続勤務が行われないよう留意すること。
 
(三) 時間外労働(第二条第三項関係)
 
 第三項は、法第三六条の協定をする場合において一箇月以外の一定の期間について協定することを排除するものではないが、少なくとも一箇月について協定しなければならない。
 
 なお、自動車運転者については「労働基準法第三六条の協定において定められる一日を超える一定の期間についての延長することができる時間に関する指針」(昭和五七年労働省告示第六九号。以下「指針」という。)に定める目安時間の適用はないが、法第三六条に基づく協定における時間外労働については、改善基準告示に定める拘束時間の範囲内とする必要がある。
 
(四) 休日労働(第二条第四項関係)
 
 休日労働については、回数は二週間に一回を限度とし、一箇月についての拘束時間の限度内でのみ行わせることができる。休日労働の場合であっても、当該休日における勤務と前後の勤務との間には、それぞれ所定の休息期間が必要である。
 
 隔日勤務の場合の休日労働は二日をまとめて行うものであるが、次のような形の休日労働も「二週間を通じ一回を限度とする」との基準に該当する休日労働である。
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(五) ハイヤーに乗務する自動車運転者についての取扱
 
イ 拘束時間及び休息期間等の適用除外(第二条第五項関係)
 
 ハイヤーの定義は、タクシー業務適正化臨時措置法(昭和四五年法律第七五号)第二条第二項の規定を参考としているものであるが、具体的には地方運輸局長からハイヤー運賃の認可を受けた自動車をいうものである。
 
 ハイヤーに乗務する自動車運転者については、その勤務の実態から、前項までの拘束時間、休息期間等の規定を適用しないこととしている。
 
 なお、勤務の都合上、勤務の終了時刻から次の勤務の始業時刻までの間隔が短くなる場合においても、当該運転者の疲労回復を図る観点から、継続四時間以上の睡眠時間を確保するため少なくとも六時間程度は次の勤務に就かせないようにすること。
 
ロ 時間外労働の目安時間(第三条関係)
 
 時間外労働の目安時間については、一定期間について、勤務の実態を踏まえ、一箇月又は三箇月について協定するとともに、年間の労働時間の短縮を図る観点から一年間について協定を求めることとし、目安時間について、一箇月五〇時間、三箇月一四〇時間、一年間四五〇時間としているものである。
 
 その他の点については、指針第三条と同様の考え方によるものである。
 
三 貨物自動車運送事業に従事する自動車運転者の拘束時間等(第四条関係)
 
 第四条は、貨物自動車運送事業に従事する自動車運転者の拘束時間、休息期間、運転時間等について定めたものである。
 
 なお、旅客自動車運送事業及び貨物自動車運送事業以外の事業に従事する自動車運転者(主として人を運送することを目的とする自動車の運転の業務に従事する者を除く。)、例えば、販売業における配達部門の運転者については、本条によることとしている。
 
(一) 拘束時間
 
 拘束時間については、四号告示による改善基準告示の改正により改正がなされたが、その改正の内容は次のとおりである。
 
イ 四号告示により、二週間及び四週間の拘束時間に替えて一箇月の拘束時間を定めることとし、当該一箇月の拘束時間を二九三時間とすることとしたものである。
 
 一箇月の総拘束時間の計算に当たっては、特定の日を起算日とし、一箇月ごとに区切って計算すること。
 
 なお、拘束時間についての考え方は、二の(一)のイのとおりである。
 
ロ 労使協定があるときは、一年のうち六箇月までは、一年間についての拘束時間が三、五一六時間を超えない範囲内において、一箇月についての拘束時間を三二〇時間まで延長することができることとしたが、これは、輸送体系の変化、顧客ニーズの多様化等の貨物自動車運送事業の諸情勢を踏まえ、事業の繁忙・閑散等を考慮しつつ総労働時間短縮に取り組むための現段階の措置として認めることとしたものである。
 
 当該延長を労使協定に係らしめることとしたのは、拘束時間の限度について、予め労働者に周知することを通じて、適正かつ明確な拘束時間の管理を期すためであり、当該労使協定には、次の事項を定めておく必要がある。
 
① 対象者
 
② 各月の拘束時間
 
③ 当該協定の始期及び終期
 
 また、協定に定めることとした事項は、事情の変更に応じて変更する必要が生じることも考えられるので、その変更により影響を受ける労働者がある程度余裕をもって対応できるよう、一定期間前もって協議することを明らかにする等、協定を変更するための手続きも併せて定めておく必要がある。
 
 当該労使協定では、二九三時間を超える月数は六箇月以内となるよう当該一年のすべての月の拘束時間を定め、すべての月の拘束時間は三二〇時間以内で、その合計が三、五一六時間以内となっている必要がある。
 
 なお、別紙八のとおり協定例を作成したので、参考とすること。
 
 労使協定により定めた一年の各月の拘束時間の限度は、例えば次のようになり、すべての協定対象者の各月の拘束時間は、この範囲内とする必要がある。
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(二) 最大拘束時間
 
 一日についての拘束時間の基本は一三時間以内であるが、第一項第一号により一箇月を平均して計算する場合においても、最大拘束時間は一六時間を限度とすることとしたものである。
 
 最大拘束時間を一六時間としたのは、始業時刻から起算して二四時間中に少なくとも継続八時間以上の休息期間を確保する必要があるためである。「一日についての拘束時間が一五時間を超える回数は、一週間について二回以内とする」とは、始業時刻から起算して二四時間中に継続した休息期間を九時間未満とすることのできる日は一週間について二回を限度とするとの意である。
 
(三) 休息期間
 
 休息期間についての考え方は、二の(一)のニのとおりである。
 
(四) 運転時間
 
 運転時間については、四号告示において改正が行われなかったが、これは運輸体系の変化等の貨物自動車運送業における実態を考慮したことによるものである。
 
(五) 最大運転時間
 
 一日の運転時間の計算に当たっては、特定の日を起算日として二日ごとに区切り、その二日間の平均とすることが望ましいが、特定日の最大運転時間が改善基準に違反するか否かは、次によって判断すること。
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 二週間における総運転時間を計算する場合は、特定の日を起算日として二週間ごとに区切り、その二週間ごとに計算しなければならないものである。
 
(六) 連続運転時間
 
 「一回が連続一〇分以上で、かつ、合計が三〇分以上の運転の中断」には、一回連続三〇分以上の運転の中断も当然含まれる。
 
(七) 拘束時間及び休息期間の特例(第三項関係)
 
 業務の必要上、勤務の終了後継続八時間以上の休息期間を与えることが困難な場合等についての特例を認めた特例通達の運用に当たっては、次の事項に留意すること。
 
 なお、休息期間の分割の特例の適用に当たっては、当分の間認められた措置であることに留意し、特に、「業務の必要上」については、厳格に運用すること。
 
イ 業務の必要上、勤務の終了後継続八時間以上の休息期間を与えることが困難な場合(特例通達記の一関係)
 
 休息期間は、原則として始業時刻から起算して二四時間中に継続八時間以上与えなければならないものであるが、貨物自動車運送事業等における実態からみると、八時間以上の継続した休息期間を付与することは困難な場合もあるので、業務の必要上やむを得ない場合であって、始業時刻から起算して二四時間中に、一回当たり継続四時間以上、合計一〇時間以上の休息期間を与える場合には、休息期間の分割を認めることとしている。この分割は必ずしも四時間、六時間、合計一〇時間というような二分割に限らず四時間、四時間、四時間、合計一二時間というような三分割も認められるものである。
 
 なお、休息期間を分割付与できる勤務は「一定期間における全勤務回数の二分の一」を限度としているが、休息期間の分割付与の状態が長期間継続することは好ましくないので、「一定期間」については、原則として二週間から四週間程度とし、業務の必要上やむを得ない場合であっても二箇月程度を限度とする。
 
ロ 自動車運転者が同時に一台の自動車に二人以上乗務する場合(特例通達記の二関係)
 
 「車内に身体を伸ばして休息することのできる設備」には、バスの場合、身体を伸ばして休息できるリクライニング方式の座席で、運転者のために専用の座席が少なくとも一座席以上確保されていれば、これに該当するものである。
 
ハ 自動車運転者がフェリーに乗船する場合(特例通達記の四関係)
 
 勤務の中途においてフェリーに乗船した場合については、乗船中の二時間を拘束時間として取り扱い、それ以外の時間は休息期間として取り扱うこととしている。
 
 フェリーの乗船時間が一〇時間(ただし、二人乗務の場合には六時間、隔日勤務の場合には二二時間)を超え、八時間(二人乗務の場合には四時間、隔日勤務の場合には二〇時間)の休息期間が与えられた場合にはフェリー下船時刻から次の勤務が開始されたこととなる。この場合において、フェリー乗船中の二時間の拘束時間は、フェリー乗船前の勤務の拘束時間として取り扱うこと。
 
(八) 時間外労働(第四項関係)
 
 自動車運転者については指針に定める目安時間の適用はないが、法第三六条に基づく協定における時間外労働については、改善基準に定める拘束時間の範囲内とする必要がある。
 
(九) 休日労働(第五項関係)
 
 休日労働の場合であっても、当該休日における勤務と前後の勤務との間には、それぞれ所定の休息期間が必要である。
 
四 一般乗用旅客自動車運送事業以外の旅客自動車運送事業に従事する自動車運転者の拘束時間等(第五条関係)
 
 第五条は、一般乗用旅客自動車運送事業以外の旅客自動車運送事業に従事する自動車運転者、いわゆるバス運転者の拘束時間、休息期間及び運転時間等について定めたものである。
 
 なお、旅客自動車運送事業及び貨物自動車運送事業以外の事業に従事する自動車運転者であって、主として人を運送することを目的とする自動車の運転の業務に従事するもの、例えば、旅館の送迎用バスの運転者については、本条によることとした。
 
(一) 第四条の準用規定をやめ、新たに一般乗用旅客自動車運送事業以外の旅客自動車運送事業に従事する自動車運転者の拘束時間、休息期間及び運転時間等について定めることとした。
 
 四号告示による改正前は、一般乗用旅客自動車運送事業以外の旅客自動車運送事業に従事する自動車運転者、いわゆるバス運転者の拘束時間、休息期間及び運転時間等については、四号告示による改正前の告示第四条を準用していたが、四号告示においては、第四条の準用規定をやめ、新たに別条を設け、一般乗用旅客自動車運送事業以外の旅客自動車運送事業に従事する自動車運転者の拘束時間、休息期間及び運転時間等について定めることとしたものである。
 
(二) 拘束時間
 
 拘束時間については、四号告示による改善基準告示の改正により改正がなされたが、その改正の内容は次のとおりである。
 
イ 四号告示による改正前は、二週間を平均し一週間当たり七一・五時間を超えないものとしていたが、四号告示により、二週間の拘束時間に替えて四週間の拘束時間を定めることとし、四週間を平均し一週間当たり六五時間を超えないものとした。「四週間を平均し一週間当たり六五時間を超えない」とは、四号告示による改正前における考え方と同様に、総拘束時間は、できる限り各労働日又は各週の拘束時間を平準化することが望ましいとの意であり、六五時間は一三時間×二〇日÷四という計算によるものである。
 
 四週間における総拘束時間の計算に当たっては、特定の日を起算日とし、四週間ごとに区切って計算すること。
 
 なお、拘束時間についての考え方は、二の(一)のイのとおりである。
 
ロ 貸切バスを運行する営業所において運転の業務に従事する者、貸切バスに乗務する者及び特定運転者(高速バスの運転者)については、労使協定があるときは、五二週間のうち一六週間までは、四週間を平均し一週間当たり七一・五時間まで延長することができることとしたが、これは、バス事業をめぐる諸情勢は非常に厳しいものがあり、かつ、先行き不透明な情勢にあること等を踏まえつつ労働時間の短縮に取り組むための現段階の措置として認めることとしたものである。
 
 当該延長の対象となる運転者の範囲は、貸切バスを運行する営業所において運転の業務に従事する者、貸切バスに乗務する者及び特定運転者であり、これらの運転者に範囲を限定した趣旨は、これら以外の者については、季節的繁忙等がなく、上記延長を認める必要がないためである。
 
 当該延長を労使協定に係らしめることとしたのは、拘束時間の限度について、予め労働者に周知することを通じて、適正かつ明確な拘束時間の管理を期すためであり、当該労使協定においては、次の事項を定めておく必要がある。
 
① 対象者
 
② 拘束時間を延長する四週間及び当該四週間の拘束時間
 
③ 当該協定の始期及び終期
 
 また、労使協定に定めることとした事項は、事情の変更に応じて変更する必要が生じることも考えられるので、その変更により影響を受ける労働者がある程度余裕をもって対応できるよう、一定期間前もって協議することを明らかにする等、協定を変更するための手続きも併せて定めておく必要がある。
 
 なお、別紙九のとおり協定例を作成したので、参考とすること。
 
 協定の対象となる期間の始期から四週間ごとに区切り(そのそれぞれの期間を以下「スパン」という。五二週間のスパンの数は計一三(五二週間÷四週間=一三)となる。)、当該一三に区切られたスパンのうち四つのスパンについて、四週間を平均し一週間当たり七一・五時間まで延長できることとなる(この四つのスパンは基本的には協定の対象となる始期から四週間ごとに区切った各スパンと一致するものである。)。当該延長されたスパンの総拘束時間の限度は二八六時間となるが、この場合においても、一週間当たり七一・五時間となるようになるべく週ごとの拘束時間を平準化することが望ましいものである。
 
 拘束時間の延長に関する協定について、その協定期間は、総拘束時間の定めに合わせ、拘束時間の延長も四週間ごととしたことから、五二週間となることが基本である。
 
 このため、年間総暦日数との関係で最初に締結した労使協定の始期と次の労使協定の始期とがずれてくることとなるが(例えば、平成九年四月一日を始期として労使協定を締結した場合は、次の労使協定の始期は平成一〇年三月三一日、その次の労使協定の初日は平成一一年三月三〇日となる。)、端数となる日数を調整の上、労使協定の始期を同一日に合わせる場合は、それによって一スパン未満の期間(以下「端数期間」という。)が生ずるが、当該端数期間の総拘束時間については按分比例によって清算し、(端数期間)÷二八×二六〇時間より大きくならないようにする必要がある。
 
 労使協定により五二週間のうち一六週間まで、四週間を平均し一週間当たり七一・五時間まで延長した場合の各月の拘束時間の限度は、例えば次のようになり、全ての協定対象労働者の拘束時間は、この範囲内とする必要がある。
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 なお、各スパンと拘束時間を延長する四週間が一致しない場合も考えられるが、この場合の端数期間の総拘束時間についても、先に述べたと同様に按分比例によって清算し、(端数期間)÷二八×二六〇時間より大きくならないようにする必要がある。
 
(三) 最大拘束時間
 
 一日についての拘束時間の基本は一三時間以内であるが、第一項第二号により四週間を平均して計算する場合においても、最大拘束時間は一六時間を限度とすることとしたものである。
 
 その他については三の(二)のとおりである。
 
(四) 運転時間
 
 運転時間については、四号告示による改善基準告示の改正により改正がなされたが、その改正の内容は次のとおりである。
 
イ 運転時間については、四号告示による改正前は、二日(始業時刻から起算して四八時間をいう。)を平均し一日当たり九時間、二週間を平均し一週間当たり四四時間としていたが、四号告示により、二週間の運転時間に替えて四週間の運転時間を定めることとし、四週間を平均して一週間当たり四〇時間を超えないものとした。
 
 なお、今回の見直しによっても運転時間の概念そのものについては何ら変更が加えられるものではない。
 
ロ 貸切バスを運行する営業所において運転の業務に従事する者、貸切バスに乗務する者及び特定運転者(高速バスの運転者)については、労使協定があるときは、五二週間についての運転時間が二、〇八〇時間を超えない範囲内において、五二週間のうち一六週間までは、四週間を平均し一週間当たり四四時間まで延長することができることとした。その趣旨並びに運転時間を四週間を平均し一週間当たり四四時間まで延長することができる運転者の範囲を限定した趣旨及び対象となる運転者の範囲は(二)のロと同様である。
 
 当該延長を労使協定にかからしめることとしたのは、運転時間の限度について、予め労働者に周知することを通じて、適正かつ明確な運転時間の管理を期すためであり、当該労使協定においては、次の事項を定めておく必要がある。
 
① 対象者
 
② 運転時間を延長する四週間並びに当該四週間の運転時間
 
③ 当該協定の始期及び終期
 
 また、労使協定に定めることとした事項は、事情の変更に応じて変更する必要が生じることも考えられるので、その変更により影響を受ける労働者がある程度余裕をもって対応できるよう、一定期間前もって協議することを明らかにする等、協定を変更するための手続きも併せて定めておく必要がある。
 
 なお、別紙一〇のとおり協定例を作成したので、参考とすること。
 
 労使協定では五二週間の始期及び終期を定め、当該五二週間のうち一六週間までは、四週間を平均し一週間当たり四四時間まで延長する旨協定することとなるが、その場合の各スパンの運転時間の限度は、例えば、下図のようになり、すべての協定対象者の各スパンの運転時間はこの範囲内とする必要がある。
 
 また、すべての運転者について五二週間を通じての運転時間は二、〇八〇時間に収まっていなければならないため、一週間当たりの運転時間が四〇時間を上回るスパンがあれば、当然四〇時間を下回るスパンもなければならないこととなる。
 
 実際の個別の自動車運転者の運転時間の動きを例示したのが下図の折れ線である。運転手Aについては、第四、第五、第八スパンについて一週間当たり四〇時間を上回り、これら以外のスパンについて四〇時間を下回ることによって、年間を通しての総運転時間が二、〇八〇時間以内となっており、運転手Bについては、第四、第五、第七、第八スパンについて一週間当たり四〇時間を上回り、これら以外のスパンについて四〇時間を下回ることによって、年間を通しての総運転時間が二、〇八〇時間以内となっているものである。
 
 このように一年間を通した運転時間の上限が定められたことから、従前にも増して運転時間についての記録を整備する等の適切な運転時間管理を行う必要がある。
 
(五) 休息期間、最大運転時間、連続運転時間、時間外労働又は休日労働についての基準並びに拘束時間及び休息期間の特例については、三と同様である。
 
五 労働時間短縮推進委員会の決議に関する取扱
 
 時間外及び休日の労働に係る労働時間の短縮の促進に関する臨時措置法(平成四年法律第九〇号)第七条に規定する労働時間短縮推進委員会の決議についても、法第三六条に基づく協定と同様に取り扱うこと。
 
六 モデル三六協定
 
 別紙一一~一三のとおりモデル三六協定を作成したので、指導に当たって活用すること。
 
第三 重点対象
 
 改善基準告示及び九三号通達の記の第三に定める基準は、自動車運転者を使用する全事業場に適用されるもの であり、運送を業とすると否とは問わないが、当面、次に掲げる事業を重点対象とすること。
 
一 道路運送法(昭和二六年法律第一八三号)第二条に規定する旅客自動車運送事業及び貨物自動車運送事業法(平成元年法律第八三号)第二条に規定する貨物自動車運送事業のうち、次に掲げる事業
 
(一) 一般乗合旅客自動車運送事業
 
(二) 一般貸切旅客自動車運送事業
 
(三) 一般乗用旅客自動車運送事業
 
(四) 一般貨物自動車運送事業
 
(五) 特定貨物自動車運送事業
 
二 次に掲げる物品を運搬する貨物自動車を使用する事業
 
(一) 土砂・砂利
 
(二) 危険物
 
(三) 生コンクリート
 
(四) 木材、紙又はパルプ
 
(五) 鉄鋼材又は建設用鉄骨・鉄筋
 
(六) 鮮魚
 
(七) 農産物
 
三 常態として長距離貨物運送(「一の運行」の運転時間が九時間以上又は「一の運行」の走行距離が四五〇キロメートル以上の貨物輸送をいう。)を行う貨物自動車を使用する事業
 
第四 通達の整理
 
本通達の適用をもって、特例通達の本文中、「及び平成四年労働省告示第九九号」を「、平成四年労働省告示第九九及び平成九年労働省告示第四号」に、「に該当する場合(第四条第六項又は第五条により準用する場合を含む。)」を「(第四条第六項により準用する場合を含む。)及び第五条第三項各号に該当する場合」に改め、記の二中「第四条第一項第二号前段」の次に「及び第五条第一項第二号前段」を、「第四条第一項第三号」の次に「及び第五条第一項第三号」を加え、記の三中「第三号」の次に「及び第五条第一項第一号から第三号」を加え、記の四の(二)中「第四条第一項第三号」の次に「及び第五条第一項第三号」を加えるとともに、九三号通達中記の第二及び第五を削り、一六五号通達を廃止する。
 
 

 
 平成9年3月26日発基第201号

 自動車運転者の労働時間等の改善のための基準(平成元年労働省告示第七号。以下「改善基準」という。)第一条第一項に基づき労働省労働基準局長が定める業務及びその留意点については下記のとおりとするので、了知の上その適切な運用を図られたい。

 記
 
一 適用除外対象業務
 貨物自動車運送事業における次の業務とする。
(一) 災害対策基本法及び大規模地震特別措置法に基づき、都道府県公安委員会から緊急通行車両であることの確認、標章及び証明書の交付を受けて行う緊急輸送の業務
(二) 消防法に基づき、関係消防機関に移送計画を届け出て行うアルキルアルミニウム、アルキルリチウム及びこれらの含有物のタンクローリーによる運送の業務
(三) 高圧ガス保安法に基づき、事業所の所在地を管轄する通商産業局長に移動計画書を届け出、その確認を受けて行う可燃ガス、酸素、毒性ガス等の高圧ガスのタンクローリーによる運送の業務
(四) 火薬類取締法に基づき、都道府県公安委員会に運搬に関する計画を届け出、運搬証明書の交付を受けて行う火薬、爆薬等の火薬類の運送の業務
(五) 核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律及び放射性同位元素等による放射線障害の防止に関する法律に基づき、運輸大臣の確認を受け、かつ、都道府県公安委員会に運送計画を届け出て行う核燃料物質等及び放射性同位元素等の運送の業務
 
二 上記一の業務に従事する期間を含む一箇月の拘束時間及び二週間の運転時間の上限
 上記一の業務に従事しない期間については改善基準が適用されるが、この業務に従事する期間を含む一箇月の拘束時間及び二週間の運転時間の上限は次のとおりである。
(一) 一箇月の拘束時間については、次の式により計算した時間を超えないものとすること。
 [(上記1の業務に従事した月の日数)-(上記1の業務に従事した日数)]÷(上記1の業務に従事した月の日数)×(上記1の業務に従事した月の拘束時間)
(二) 二週間の運転時間の上限は、次の式により計算した時間を超えないものとすること。
 [14-(上記1の業務に従事した日数)]÷14×88
 
三 届出書又はその写の備え付け等
 上記一の業務を行うに当たっては、適用除外業務に該当することが明らかとなる関係法令に基づく各種行政機関への届出書又はその写を事業場への備え付け及び自動車運転者ごとの下記の業務に従事した期間が明らかとなる記録の整備が必要である。
 また、上記一の業務に従事する期間の直前において改善基準に定める休息期間を与えなくてはならないことはもとより、当該業務に従事する期間の直後においても継続八時間以上の休息期間を与えることが要請されるものである。


 第32条の2 1ヶ月単位の変形労働時間制
 昭和63年1月1日発基第1号

(1) 一箇月単位の変形労働時間制
イ 趣旨
 現行の変形労働時間制は、変形期間が四週間以内とされているが、この最長期間について、通常の賃金計算期間である一か月としたものであり、今後週法定労働時間が四六時間、四四時間と段階的に短縮された場合に、四週五休制あるいは四週六休制を採用することにより対応しようとする場合にはこれによらなければならないものであること。
 なお、変形期間の最長期間が一か月に延長されたほかは、改正前の変形労働時間制と要件等は変わらないものであること。
 また、一箇月単位の変形労働時間制についても、一年単位の変形労働時間制において一日、一週間の労働時間の限度等が設けられたことの趣旨等にかんがみ、適切な運用がなされるよう十分指導すること。
ロ 労働時間の特定
 一箇月単位の変形労働時間制を採用する場合には、就業規則その他これに準ずるもの(改正前の労働基準法第三二条第二項における「就業規則その他」と内容的に同じものである。以下同じ。)により、変形期間における各日、各週の労働時間を具体的に定めることを要し、変形期間を平均し週四〇時間の範囲内であっても使用者が業務の都合によって任意に労働時間を変更するような制度はこれに該当しないものであること。
 なお、法第八九条第一項は就業規則で始業及び終業の時刻を定めることと規定しているので、就業規則においては、各日の労働時間の長さだけではなく、始業及び終業の時刻も定める必要があるものであること。
ハ 変形期間における法定労働時間の総枠
 一箇月単位の変形労働時間制を採用する場合には、変形期間を平均し一週間の労働時間が法定労働時間を超えない定めをすることが要件とされているが、これは、要するに、変形期間における所定労働時間の合計を次の式によって計算される変形期間における法定労働時間の総枠の範囲内とすることが必要であるということであること。
 40×変形期間の暦日数/7
ニ 時間外労働となる時間
 一箇月単位の変形労働時間制を採用した場合に時間外労働となるのは、次の時間であること。
① 一日については、就業規則その他これに準ずるものにより八時間を超える時間を定めた日はその時間を、それ以外の日は八時間を超えて労働した時間
② 一週間については、就業規則その他これに準ずるものにより四〇時間を超える時間を定めた週はその時間を、それ以外の週は四〇時間を超えて労働した時間(①で時間外労働となる時間を除く。)
③ 変形期間については、変形期間における法定労働時間の総枠を超えて労働した時間(①又は②で時間外労働となる時間を除く。)
ホ 就業規則の変更届の受理
 一箇月単位の変形労働時間制を採用する場合又はその内容を変更する場合には、それに関連して就業規則を変更し、その変更届が労働基準監督署長に届け出られることとなるが、その受理に当たっては労働者代表の意見書をチェックし、必要に応じてその意見を十分聴くよう指導する等的確に指導すること。
 なお、就業規則においては、変形期間の起算日を明らかにすることとされているので、的確に指導すること。


 平成11年1月29日基発第45号

一 一箇月単位の変形労働時間制
(一) 趣旨
 労使の話合いによる制度の導入を促進するため、また、一箇月単位の変形労働時間制以外の変形労働時間制の導入要件は労使協定により定めることとされていることも勘案し、就業規則その他これに準ずるものによる定め又は労使協定による定めのいずれによっても導入できることとしたものであること。
 なお、労使協定により定めるか就業規則その他これに準ずるものにより定めるかについては、最終的には使用者が決定できるものであること。
(二) 労使協定において定めるべき事項
 定めるべき事項は、変形期間の起算日を含め労使協定による場合と就業規則その他これに準ずるものによる場合との間で基本的には差異がないものであること。ただし、労使協定による場合には、その有効期間の定めをするものとされているものであること。
 なお、法第三二条の二第一項の規定により労使協定において各日、各週の労働時間等を定めた場合であっても、就業規則において法第八九条に規定する事項を定める必要があるものであること。
(三) 労使協定の届出
 一箇月単位の変形労働時間制に関する労使協定は、則様式第三号の二により所轄労働基準監督署長に届け出なければならないこととしたものであること。
(四) 定めの周知
 則第一二条で協定による定めをした場合を除外しているのは、周知が不要ということではなく法第一〇六条第一項により周知されることとの整理を行ったにすぎないものであること。


 第32条の3 フレックスタイム制
 昭和63年1月1日基発第1号

(2) フレックスタイム制
イ 趣旨
 フレックスタイム制は、一か月以内の一定の期間の総労働時間を定めておき、労働者がその範囲内で各日の始業及び終業の時刻を選択して働くことにより、労働者がその生活と業務との調和を図りながら、効率的に働くことを可能とし、労働時間を短縮しようとするものであること。
 従来は、労働基準法上、フレックスタイム制に関する規定はなく、事実上、始業及び終業の時刻が労働者の自主的決定にゆだねられている限り、法第三二条第二項及び第八九条第一項の趣旨に反しないものとして扱われていたものについて、今回その採用の要件を法律上明らかにしたものであること。
ロ 就業規則の定め
 フレックスタイム制を採用する場合には、就業規則その他これに準ずるものにより、始業及び終業の時刻を労働者の決定にゆだねる旨を定める必要があるものであること。その場合、始業及び終業の時刻の両方を労働者の決定にゆだねる必要があり、始業時刻又は終業時刻の一方についてのみ労働者の決定にゆだねるのでは足りないものであること。
 なお、法第八九条第一項は、就業規則で始業及び終業の時刻を定めることと規定しているが、フレックスタイム制を採用する場合には、就業規則において、始業及び終業の時刻を労働者の決定にゆだねる旨の定めをすれば同条の要件を満たすものであること。その場合、コアタイム(労働者が労働しなければならない時間帯)、フレキシブルタイム(労働者がその選択により労働することができる時間帯)も始業及び終業の時刻に関する事項であるので、それらを設ける場合には、就業規則においても規定すべきものであること。
 なお、このことに関して、フレキシブルタイムが極端に短い場合、コアタイムの開始から終了までの時間と標準となる一日の労働時間がほぼ一致している場合等については、基本的には始業及び終業の時刻を労働者の決定にゆだねたこととはならず、フレックスタイム制の趣旨に合致しないものであること。
ハ 労使協定の協定事項
 フレックスタイム制を採用する場合には、労使協定において、次に掲げる事項を定める必要があるものであること。
① 対象となる労働者の範囲
 フレックスタイム制の対象となる労働者の範囲を特定するものであること。
② 清算期間
 フレックスタイム制において、労働契約上労働者が労働すべき時間を定める期間を定めるものであり、その長さは、一か月以内の期間に限るものであること。
③ 清算期間における総労働時間
 フレックスタイム制において、労働契約上労働者が労働すべき時間を定めるものであり、この時間は、清算期間を平均し一週間の労働時間が法定労働時間の範囲内となるような定めをすることを要し、その計算方法は、一箇月単位の変形労働時間制の場合と原則として同様であること。
④ 標準となる一日の労働時間
 フレックスタイム制の下において、年次有給休暇を取得した際に支払われる賃金の算定基礎となる労働時間等となる労働時間の長さを定めるものであり、単に時間数を定めれば足りるものであること。
 なお、フレックスタイム制の下で労働する労働者が年次有給休暇を取得した場合には、当該日に標準となる一日の労働時間労働したものとして取り扱うこととするものであること。
⑤ 労働者が労働しなければならない時間帯を定める場合には、その時間帯の開始及び終了の時刻
 コアタイムを設ける場合には、その時間帯の開始及び終了の時刻を定めなければならないものであること。
⑥ 労働者がその選択により労働することができる時間帯に制限を設ける場合には、その時間帯の開始及び終了の時刻
 フレキシブルタイムを設ける場合には、その時間帯の開始及び終了の時刻を定めなければならないものであること。
ニ 時間外労働となる時間
 フレックスタイム制を採用した場合に時間外労働となるのは、清算期間における法定労働時間の総枠を超えた時間であること。したがって、法第三六条の規定による協定についても、一日について延長することができる時間を協定する必要はなく、清算期間を通算して時間外労働をすることができる時間を協定すれば足りるものであること。
 例えば、法第六四条の二第一項の工業的業種における女子の一週間の時間外労働の上限については、清算期間における法定労働時間の総枠を超えた日を含む一週間以降の一週間ごとに適用になるものであって、たとえ、当該一週間のそれまでの労働時間がいくら短くとも当該一週間に清算期間における法定労働時間の総枠を超えて労働できる時間の上限は六時間であること。
ホ 労働時間の過不足の繰越
 フレックスタイム制において、実際に労働した時間が清算期間における総労働時間として定められた時間に比べて過不足が生じた場合には、当該清算期間内で労働時間及び賃金を清算することがフレックスタイム制の本来の趣旨であると考えるが、それを次の清算期間に繰り越すことの可否については次によるものであること。
① 清算期間における実際の労働時間に過剰があった場合に、総労働時間として定められた時間分はその期間の賃金支払日に支払うが、それを超えて労働した時間分を次の清算期間中の総労働時間の一部に充当することは、その清算期間内における労働の対価の一部がその期間の賃金支払日に支払われないことになり、法第二四条に違反し、許されないものであること。
② 清算期間における実際の労働時間に不足があった場合に、総労働時間として定められた時間分の賃金はその期間の賃金支払日に支払うが、それに達しない時間分を、次の清算期間中の総労働時間に上積みして労働させることは、法定労働時間の総枠の範囲内である限り、その清算期間においては実際の労働時間に対する賃金よりも多く賃金を支払い、次の清算期間でその分の賃金の過払を清算するものと考えられ、法第二四条に違反するものではないこと。
ヘ 就業規則の変更届の受理
 フレックスタイム制を採用する場合又はその内容を変更する場合には、それに関連して就業規則を変更し、その変更届が労働基準監督署長に届け出られることとなるが、その受理に当たっては労働者代表の意見書をチェックし、必要に応じてその意見を十分聴くよう指導する等的確に指導すること。
 なお、フレックスタイム制を採用する場合には、就業規則その他これに準ずるもの又は労使協定において、清算期間の起算日を明らかにすることとされているので、的確に指導すること。


 平成9年3月31日基発第228号

 「フレックスタイム制における時間外労働となる時間の計算方法の取扱いについて」


 第32条の4 1年単位の変形労働時間制
 平成6年1月4日発基第1号

(1) 一年単位の変形労働時間制
イ 趣旨
 年間単位で休日増を図ることが所定労働時間の短縮のために有効であり、そのためには年間単位の労働時間管理をすることができるような制度を普及させる必要があることから、年間単位の休日増による労働時間短縮が可能となるよう変形期間を三箇月から最長一年まで延長したものであり、変形期間を平均して週四〇時間労働制を実現し、適正かつ計画的な時間管理をすることで、労働時間の短縮を図るものであること。
 また、あらかじめ業務の繁閑を見込んで、それに合わせて労働時間を配分するものであるので、突発的なものを除き、恒常的な時間外労働はないことを前提とした制度であること。
 なお、その運用に当たっては、後述の内容に従い適切に労働時間管理が行われるように、的確に指導すること。
 また、一年単位の変形労働時間制の導入事業場に関する制度の導入及び運用についての指導の準拠となる留意事項について「一年単位の変形労働時間制についてのガイドライン」(平成六年三月一一日付け基発第一三二号)を別途通達しているところであるので、指導等に活用すること。
ロ 対象労働者の範囲
 一年単位の変形労働時間制を採用する場合には、労使協定において、当該変形労働時間制の適用を受ける対象労働者の範囲を定めることとされているが、この対象労働者は、できる限り明確に定める必要があること、また、変形期間の最初の日から末日までの期間使用する労働者に限られることから、期間雇用者であって変形期間途中の退職が明らかである者が含まれないことはもとより、契約期間の定めのない者であっても変形期間中に定年を迎える者は含まれず、配置転換等による変形期間途中からの適用もできないものであること。
ハ 労働時間の特定
 一年単位の変形労働時間制を採用する場合には、労使協定により、変形期間における労働日及び当該労働日ごとの労働時間を具体的に定めることを要し、使用者が業務の都合によって任意に労働時間を変更するような制度は、これに該当しないものであること。
 したがって、例えば貸切観光バス等のように、業務の性質上一日八時間、週四〇時間を超えて労働させる日又は週の労働時間をあらかじめ定めておくことが困難な業務又は労使協定で定めた時間が業務の都合によって変更されることが通常行われるような業務については、一年単位の変形労働時間制を適用する余地はないものであること。
 また、変形期間が最長一年までとされたことから、その全期間の労働日ごとの労働時間の特定が困難な場合にも対応できるように、変形期間を三箇月以上の期間ごとに区分することができることとしたものであるが、その場合には、労使協定において、全期間の労働日を定めたうえで、当該区分した各期間のうち最初の期間については労働日ごとの労働期間を定めることとし、他の区分の期間については各期間における総労働時間をそれぞれ定め、総労働時間のみを定めた区分の期間については、その区分の期間の初日の少なくとも三〇日前に当該事業場の労働者の過半数で組織する労働組合がある場合においてはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がない場合においては労働者の過半数を代表する者の同意を得て、各期間における総労働時間の範囲内で労働日ごとの労働時間を書面で特定するものであること。
 なお、法第八九条第一項は、就業規則で始業及び終業の時刻を定めることと規定しているので、一年単位の変形労働時間制を採用する場合にも、就業規則において、変形時間における各日の始業及び就業の時刻を定める必要があること。ただし、三箇月以上の期間ごとに区分を設けた場合の最初の期間以外の期間については、就業規則においては、最初の期間以外の期間における勤務の種類ごとの始業・終業時刻及び当該勤務の組合せについての考え方、勤務割表の作成手続及びその周知方法等を定め、これにしたがって各日ごとの勤務割は、区分した各期間の開始三〇日前までに具体的に特定することで足りるものであること。
ニ 一日及び一週間の労働時間の限度並びに連続して労働させる日数の限度
 一年単位の変形労働時間制を採用する場合には、労使協定で定める労働日及び労働日ごとの労働時間の限度は、原則として、変形期間が三箇月以内の場合は、それぞれ一日一〇時間、週五二時間以内とし、変形期間が三箇月を超える場合は、それぞれ一日九時間、週四八時間の以内にしなければならず、また、労使協定で定める労働日は一週間に一日の休日が確保できるようにしなければならないものであること。
 なお、その際、本変形労働時間制は、年間単位の休日管理により休日増を図ることを目的とすることから、その採用に当たっては、採用前と比較して休日日数を増加して設定することが望ましいこと。
 また、連続労働日数は注文上最長一二日間まで認められるが、これを常態とすることは連続労働日数を制限することとした趣旨に必ずしもそぐわないものであること。
ホ 変形期間における所定労働時間の総枠
 一年単位の変形労働時間制は、週四〇時間労働制を前提とする制度であり、変形期間を平均し一週間の労働時間が四〇時間を超えない定めをすることが要件とされているが、その趣旨は、変形期間における労働時間の合計を次の式によって計算される時間の範囲内とすることが必要であるということであること。
ヘ 削除
ト 時間外労働となる時間(法第三七条の規定の適用を受ける時間)
 一年単位の変形労働時間制を採用した場合に時間外労働となるのは、次の時間であること。
① 一日については、労使協定により八時間を超える労働時間を定めた日はその時間を超えて、それ以外の日は八時間を超えて労働させた時間
② 一週間については、労使協定により四〇時間を超える労働時間を定めた週はその時間を超えて、それ以外の週は四〇時間を超えて労働させた時間(①で時間外労働となる時間を除く。)
③ 変形期間の全期間については、変形期間における法定労働時間の総枠を超えて労働させた時間(①又は②で時間外労働となる時間を除く。)
チ 労使協定の届出
 一年単位の変形労働時間制に関する労使協定は、則様子第四号により所轄労働基準監督署長に届け出なければならないものであること。
 また、一年単位の変形労働時間制を採用する場合には、就業規則その他これに準ずるもの又は労使協定において、変形期間の起算日を明らかにすることとされているものであること。
 今般、労使協定の記載事項として、①対象労働者の範囲、②有効期間の定め、が追加されたことから、労使協定の受理に当たっては、①については、変形期間中に定年を迎える者や期間雇用者であって、変形期間途中の退職が明らかである者等が含まれていないことを確認すること。また、②については、本変形制は長期にわたる協定となる可能性があり、不適切な変形制が運用されることを防ぐため、その期間も一年程度とすることが望ましいが、三年程度以内のものであれば受理して差し支えないものであること。
 解雇、任意退職、配置転換等により、変形期間途中に対象労働者に該当しなくなった場合において、これが生じた時期によっては、全期間就労した労働者等との均衡上賃金の清算(再計算)が必要となる場合が生じることも考えられるが、この場合、労使協定の法定の記載事項とはなっていないが、労使間において適切に清算が行われるよう、賃金の清算の事由及び方法について労使協定において事前に定めておくことが望ましいものであること。
(2) 特別の配慮を要する者に対する配慮
 使用者は、一箇月単位の変形労働時間制及び一週間単位の非定型的変形労働時間制と同様、一年単位の変形労働時間制の下で労働者を労働させる場合には、育児を行う者、老人等の介護を行う者、職業訓練又は教育を受ける者その他特別の配慮を要する者については、これらの者が育児等に必要な時間を確保できるような配慮をするように努めることとされていること(則第一二条の六)。その場合に、法第六七条の規定は、あくまでも最低基準を定めたものであるので、法第六六条第一項の規定による請求をせずに変形労働時間制の下で労働し、一日の所定労働時間が八時間を超える場合には、具体的状況に応じ法定以上の育児時間を与えることが望ましいものであること。


 平成6年3月11日発基第132号

 労働基準法の一部改正の施行については、「労働基準法の一部改正の施行について」(平成六年一月四日付け基発第一号)により通達したところであるが、同通達記の2の(1)のイの一年単位の変形労働時間制の導入事業場における制度の導入及び運用についての指導の準拠となる留意事項(ガイドライン)を、別添「一年単位の変形労働時間制についてのガイドライン」(以下「ガイドライン」という。)のとおり策定したので、局署においては、改正労働基準法の説明会、制度導入を検討している使用者からの相談等において、使用者にガイドラインを周知することにより、一年単位の変形労働時間制が適切に実施されるよう図られたい。
 
 別添
  一年単位の変形労働時間制についてのガイドライン
  使用者は、一年単位の変形労働時間制を採用する場合には、法令が定める基準を遵守するとともに、下記の事項についても留意しつつ、適切な運用が行われるよう努める必要がある。
 
 記
 
第一 趣旨
 一年単位の変形労働時間制は、季節的な繁閑がある業務については、年間単位の労働時間管理の下に、閑散な時期に集中して休日を設定する等により、年間単位での休日増を図ることが所定労働時間の短縮のために有効であることから、従来の三箇月単位の変形労働時間制の変形期間を三箇月から最長一年まで延長したものであり、適正かつ計画的な時間管理を行うことで変形期間を平均して週四〇時間労働制を実現し、労働時間の短縮を図るものであること。
 
第二 対象としうる業務
 本変形労働時間制においては、労使協定等により、変形期間における労働日及び当該労働日ごとの労働時間を前もって定めることが要件とされており、最長一年までの一定期間における計画的な時間管理が可能な業務が対象となるものであり、使用者が業務の都合によって任意に労働時間を変更するような業務は、対象とできないものであること。例えば、貸切観光バス等のように、業務の性質上一日八時間、週四〇時間を超えて労働させる日又は週の労働時間をあらかじめ定めておくことが困難な業務又は労使協定で定めた時間が業務の都合によって変更されることが通常行われるような業務については、本変形労働時間制を適用する余地はないものであること。
 
第三 対象労働者
 労使協定において対象となる労働者の範囲を明確に定める必要があること。また、対象労働者は、対象期間の最初の日から末日までの期間使用する労働者に限られることから、期間雇用者であって変形期間途中の退職が明らかである者は含め得ないことはもとより、契約期間の定めのない者であっても変形期間中に定年を迎える者は含まれず、配置転換等による変形期間途中からの適用もできないものであること。
 
第四 休日の設定
 本変形労働時間制は、年間単位の休日管理により休日増を図ることを目的とすることから、その採用に当たっては、採用前と比較して休日日数を増加して設定することが望ましいこと。
 また、連続労働日数は、法文上「一週間に一日の休日が確保できる日数」とされており、最長一二日間まで認められるが、長期間の連続労働日数は好ましいものではないことから、これを常態とすることは、本制度にそぐわないものであること。
 
第五 時間外労働
 本変形労働時間制においては、あらかじめ業務の繁閑を見込んで、それに合わせて労働時間を配分するものであるので、突発的なものを除き、恒常的な時間外労働はないことを前提とした制度であること。
 
第六 労使協定の有効期間
 本変形労働時間制に関する労使協定は長期にわたるものとなる可能性があるが、状況の変化にもかかわらず不適切な変形制が長期間運用されることを防ぐため、その有効期間を一年程度とすることが望ましいものであること。

第七 特別の配慮を要する者に対する配慮
 使用者は、本変形労働時間制の下で労働者を労働させる場合には、育児を行う者、老人等の介護を行う者、職業訓練又は教育を受ける者その他特別の配慮を要する者については、これらの者が育児、介護、職業訓練、教育等に必要な時間を確保できるような配慮をするように努めることとされていること。その場合に、法第六七条(育児時間)の規定は、あくまでも最低基準を定めたものであって、法第六六条(産前産後)第一項の規定による請求をせずに本変形労働時間制の下で労働し、一日の所定労働時間が八時間を超える場合には、具体的状況に応じ法定以上の育児時間を与えることが望ましいものであること。
 
第八 途中離脱者の賃金の清算
 解雇、任意退職、配置転換等により、変形期間途中に対象労働者に該当しなくなった場合において、これが生じた時期によっては、全期間就労した労働者等との均衡上賃金の清算(再計算)が必要となる場合が生じることも考えられるが、この場合、労使協定の法定の記載事項とはなっていないが、労使間において適切に清算が行われるよう、賃金の清算の事由及び方法について労使協定において事前に定めておくことが望ましいものであること。
 
 


 平成11年1月29日基発第45号

二 一年単位の変形労働時間制
(一) 趣旨
 週四〇時間労働制が定着した後においては、労働者の健康、生活のリズム等に及ぼす影響に配慮しつつ、休日の確保によるゆとりの確保、時間外・休日労働の減少を図ることが一層重要となることにかんがみ、一年単位の変形労働時間制の要件等について所要の見直しを行うことにより、時間外・休日労働の減少による総労働時間の短縮及び休日の確保を実現しようとするものであること。
(二) 対象労働者の範囲
 法第三二条の四第一項第一号では対象労働者に関する制限がないが、労使協定において、対象労働者の範囲を明確に定める必要があることについては従来どおりであること。
 なお、対象労働者に関する制限は、対象期間の初日が平成一一年三月三一日以前の日である労使協定についてはなお適用されるものであること。例えば、改正法附則第三条の規定により改正法による改正前の労働基準法第三二条の四の規定が有効となる労使協定においては、対象労働者に関する制限も適用されるものであること。したがって、改正法による改正前の労働基準法第三二条の四の規定では対象労働者とすることができない労働者に関しては、仮に下記(三)に基づき賃金の清算を行ったとしても、労働基準法上有効な一年単位の変形労働時間制とは認められないものであること。
(三) 賃金の清算
 途中退職者等又は途中採用者等については、法第三二条の四の二の規定により賃金の清算が必要であること。
イ 清算が必要な労働者
 この清算は、対象期間の末日を平成一一年四月一日以降の日とする労使協定に基づく一年単位の変形労働時間制により労働させた期間が当該対象期間より短い労働者について、平成一一年四月一日以降は例外なく必要なものであること。例えば、対象期間を通じて労働させる予定であったが対象期間途中で任意退職した労働者についても必要であり、このことは、改正法附則第三条の規定により改正法による改正前の労働基準法第三二条の四の規定が有効となる労使協定の対象労働者であっても同様であること。
 法第三二条の四の二中「労働させた期間が当該対象期間より短い労働者」に該当するか否かは、適用される一年単位の変形労働時間制ごと、すなわち、当該労働者に関してあらかじめ特定された労働日及び労働日ごとの労働時間が変更されることとなるか否かで判断するものであること。例えば、一つの事業場で複数の一年単位の変形労働時間制が採用されている場合に配置転換された労働者については、配置転換前の制度においては途中退職者と同様の清算が、配置転換後の制度においては途中採用者と同様の清算が、それぞれ必要となるものであること。
ロ 計算方法
 法第三二条の四の二の規定に基づき割増賃金を支払わなければならない時間は、途中退職者等については退職等の時点において、途中採用者等については対象期間終了時点(当該途中採用者等が対象期間終了前に退職等した場合は当該退職等の時点)において、それぞれ次のように計算するものであること。
 一年単位の変形労働時間制により労働させた期間(以下「実労働期間」という。)における実労働時間から、法第三七条第一項の規定に基づく割増賃金を支払わなければならない時間及び次の式によって計算される時間を減じて得た時間
 法第三二条の四の二の「第三七条の規定の例により」とは、割増賃金の算定基礎賃金の範囲、割増率、計算方法等がすべて法第三七条の場合と同じであるということであること。
ハ 効果
 この割増賃金を支払わない場合は、法第二四条に違反するものであること。
(四) 労働時間の特定
 改正法は、対象期間中の労働日及び労働日ごとの労働時間をより的確に特定し、時間外・休日労働を減少させることができるよう、対象期間を1箇月以上の期間ごとに区分して労働日及び労働日ごとの労働時間を特定することができることとしたものであること。
 このような趣旨に照らして当然のことながら、従来と同様特定された労働日及び労働日ごとの労働時間は変更することができないものであること。
 なお、法第八九条は、就業規則で始業及び終業の時刻並びに休日を定めることと規定しているので、一年単位の変形労働時間制を採用する場合にも、就業規則において、対象期間における各日の始業及び終業の時刻並びに休日を定める必要があること。ただし、一箇月以上の期間ごとに区分を設けて労働日及び労働日ごとの労働時間を特定することとしている場合においては、勤務の種類ごとの始業・終業時刻及び休日並びに当該勤務の組合せについての考え方、勤務割表の作成手続及びその周知方法等を定め、これにしたがって、各日ごとの勤務割は、最初の期間におけるものは当該期間の開始前までに、最初の期間以外の各期間におけるものは当該各期間の初日の三〇日前までに、それぞれ具体的に定めることで足りるものであること。
(五) 労働日数の限度
 労働日数の限度が適用されるのは、対象期間が三箇月を超える一年単位の変形労働時間制に限られるものであること。
 則第一二条の四第三項の「対象期間について一年当たり」とは、具体的には、対象期間が三箇月を超え一年未満である一年単位の変形労働時間制に関しては、当該対象期間における労働日数の限度は、次の式によって計算するという意味であること。
 上記の式により計算して得た数が整数とならない場合の取扱いについては、「限度」である以上、労働日数がこの限度を超えることはできないこと(例えば、労働日数の限度が九三・三日であれば労働日数を九四日とすることはできないこと。)から、結果として、小数点以下の端数は切り捨てて適用することとなるものであること。
 なお、対象期間がうるう日を含んでいるか否かによって、対象期間における労働日数の限度及び上記の式に変更はないものであること。例えば、旧協定がない場合において対象期間を一年とするときは、労働日数の限度は常に二八〇日であること。
(六) 一日及び一週間の労働時間の限度
 則第一二条の四第四項第二号は、「その労働時間が四八時間を超える週の初日の数」について規定していることから、同号の規定により区分した各期間における最後の週の末日が当該各期間に属する日でない場合であっても、当該週の労働時間が四八時間を超えるのであれば、当該週の初日が同号の「初日」として取り扱われるものであること。
(七) 連続して労働させる日数の限度
 法第三二条の四第一項第三号の特定期間は対象期間中の特に業務が繁忙な期間であることから、対象期間の相当部分を特定期間として定める労使協定は、法の趣旨に反するものであること。
 また、対象期間中に特定期間を変更することはできないものであること。
(八) 労使協定の届出
 一年単位の変形労働時間制に関する労使協定は、則様式第四号により所轄労働基準監督署長に届け出なければならないものであること。
 法第三二条の四第二項の規定により労働日及び労働日ごとの労働時間を定める場合においては、「労働時間が最も長い日の労働時間数」、「労働時間が最も長い週の労働時間数」、「労働時間が四八時間を超える週の最長連続週数」、「対象期間中の労働時間が四八時間を超える週数」、「対象期間中の最も長い連続労働日数」及び「特定期間中の最も長い連続労働日数」欄については法第三二条の四第一項第四号の最初の期間における数字及び最初の期間を除く各期間における予定の数字をそれぞれ区別して記載し、「対象期間中の各日及び各週の労働時間並びに所定休日」欄に係る別紙には最初の期間における各日及び各週の労働時間並びに所定休日並びに最初の期間を除く各期間における労働日数及び総労働時間を記載するものであること。
 今般、労使協定の記載事項として特定期間が追加されたことから、労使協定の受理に当たっては当該事項が記載されているかどうかを確認するとともに、特定期間と特定期間以外の期間では連続して労働させることができる日数が異なることに留意すること。また、今般の様式改正により、旧協定に関する事項を協定届に記載することとなったが、旧協定があった場合には、上記(五)に適合しているかどうかを確認すること。
三 特別の配慮を要する者に対する配慮
 使用者は、一箇月単位の変形労働時間制、一年単位の変形労働時間制又は一週間単位の非定型的変形労働時間制の下で労働者を労働させる場合には、育児を行う者、老人等の介護を行う者、職業訓練又は教育を受ける者その他特別の配慮を要する者については、これらの者が育児等に必要な時間を確保できるような配慮をしなければならないこととされていること。その場合に、法第六七条の規定は、あくまでも最低基準を定めたものであるので、法第六六条第一項の規定による請求をせずに変形労働時間制の下で労働し、一日の所定労働時間が八時間を超える場合には、具体的状況に応じ法定以上の育児時間を与える等の配慮をすることが必要であること。


 第32条の5 1週間単位の変形労働時間制
 昭和63年1月1日発基第1号

(4) 一週間単位の非定型的変形労働時間制
イ 趣旨
 日ごとの業務に著しい繁閑が生じることが多く、かつ、その繁閑が定型的に定まっていない場合に、一週間を単位として、一定の範囲内で、就業規則その他これに準ずるものによりあらかじめ特定することなく、一日の労働時間を一〇時間まで延長することを認めることにより、労働時間のより効率的な配分を可能とし、全体としての労働時間を短縮しようとするものであること。
ロ 対象事業場
 一週間単位の非定型的変形労働時間制を採用することができる日ごとの業務に著しい繁閑の差が生ずることが多く、かつ、これを予測した上で就業規則その他これに準ずるものにより各日の労働時間を特定することが困難な事業としては、小売業、旅館、料理店及び飲食店の事業が定められており、かつ、常時使用する労働者の数が三〇人未満の事業場のみが当該制度を採用することができるものであること。
 特に、小売業については、中央労働基準審議会からの答申において「制度の趣旨に則って適切な運用を図り、今後、その運用実態を把握し、必要に応じ、その範囲等について検討を行うこととすべきである」との公益委員の見解が示されていることを踏まえて、日ごとの業務に著しい繁閑が生じることが多いものに限って利用されるなど制度の趣旨に則って適切な運用がなされるよう十分指導すること。
ハ 削除
ニ 削除
ホ 一日の労働時間の上限
 一週間単位の非定型的変形労働時間制において、事前通知により労働させることができる一日の所定労働時間の上限は、一〇時間であること。
ヘ 事前通知の方法
 一週間単位の非定型的変形労働時間制を採用する場合には、一週間の各日の労働時間をあらかじめ労働者に通知する必要があるが、その方法は、少なくとも、当該一週間の開始する前に書面により行わなければならず、ただし、緊急でやむを得ない事由がある場合には、あらかじめ通知した労働時間を変更しようとする日の前日までに書面により労働者に通知することにより、当該あらかじめ通知した労働時間を変更することができるものであること。
なお、緊急でやむを得ない事由がある場合とは、使用者の主観的な必要性でなく、台風の接近、豪雨等の天候の急変等客観的事実により、当初想定した業務の繁閑に大幅な変更が生じた場合が該当するものであること。
ト 労使協定の届出
 一週間単位の非定型的変形労働時間制に関する労使協定は、規則様式第五号により所轄労働基準監督署長に届け出なければならないものであること。
 なお、労使協定の届出の受理に当たっては、一週間の所定労働時間等協定内容をチェックし、必要に応じて的確に指導すること。
チ 労働者の意思の尊重
 使用者は、一週間単位の非定型的変形労働時間制の下で労働者を労働させる場合に、一週間の各日各人の労働時間を定めるに当たっては、事前に労働者の都合を聴く等労働者の意思を尊重するように努めなければならないものであり、その旨十分指導すること。
(5) 特別の配慮を要する者に対する配慮
 使用者は、一箇月単位の変形労働時間制、一年単位の変形労働時間制、一週間単位の非定型的変形労働時間制の下で労働者を労働させる場合には、育児を行う者、老人等の介護を行う者、職業訓練又は教育を受ける者その他特別の配慮を要する者については、これらの者が育児等に必要な時間を確保できるような配慮をするように努めなければならないものであり、その旨十分指導すること。
 その場合に、法第六七条の規定は、あくまでも最低基準を定めたものであって、法第六六条第一項の規定による請求をせずに変形労働時間制の下で労働し、一日の所定労働時間が八時間を超える場合には、具体的状況に応じ法定以上の育児時間を与えることが望ましいものであること。


 第33条 災害等による臨時の必要がある場合の時間外労働等
 昭和22年9月13日発基第17号

 第一項は災害、緊急、不可抗力その他客観的に避けることのできない場合の規定であるから厳格に運用すべきものであってその許可又は事後の承認は概ね次の基準によって取り扱うこと。
(1) 単なる業務の繁忙その他これに準ずる経営上の必要は認めないこと。
(2) 急病、ボイラーの爆発その他人命又は公益を保護するための必要は認めること。
(3) 事業の運営を不可能ならしめるような突発的な機械の故障の修理は認めるが通常予見される部分的な修理、定期的な手入は認めないこと。
(二) 削除
(三) 第二項の命令については慎重に取り扱い故意に脱法を図るもの又は不当な延長が長時間に瓦るものについてこれを発すること。


 昭和27年9月20日発基第675号

 本条は、非常災害の場合には、その必要の限度において時間外労働のみでなく休日労働をもさせることができることを明文化したものであること。


 第34条 休憩
 昭和22年9月13日発基第17号

(一)休憩時間とは単に作業に従事しない手持時間を含まず労働者の権利として労働から離れることを保障されて居る時間の意であって、その他の拘束時間は労働時間として取り扱うこと。
(二) 第二項の許可は概ね次の基準によって取り扱うこと。
(1) 交替制によって労働させる場合は許可すること。
(2) 汽罐士その他危害防止上必要なものについては許可すること。
(3) 同一事業場内でも作業場を異にする場合で業務の運営上必要なものは許可すること。
(三) 休憩時間の利用について事業場の規律保持上必要な制限を加えることは休憩の目的を害さない限り差し支えないこと。


 平成11年1月29日基発第45号

第五 一斉休憩(法第三四条第二項関係)
一 趣旨
 休憩時間の自由利用を担保するための手段として一斉付与を法律上一律に義務づける必要性が低下していること、労務管理の個別化が進展し、かつ、自律的に働くことを希望する労働者がいる中で改正前の規定がこうした労働者の主体的な労働時間の配分に制約を課すこととなっていることにかんがみ、適用除外許可を廃止すると同時に、労使の自主的な話合いの上、職場の実情に応じた労使協定を締結することにより適用除外とすることとしたものであること。
二 労使協定の締結
 労使協定には、一斉に休憩を与えない労働者の範囲及び当該労働者に対する休憩の与え方について定めなければならないものであること。
三 一斉休憩の適用除外許可に係る経過措置
(一) 平成一一年三月三一日以前にされた改正法による改正前の労働基準法第三四条第二項ただし書の規定に基づく申請であって同日までに許可又は不許可の処分をしていないものについては、昭和二二年九月一三日付け労働省発基第一七号及び昭和二九年一二月一〇日付け基収第六五〇三号に示すところにより処分を行わなければならないものであること。
(二) 改正法による改正前の労働基準法第三四条第二項ただし書の規定により適用除外許可を受けた業務(上記(一)により許可を受けた業務を含む。)に従事する労働者については、平成一一年四月一日以降においても、許可を受けたところにより休憩を与えて差し支えないものであること。
なお、当該許可に係る業務が許可基準に適合しなくなった場合において許可を取り消さねばならないことについても、従前どおりであること。


 第36条 時間外及び休日の労働
 昭和27年9月20日発基第675号

(一) 施行規則第一六条第二項但書により労働協約による場合には一年を超えない範囲の定をすることができることに改められたが、労働協約とは、労働条件に関する事項について労働組合と使用者の間に締結されたもので当事者の記名捺印があれば足りるものであるから、時間外、休日労働の協定が規則所定の様式により労働組合との間に締結されたものであれば、その協定が本条の労働協約と解されるものであること。但し、この場合の労働組合は、法第三六条の規定により、当該事業場の労働者の過半数で組織されているものでなければならないこと。
(二) 労使協定の有効期間は、労働協約の場合は一年の範囲内で、その他の場合は三ケ月の範囲内で自由に定めることができるものであること。
(三) 施行規則第一七条第二項の「引き続き」とは、前の時間外、休日労働協定とその次の時間外、休日労働協定との間に切れ目のないことであるが、協定締結交渉等のために若干の日数のずれがあっても、客観的に「引き続き」と認められるものであればよいこと。
(四) 施行規則第一七条第二項にいう協定の内容が同一であるとは、基本的な事項が同一であることをいい、例えば労働者数の多少の変動は同一性を失わないが、延長時間数の増加、男子のみの場合に対する女子の追加等は同一性を失うものと解されること。
(五) 施行規則第一七条第二項の「その旨」の届出でよいとは、協定届中に時間外又は休日労働をさせる必要のある具体的事由、業務の種類、労働者の数並びに延長すべき時間又は労働させるべき休日の記載を省略することができる趣旨であるが、なお、その旨の届出にあたっては、更新した前回の協定の締結の年月日を記入させるよう指導すること。

 
 昭和46年9月27日基発第665号

二 労使協定の締結当事者について
 法第三六条の労使協定の締結当事者に関しては、事業場の労働者の過半数で組織する労働組合がない場合の労働者の過半数を代表する者について、労働関係において使用者的立場にある者が締結当事者となっている場合がある等、その選出方法、代表者性等に問題がある場合があるので、法の趣旨に合致した労働者の過半数を代表する者が選ばれ、締結当事者となるよう、前記一と同様、機会をとらえて関係業界、事業主に対する指導を行なうこと。
 この場合、過半数代表者の選出方法については、選挙又はそれに準ずる方法によることが望ましく、また、労働者の代表者としては、法第四一条第二号に規定する監督若しくは管理の地位ある者は望ましくないこと。

 
 昭和53年11月20日基発第642号

 「労働基準法施行規則の一部を改正する省令の施行について(時間外労働又は休日労働に関する協定の届出様式の一部改正の経緯・趣旨・内容・その他留意点等)」

 
 平成11年1月29日基発第45号

第六 時間外労働(法第三六条関係)
一 趣旨
 長時間にわたる時間外労働の抑制を図るため、労働大臣が法第三六条第一項の協定(労働時間の延長に係るものに限る。以下「時間外労働協定」という。)で定める労働時間の延長の限度等に関する基準を定めることができる根拠を設定するとともに、使用者及び労働組合又は労働者の過半数を代表する者(以下「労使当事者」という。)がその基準を遵守すべき義務や、労働基準監督署長がその基準に関し労使に対して必要な助言、指導を行うこととする一連の規定を設けたものであること。
二 限度基準
(一) 業務区分の細分化
 労使当事者は、時間外労働協定において労働時間を延長する必要のある業務の種類を定めるに当たっては、業務の区分を細分化することにより当該必要のある業務の範囲を明確にしなければならないこととしたものであること。
これは、業務の区分を細分化することにより当該業務の種類ごとの時間外労働時間をきめ細かに協定するものとしたものであり、労使当事者は、時間外労働協定の締結に当たり各事業場における業務の実態に即し、業務の種類を具体的に区分しなければならないものであること。
(二) 一定期間の区分
 使用者は、時間外労働協定をする場合は、則第一六条第一項により、一日についての延長することができる時間(以下「一日についての延長時間」という。)及び一日を超える一定の期間(以下「一定期間」という。)についての延長することができる時間(以下「一定期間についての延長時間」という。)について協定しなければならないこととされているが、労使当事者は、時間外労働協定において一定期間についての延長時間を定めるに当たっては、当該一定期間は一日を超え三箇月以内の期間及び一年間としなければならないこととしたものであること。
 一年間についての延長時間を必ず定めなければならないこととしているのは、一年間を通じて恒常的な時間外労働を認める趣旨ではなく、一年間を通じての時間外労働時間の管理を促進し時間外労働時間の短縮を図ることを目的としたものであること。このため、時間外労働協定の有効期間は、最も短い場合でも一年間となるものであること。
なお、これらの期間に加えて三箇月を超え一年未満の期間について労使当事者が任意に協定することを妨げるものではないこと。
 おって、事業が完了し、又は業務が終了するまでの期間が一年未満である場合は、一年間についての延長時間を定めることは要せず、一日を超え三箇月以内の期間及び当該事業が完了し、又は業務が終了するまでの期間について協定すれば足りるものであること。
(三) 一定期間についての延長時間の限度
イ 労使当事者は、時間外労働協定において一定期間についての延長時間を定めるに当たっては、当該一定期間についての延長時間は、限度基準別表第一の上欄に掲げる期間の区分に応じ、それぞれ同表の下欄に掲げる限度時間を超えないものとしなければならないこととしたものであること。
ロ 次の場合には、別紙の概算式により算出される「一定期間の法定超え時間外労働時間」が限度時間に適合すればよいものであること。
① 所定労働時間が法第三二条から第三二条の五まで又は第四〇条の規定により労働させることができる最長の労働時間(以下「法定労働時間」という。)を下回る事業場において、当該所定労働時間を超えて延長することができる時間を一定期間についての延長時間として協定している場合
② 法定労働時間を超えて延長することができる時間を一定期間についての延長時間としているが、当該一定期間についての延長時間に休日における労働時間を含めて協定している場合
なお、この換算は、協定された延長時間を限度時間と比較する便宜上行うものであり、法第三二条又は第四〇条の違反の有無は「一定期間の法定超え時間外労働時間」を基準に行うものではないこと。
ハ 一定期間についての延長時間は限度時間以内の時間とすることが原則であるが、弾力措置として、限度時間以内の時間を一定期間についての延長時間の原則(以下「原則となる延長時間」という。)として定めた上で、限度時間を超えて労働時間を延長しなければならない特別の事情が生じたときに限り、一定期間として協定されている期間ごとに、労使当事者間において定める手続を経て、限度時間を超える一定の時間(以下「特別延長時間」という。)まで労働時間を延長することができる旨を協定すれば(この場合における協定を「特別条項付き協定」という。以下同じ。)、当該一定期間についての延長時間は限度時間を超える時間とすることができることとしたものであること。
 このような弾力措置を設けた理由は、事業又は業務の態様によっては、通常の時間外労働は限度時間以内の時間に収まるが臨時的に限度時間を超えて時間外労働を行わざるを得ない特別の事情が生ずることが予想される場合があるので、事業又は業務の運営に配慮するとともに、原則である限度時間の意義が失われることのないようにするためであること。
 特別条項付き協定においては、「特別の事情」、「手続」及び「特別延長時間」のそれぞれについてあらかじめ協定することを要件としていること。
(イ) 「特別の事情」は、時間外労働をさせる必要のある具体的事由の下において生ずる特別の事情をいうものであり、臨時的なものに限るものであるが、労使当事者が事業又は業務の態様等に即して自主的に協議し、可能な限り具体的に定める必要があること。
 この場合、「臨時的なもの」とは、一時的又は突発的に時間外労働を行わせる必要があるものであり、全体として一年の半分を超えないことが見込まれるものであって、具体的な事由を挙げず、単に「業務の都合上必要なとき」又は「業務上やむを得ないとき」と定める等恒常的な長時間労働を招くおそれがあるもの等については、「臨時的なもの」に該当しないものであること。
 「特別の事情」は「臨時的なもの」に限ることを徹底する趣旨から、特別条項付き協定には、一日を超え三箇月以内の一定期間について、原則となる延長時間を超え、特別延長時間まで労働時間を延長することができる回数を協定するものと取り扱うこととし、当該回数については、特定の労働者についての特別条項付き協定の適用が一年のうち半分を超えないものとすること。
 提出された協定に回数の定めがない場合は、「特別の事情」が「臨時的なもの」であることが協定上明らかである場合を除き、限度基準に適合しないものとして必要な助言及び指導の対象となるものであること。
 なお、「特別の事情」には、法第三三条の非常災害時等の時間外労働に該当する場合は含まれないこと。
(ロ) 労使当事者間において定める「手続」については特に制約はないが、時間外労働協定の締結当事者間の手続として労使当事者が合意した協議、通告その他の手続であること。
 また、「手続」は、一定期間についての延長時間を定めた当該一定期間ごとに当該特別の事情が生じたときに必ず行わなければならず、所定の手続を経ることなく、原則となる延長時間を超えて労働時間を延長した場合は、法違反となるものであること。
 なお、所定の手続がとられ、原則となる延長時間を超えて労働時間を延長する際には、その旨を届け出る必要はないが、労使当事者間においてとられた所定の手続の時期、内容、相手方等を書面等で明らかにしておく必要があること。
(ハ) 「特別の事情」については、できる限り詳細に協定を行い、届け出る必要があること。
 また、協定届においては「特別の事情」が特別延長時間まで労働時間を延長することができる要件である旨を明らかにする必要があること。
 「手続」については、必ずしも詳細に届出を行う必要はないものであるが、協定届においては「手続」が特別延長時間まで労働時間を延長することができる要件である旨を明らかにし、その概要を記載する必要があること。
(ニ) 「特別延長時間」については、限度となる時間は示されておらず、労使当事者の自主的協議にゆだねられていること。
 また、「特別延長時間」については、一定期間についての延長時間として届出を行う必要があること。
(四) 一年単位の変形労働時間制における一定期間についての延長時間の限度
イ 一年単位の変形労働時間制は、あらかじめ業務の繁閑を見込んで労働時間を配分することにより、突発的なものを除き恒常的な時間外労働はないことを前提とした制度であり、このような弾力的な制度の下では、当該制度を採用しない場合より繁忙期における時間外労働が減少し、年間でみても時間外労働が減少するものと考えられることから、一年単位の変形労働時間制により労働する労働者(対象期間が三箇月を超える変形労働時間制により労働する者に限る。以下同じ。)に係る限度時間については、当該制度によらない労働者より短い限度時間が定められたものであること。
ロ 労使当事者は、時間外労働協定において一年単位の変形労働時間制により労働する労働者に係る一定期間についての延長時間を定める場合は、当該労働者に係る一定期間についての延長時間は、限度基準別表第二の上欄に掲げる期間の区分に応じ、それぞれ同表の下欄に掲げる限度時間を超えないものとしなければならないこととしたものであること。
ハ 所定労働時間を超えて延長することができる時間を一定期間についての延長時間として協定している場合は、当該一定期間についての延長時間が限度時間に適合していれば差し支えないものであること。
ニ 一年単位の変形労働時間制により労働する労働者についても特別条項付き協定を締結することができるものであること。
(五) 適用除外
 次に掲げる事業又は業務に係る時間外労働協定については、限度時間は適用しないこととしたこと。これは、労働時間管理等について別途行政指導を行っている分野については、現行の指導基準の水準に到達させることが先決であること、事業又は業務の性格から限度時間の適用になじまないものがあること等の理由によるものであること。
 なお、ニに掲げる事業又は業務に係る時間外労働協定については、限度基準第三条及び第四条の規定のうち、労働省労働基準局長が指定する範囲に限り、限度時間は適用されないものであること。
イ 工作物の建設等の事業
 「工作物の建設等の事業」とは、原則として法別表第一第三号に該当する事業をいうものとするが、建設業に属する事業の本店、支店等であって同号に該当しないものも含むものであること。
なお、建設業を主たる事業としない製造業等の事業であっても、例えば、大規模な機械・設備の据付工事等を行う場合は当該工事自体が法別表第一第三号に該当する一の事業となることがあるので留意すること。また、電気事業の建設所、工事所等及びガス事業の導管管理事務所は法別表第一第三号に掲げる事業に該当するものであること。
ロ 自動車の運転の業務
 「自動車の運転の業務」とは、四輪以上の自動車の運転を主として行う業務をいい、「自動車運転者の労働時間等の改善のための基準」(平成元年労働省告示第七号)の対象となる自動車運転者の業務と同義であること。
ハ 新技術、新商品等の研究開発の業務
 「新技術、新商品等の研究開発の業務」とは、専門的、科学的な知識、技術を有する者が従事する新技術、新商品等の研究開発の業務をいうものとすること。
ニ 季節的要因等により事業活動若しくは業務量の変動が著しい事業若しくは業務又は公益上の必要により集中的な作業が必要とされる業務として労働省労働基準局長が指定するもの
(イ) 「季節的要因等により事業活動若しくは業務量の変動が著しい事業又は業務」とは、事業又は業務の特性と不可分な季節的要因等により事業活動又は業務量に著しい変動があり、かつ、その結果三箇月以内の期間における時間外労働が限度時間の範囲に収まらない場合が多く、特別条項付き協定で対処することになじまない事業又は業務をいうこと。
(ロ) 「公益上の必要により集中的な作業が必要とされる業務」とは、公益事業における業務であって、当該事業の安全な遂行等を確保する上で集中的な作業が必要とされ、かつ、その結果三箇月以内の期間における時間外労働が限度時間の範囲に収まらない場合が多く、特別条項付き協定で対処することになじまない業務をいうこと。
(ハ) 「季節的要因等により事業活動若しくは業務量の変動が著しい事業又は業務」及び「公益上の必要により集中的な作業が必要とされる業務」は、平成一一年一月二九日付け基発第四四号により指定されていること。
三 限度基準の遵守
 労使当事者は、時間外労働協定を締結する際には、その内容が限度基準に適合したものとなるようにしなければならないものとされたものであること。

 
 平成21年10月5日基発1005第1号

第1 時間外労働(法第36条第2項及び限度基準関係)
〈1年間とそれ以外の一定の期間で限度時間を超える時間外労働に係る割増賃金率が異なる場合〉
問 時間外労働協定の締結に当たり、則第16条第1項及び限度基準第2条の規定に基づき、①一日を超え三箇月以内の期間及び②一年間の期間の双方についての延長時間を定めることとされているが、その双方について特別条項付き協定を締結した場合に、それぞれの限度時間を超える時間外労働に係る割増賃金率が異なる場合であって、①と②の期間の時間外労働がともに限度時間を超えた場合には、どちらの割増賃金率を適用するのか。
答 時間外労働時間数が①及び②の期間の限度時間をともに超えた場合においては、時間外労働協定において特段の定めがあればそれによるが、これがない場合、一般的には、高い方の割増賃金率を適用することとなる。
〈1年間の限度時間を超える時間外労働に対して支払うべき割増賃金〉
問 1箇月の限度時間を超える時間外労働に対する割増賃金率を3割、1年間の限度時間を超える時間外労働に対する割増賃金率を4割としている事業場において、1年間の限度時間を超える時間外労働時間数を計算する際には、1年間の総時間外労働時間数から3割の割増賃金率で計算した割増賃金を支払った1箇月の限度時間を超えた時間外労働時間数を控除してよいか。
答 控除することはできない。ただし、時間外労働協定等において、1年間の限度時間を超える時間外労働労働時間数を計算する際に、3割の割増賃金率で計算した割増賃金を支払った1箇月の限度時間を超える時間外労働時間数を控除する旨の特別の定めを行った場合にはこの限りではない。


 第37条 時間外、休日および深夜の割増賃金
 昭和22年9月13日発基第17号

 家族手当、通勤手当及び規則第二一条に掲げる別居手当、子女教育手当は名称にかかわらず実質によって取り扱うこと。


 平成6年1月4日基発第1号

3 割増賃金率
(1) 趣旨
 時間外労働及び休日労働に対する割増賃金の支払いは、通常の勤務時間とは違うこれら特別の労働に対する労働者への補償を行うとともに、使用者に対し、経済的負担を課すことによってこれらの労働を抑制することを目的とするものであるが、割増率については、今後、実態をみきわめつつ時間外労働、休日労働に対する労働者の意識変化等に適切に対応して、その段階的な引上げを図っていく必要があることから、その率を法でなく政令で定めることとしたものであること。休日労働については、週休二日制普及の流れの中で週一日の法定休日確保の重要制等にかんがみ、今回、その引上げを図ったものであること。
(2) 具体的な率
 時間外労働に対する割増率は現行どおり二割五分以上の率とし、休日労働については三割五分以上の率とするものであること。
(3) 具体的対応
 休日労働に対する割増賃金率が今回三割五分以上の率に引き上げられたところであるが、この趣旨は法第三五条に規定する週一回又は四週間四日の法定休日に労働させたときの割増賃金率を規定したものであること。
 法第三五条に規定する週一回又は四週間四日を超える日数の休日を設定している事業場において、今回の改正に伴い、休日について労働したときに一律に三割五分以上の率で計算した割増賃金を支払うことを定める場合も考えられ、また、休日のうち、週一回又は四週間四日の休日について労働をしたときには三割五分以上の率で計算した割増賃金を支払い、その他の休日は三割五分未満の率で計算した割増賃金を支払う等の定めをする場合も考えられるが、後者の場合には、労働条件を明示する観点から、就業規則その他これに準ずるものにより三割五分以上の割増賃金率の対象となる休日が明確になっていることが望ましいこと。
 この場合、休日のうち、最後の一回又は四日について三割五分以上の率で計算した割増賃金を支払うことを就業規則その他これに準ずるもので定めることは上記休日を明確にしていることと認められるものであること。
 また、上記のように三割五分以上の割増賃金率の対象となる休日を定めた事業場において、週一回又は四週間四日の休日が確保されないこととなった場合に、三割五分以上の率で計算した割増賃金を支払うと定めた休日に当該割増賃金が実際に支払われており、これが支払われた日数と確保された休日の合計日数が週一回又は四週間四日以上である場合には、法第三七条第一項違反として取り扱わないものであること。
 なお、法定休日に労働させる場合には、休日労働に関する法第三六条の規定に基づく協定の締結及び届出がなされている必要があることは言うまでもないこと。
(4) 時間外又は休日労働が深夜に及んだ場合の取扱い
 時間外又は休日労働が深夜に及んだ場合には、それぞれ五割以上の率、六割以上の率となるものであること。


 平成21年10月5日基発1005第1号

第2 法定割増賃金率(法第37条第1項ただし書及び第138条並びに改正法附則第3条第1項関係)
〈1箇月60時間の算定とみなし労働時間制〉
問 みなし労働時間制の場合、どのように1箇月の時間外労働時間数を算定するのか。
答 みなし労働時間制の規定によって算定される労働時間(法第38条の2に基づき労働時間の一部を事業場内業務に従事する場合には、みなし労働時間によってみなされる事業場外で業務に従事した時間と事業場内における労働時間を合わせた時間)が法定労働時間を超える部分を時間外労働時間として、1箇月の時間外労働時間数を算定する。
〈1箇月60時間の算定と1年単位の変形労働時間制〉
問 1年単位の変形労働時間制において、対象期間の法定労働時間の総枠を超えて労働した時間については、法第37条第1項ただし書の「1箇月60時間」の算定における時間外労働時間に含まれると解してよいか。
答 貴見のとおり。
〈1箇月60時間の算定とフレックスタイム制〉
問 フレックスタイム制で所定労働日の時間外労働に係る割増賃金率と法定休日以外の休日における労働に係る割増賃金率が異なり、時間外労働時間数を算定する際に所定労働日の時間外労働時間数と法定休日以外の休日の労働時間数を区別して管理している場合、どの時点から法第37条第1項ただし書の「1箇月60時間」を超えることとなるのか。
 また、フレックスタイム制の清算期間が1箇月未満の場合はどのように取り扱えばよいか。
答 所定労働日の時間外労働か法定休日以外の休日における労働かを問わず、フレックスタイム制の清算期間における法定労働時間の総枠を超えた時点から時間外労働時間となり、その時間の累計が60時間を超えた時点から割増賃金率を引き上げる必要がある。
 清算期間が1箇月未満である場合には、1箇月におけるそれぞれの清算期間における法定労働時間の総枠を超える部分を時間外労働時間として、1箇月の時間外労働時間数を算定する。


 平成21年10月5日基発1005第1号

第3 代替休暇(法第37条第3項関係)
〈取得日の決定方法〉
問 代替休暇の取得日について、労働者が希望した日を使用者が一方的に変更や拒否をすることは認められるのか。取得の方法や取得希望日の変更方法について、労使協定で制限することは可能か。
答 代替休暇は使用者が与えるものであるが、実際に取得するか否かは労働者の判断によるものであるため、使用者による一方的な変更等は認められず、取得日の決定等は当然労働者の意向を踏まえたものとなる。代替休暇の取得等の具体的な方法については、労使の話合いにより労使協定で定めるものとされている。
〈所定労働日と所定休日の割増賃金率が異なる場合〉
問 日曜日及び土曜日を休日とする完全週休2日制(法定休日は日曜日)で、所定労働日の時間外労働に対する割増賃金率を25%、法定休日以外の休日である土曜日の労働に対する割増賃金率を35%と定めている場合に、土曜日の労働時間数を含んで時間外労働時間数が1箇月60時間を超えたとき、代替休暇の時間数はどのように算出するのか。
答 設問の場合、所定労働日の換算率と法定休日以外の休日である土曜日の換算率をそれぞれ算出し、それぞれの1箇月60時間を超える時間外労働時間の部分について換算率を乗じた時間数を足し合わせたものが代替休暇の時間数となる。なお、双方の換算率が同一となるように労使協定で定めることも可能である。


 第38条の2 事業場外労働
 昭和63年1月1日発基第1号

(1) 事業場外労働に関するみなし労働時間制
イ 趣旨
 事業場外で労働する場合で、使用者の具体的な指揮監督が及ばず、労働時間の算定が困難な業務が増加していることに対応して、当該業務における労働時間の算定が適切に行われるように法制度を整備したものであること。
ロ 事業場外労働の範囲
 事業場外労働に関するみなし労働時間制の対象となるのは、事業場外で業務に従事し、かつ、使用者の具体的な指揮監督が及ばず、労働時間を算定することが困難な業務であること。したがって、次の場合のように、事業場外で業務に従事する場合であっても、使用者の具体的な指揮監督が及んでいる場合については、労働時間の算定が可能であるので、みなし労働時間制の適用はないものであること。
① 何人かのグループで事業場外労働に従事する場合で、そのメンバーの中に労働時間の管理をする者がいる場合
② 事業場外で業務に従事するが、無線やポケットベル等によって随時使用者の指示を受けながら労働している場合
③ 事業場において、訪問先、帰社時刻等当日の業務の具体的指示を受けたのち、事業場外で指示どおりに業務に従事し、その後事業場にもどる場合
ハ 事業場外労働における労働時間の算定方法
(イ) 原則
 労働時間の全部又は一部について事業場外で業務に従事した場合において、労働時間を算定し難いときは、所定労働時間労働したものとみなされ、労働時間の一部について事業場内で業務に従事した場合には、当該事業場内の労働時間を含めて、所定労働時間労働したものとみなされるものであること。
(ロ) 当該業務を遂行するためには通常所定労働時間を超えて労働することが必要となる場合
当該業務を遂行するためには通常所定労働時間を超えて労働することが必要となる場合には、当該業務の遂行に通常必要とされる時間労働したものとみなされ、労働時間の一部について事業場内で業務に従事した場合には、当該事業場内の労働時間と事業場外で従事した業務の遂行に必要とされる時間とを加えた時間労働したものとみなされるものであること。なお、当該業務の遂行に通常必要とされる時間とは、通常の状態でその業務を遂行するために客観的に必要とされる時間であること。
(ハ) 労使協定が締結された場合
(ロ)の当該業務の遂行に通常必要とされる時間については、業務の実態が最もよくわかっている労使間で、その実態を踏まえて協議した上で決めることが適当であるので、労使協定で労働時間を定めた場合には、当該時間を、当該業務の遂行に通常必要とされる時間とすることとしたものであること。
 また、当該業務の遂行に通常必要とされる時間は、一般的に、時とともに変化することが考えられるものであり、一定の期間ごとに協定内容を見直すことが適当であるので、当該協定には、有効期間の定めをすることとしたものであること。
 なお、突発的に生ずるものは別として、常態として行われている事業場外労働であって労働時間の算定が困難な場合には、できる限り労使協定を結ぶよう十分指導すること。
ニ みなし労働時間制の適用範囲
みなし労働時間制に関する規定は、法第四章の労働時間に関する規定の範囲に係る労働時間の算定について適用されるものであり、第六章の年少者及び第六章の二の女子の労働時間に関する規定に係る労働時間の算定については適用されないものであること。
 また、みなし労働時間制に関する規定が適用される場合であっても、休憩、深夜業、休日に関する規定の適用は排除されないものであること。
ホ 労使協定の届出
 事業場外労働のみなし労働時間制に関する労使協定は、規則様式第一二号により所轄労働基準監督署長に届け出なければならないものであること。ただし、協定で定める時間が法定労働時間以下である場合には、届け出る必要がないものであること。
 なお、事業場外労働のみなし労働時間制に関する労使協定の内容を規則様式第九号の二により法第三六条の規定による届出に付記して届け出ることもできるものであること。
 労使協定の届出の受理に当たっては、協定内容をチェックし、必要に応じて的確に指導すること。
 また、事業場外労働のみなし労働時間制に関する労使協定の締結に当たっては、事業場外労働のみなし労働時間制の対象労働者の意見を聴く機会が確保されることが望ましいことはいうまでもなく、その旨十分周知すること。


 第38条の3 裁量労働
 昭和63年1月1日発基第1号

(2) 裁量労働に関するみなし労働時間制
イ・ロ 削除
ハ 裁量労働における労働時間の算定方法
 労使協定において、裁量労働に該当する業務を定め、当該業務の遂行に必要とされる時間を定めた場合には、当該業務に従事した労働者は、当該協定で定める時間労働したものとみなされるものであること。
 なお、当該業務の遂行に必要とされる時間は、一般的に、時とともに変化することが考えられるものであり、一定の期間ごとに協定内容を見直すことが適当であるので、当該協定には、有効期間の定めをすることとしたものであること。
ニ みなし労働時間制の適用範囲
 みなし労働時間制に関する規定は、法第四章の労働時間に関する規定の範囲に係る労働時間の算定について適用されるものであり、第六章の年少者及び第六章の二の女子の労働時間に関する規定に係る労働時間の算定については適用されないものであること。
 また、みなし労働時間制に関する規定が適用される場合であっても、休憩、深夜業、休日に関する規定の適用は排除されないものであること。
ホ 労使協定の届出
 裁量労働のみなし労働時間制に関する労使協定は、規則様式第一三号により所轄労働基準監督署長に届け出なければならないものであること。なお、その受理に当たっては、協定内容をチェックし、必要に応じて的確に指導すること。
 なお、裁量労働のみなし労働時間制に関する労使協定の締結に当たっては、裁量労働のみなし労働時間制の対象労働者の意見を聴く機会が確保されることが望ましいことはいうまでもなく、その旨十分周知すること。

 
 平成6年1月4日基発第1号

4 裁量労働に関するみなし労働時間制の対象業務
(1) 趣旨
 昭和六三年の法改正により創設されたものであり、その対象業務については、従来、研究開発の業務その他の業務であって、当該業務の性質上その遂行の方法を大幅に当該業務に従事する労働者の裁量にゆだねる必要があるため、当該業務の遂行の手段及び時間配分の決定等に関し具体的な指示をしないこととするものとして労使の協定で定める業務としていたが、今日の経済のサービス化・情報化等の進展、また、業務の効率化から裁量労働の対象業務に対する関心の高まり等にかんがみ、今後、その運用の適正化を図る観点から、具体的な業務を省令で定めるものとし、その中から当該事業場において労働者に就かせる業務を労使の協定で定めることとしたものであること。
(2) 対象業務
 対象業務は昭和六三年一月一日及び基発第一号及び婦発第一号「改正労働基準法の施行について」記3〓に規定した例示の業務を基本としつつ、以下のとおりの範囲とするものであること。
① 則第二四条の二第六項第一号の業務「新商品若しくは新技術の研究開発又は人文科学若しくは自然科学に関する研究の業務」
 「新商品若しくは新技術の研究開発」とは、材料、製品、生産・製造工程等の開発又は技術的改善等をいうものであること。
② 則第二四条の二第六項第二号の業務「情報処理システム(電子計算機を使用して行う情報処理を目的として複数の要素が組み合わされた体系であつてプログラムの設計の基本となるものをいう。)の分析又は設計の業務」
「情報処理システム」とは、情報の整理、加工、蓄積、検索等の処理を目的として、コンピュータのハードウェア、ソフトウェア、通信ネットワーク、データを処理するプログラム等が構成要素として組み合わされた体系をいうものであること。
 「情報処理システムの分析又は設計の業務」とは、(ⅰ)ニーズの把握、ユーザーの業務分析等に基づいた最適な業務処理方法の決定及びその方法に適合する機種の選定、(ⅱ)入出力設計、処理手順の設計等アプリケーション・システムの設計、機械構成の細部の決定、ソフトウェアの決定等、(ⅲ)システム稼働後のシステムの評価、問題点の発見、その解決のための改善等の業務をいうものであること。プログラムの設計又は作成を行うプログラマーは含まれないものであること。
③ 則第二四条の二第六項第三号の業務「新聞若しくは出版の事業における記事の取材若しくは編集の業務又は放送法(昭和二五年法律第一三二号)第二条第四号に規定する放送番組若しくは有線ラジオ放送業務の運用の規正に関する法律(昭和二六年法律第一三五号)第二条に規定する有線ラジオ放送若しくは有線テレビジョン放送法(昭和四七年法律第一一四号)第二条第一項に規定する有線テレビジョン放送の放送番組の制作のための取材若しくは編集の業務」
 「新聞又は出版の事業」には、新聞、定期刊行物にニュースを提供するニュース供給業も含まれるものであること。なお、新聞又は出版の事業以外の事業で記事の取材又は編集の業務に従事する者、例えば社内報の編集者等は含まれないものであること。
 「取材又は編集の業務」とは、記事の内容に関する企画及び立案、記事の取材、原稿の作成、割付け、レイアウト・内容のチェック等の業務をいうものであること。記事の取材に当たって、記者に同行するカメラマンの業務や、単なる校正の業務は含まれないものであること。
 「放送番組の制作のための取材の業務」とは、報道番組、ドキュメンタリー等の制作のために行われる取材、インタビュー等の業務をいうものであること。取材に同行するカメラマンや技術スタッフは含まれないものであること。
「編集の業務」とは、上記の取材を要する番組における取材対象の選定等の企画及び取材によって得られたものを番組に構成するための内容的な編集をいうものであり、音量調整、フィルムの作成等技術的編集は含まれないものであること。
④ 則第二四条の二第六項第四号の業務「衣服、室内装飾、工業製品、広告等の新たなデザインの考案の業務」
「広告」には、商品のパッケージ、ディスプレイ等広く宣伝を目的としたものも含まれるものであること。
考案されたデザインに基づき、単に図面の作成、製品の制作等の業務を行う者は含まれないものであること。
⑤ 則第二四条の二第六項第五号の業務「放送番組、映画等の制作の事業におけるプロデューサー又はディレクターの業務」
 「放送番組、映画等の制作」には、ビデオ、レコード、音楽テープ等の制作及び演劇、コンサート、ショー等の興行等が含まれるものであること。
 「プロデューサーの業務」とは、制作全般について責任を持ち、企画の決定、対外折衝、スタッフの選定、予算の管理等を総括して行うことをいうものであること。
 「ディレクターの業務」とは、スタッフを統率し、指揮し、現場の制作作業の統括を行うことをいうものであること。
⑥ 則第二四条の二第六項第六号の業務「前各号の外、中央労働基準審議会の議を経て労働大臣の指定する業務」
 本号の規定に基づき労働基準法施行規則第二四条の二第六項第六号の規定に基づき労働大臣の指定する業務を定める告示(平成九年労働省告示第八号)が定められたものであること。

 
 平成9年2月14日基発第93号

七 裁量労働に関するみなし労働時間制の対象業務の拡大(労働基準法施行規則第二四条の二第六項第六号の規定に基づき労働大臣の指定する業務を定める告示関係)
(一) 趣旨
 裁量労働制に関するみなし労働時間制の対象業務については、則第二四条の二第六項において五業務を規定しているところであるが、週四〇時間労働制の定着を図るためには、業務等の特性に応じ裁量労働に関するみなし労働時間制が活用されることが望ましい分野があることから、今回、新たにコピーライターの業務等六業務を追加するものであること。
(二) 内容
 以下の六業務を則第二四条の二第六項第六号の規定に基づき労働大臣が指定することにより、裁量労働に関するみなし労働時間制の対象業務に追加することとすること。
① 「広告、宣伝等における商品等の内容、特長等に係る文章の案の考案の業務」
 いわゆるコピーライターの業務をいうものであること。
 「広告、宣伝等」には、商品等の内容、特長等に係る文章伝達の媒体一般が含まれるものであり、また、営利目的か否かを問わず、啓蒙、啓発のための文章も含まれるものであること。
 「商品等」とは、単に商行為たる売買の目的物たる物品にとどまるものではなく、動産であるか不動産であるか、また、有体物であるか無体物であるかを問わないものであること。
 「内容、特長等」には、キャッチフレーズ(おおむね一〇文字前後で読み手を引きつける魅力的な言葉)、ボディコピー(より詳しい商品内容等の説明)、スローガン(企業の考え方や姿勢を分かりやすく表現したもの)等が含まれるものであること。
 「文章」については、その長短を問わないものであること。
② 「公認会計士の業務」
 「公認会計士の業務」とは、法令に基づいて公認会計士の業務とされている業務をいうものであり、例えば、公認会計士法(昭和二三年法律第一〇三号)第二条第一項に規定する「他人の求めに応じ報酬を得て、財務書類の監査又は証明をする」業務、同条第二項に規定する「公認会計士の名称を用いて、他人の求めに応じ報酬を得て、財務書類の調製をし、財務に関する調査若しくは立案をし、又は財務に関する相談に応ずる」業務が、これに該当するものであること。
③ 「弁護士の業務」
 「弁護士の業務」とは、法令に基づいて弁護士の業務とされている業務をいうものであり、例えば、弁護士法(昭和二四年法律第二〇五号)第三条第一項に規定する「当事者その他関係人の依頼又は官公署の委嘱によって、訴訟事件、非訟事件及び審査請求、異議申立て、再審査請求等行政庁に対する不服申立事件に関する行為その他一般の法律事務」が、これに該当するものであること。
④ 「一級建築士の業務」
 「一級建築士の業務」とは、法令に基づいて一級建築士の業務とされている業務をいうものであり、例えば、建築士法(昭和二五年法律第二〇二号)第三条に規定する建築物の設計又は工事監理が、これに該当するものであること。
⑤ 「不動産鑑定士の業務」
 「不動産鑑定士の業務」とは、法令に基づいて不動産鑑定士の業務とされている業務をいうものであり、例えば、不動産の鑑定評価に関する法律(昭和三八年法律第一五二号)第二条第一項に規定する「土地若しくは建物又はこれらに関する所有権以外の権利の経済価値を判定し、その結果を価額に表示する」業務が、これに該当するものであること。
⑥ 「弁理士の業務」
 「弁理士の業務」とは、法令に基づいて弁理士の業務とされている業務をいうものであり、例えば、弁理士法(大正第一〇年法律第一〇〇号)第一条に規定する「特許、実用新案、意匠若ハ商標又ハ国際出願ニ関シ特許庁ニ対シ為スベキ事項及特許、実用新案、意匠又ハ商標ニ関スル異議申立又ハ裁定ニ関シ通商産業大臣ニ対シ為スベキ事項ノ代理並ニ此等ノ事項ニ関スル鑑定其ノ他ノ事務」が、これに該当するものであること。

 
 平成11年1月29日基発第45号

第八 裁量労働制(法第三八条の四関係)
一 趣旨
 経済社会の構造変化や労働者の就業意識の変化等が進む中で、活力ある経済社会を実現していくためには、事業活動の中枢にある労働者が創造的な能力を十分に発揮し得る環境づくりをすることが必要である。また、労働者の側にも、自らの知識、技術や創造的な能力をいかし、仕事の進め方や時間配分に関し主体性をもって働きたいという意識が高まっており、こうした状況に対応した新たな働き方のルールを設定することが重要である。
 このような考え方から、事業運営上の重要な決定が行われる企業の本社等の中枢部門において企画、立案、調査及び分析を行う事務系労働者であって、業務の遂行手段や時間配分を自らの裁量で決定し使用者から具体的な指示を受けない者を対象とする新たな裁量労働制を設けることとしたものであること。
二 対象事業場
 事業運営上の重要な決定が行われる事業場とは、企業の事業運営に関して重要な決定が行われる事業場であること。
 具体的には、本社、本店のほかに、常駐する役員の統括管理の下に事業運営上の重要な決定の一部を行う権限を分掌する地域本社、事業本部、地域を統括する支社・支店などをいうものであること。
三 労使委員会
 労使委員会は、労働条件に関する事項を調査審議等することを目的として、上記二の事業場に設置するものであること。
 当該委員会については、当該事業場の労働者を代表する者(過半数労働組合(過半数労働組合がない場合は事業場の労働者の過半数を代表する者(以下「過半数代表者」という。))に任期を定めて指名され、事業場の労働者の過半数の信任を得ている者)が委員の半数以上であること、設置について労働基準監督署長に届け出ていること、議事録を作成、保存するとともに、労働者に周知していること等の要件を満たす必要があるものであること。
四 決議事項
 労使委員会で決議することが必要な事項は以下のとおりであること。
① 企画、立案、調査及び分析の業務であって遂行手段等に関し使用者が具体的指示をしないこととする業務(対象業務)
② 対象労働者の具体的な範囲
③ 労働時間として算定される時間
④ 対象労働者の労働時間の状況に応じた当該労働者の健康及び福祉を確保するための措置
⑤ 対象労働者からの苦情の処理に関する措置
⑥ 対象労働者の同意を得なければならないこと及び同意をしなかった労働者に対して不利益な取扱いをしてはならないこと
⑦ ①から⑥までに掲げるもののほか、命令で定める事項
 なお、労働大臣は、対象業務、対象労働者の具体的範囲等について指針を告示で定め、これを公表するものとされているものであること。
五 対象業務
 対象業務は、事業の運営についての企画、立案、調査及び分析の業務であって、当該業務の性質上これを適切に遂行するにはその遂行の方法を大幅に労働者の裁量にゆだねる必要があるため、当該業務の遂行の手段及び時間配分の決定等に関し使用者が具体的な指示をしないこととする業務であること。したがって、いわゆるホワイトカラーの業務すべてがこれに該当することとなるものではないものであること。
六 定期報告
 使用者は、定期的に対象労働者の労働時間の状況に応じた当該労働者の健康及び福祉を確保するための措置の実施状況等を労働基準監督署長に報告しなければならないものであること。
七 その他
 関連する省令、告示については、制定後、おって通知すること。

 
 平成15年10月22日基発第1022001号

第3 裁量労働制(法第38条の3、法第38条の4関係)
1 専門業務型裁量労働制(法第38条の3関係)
(1) 趣旨
 専門業務型裁量労働制の適用を受けている労働者について、健康上の不安を感じている労働者が多い等の現状があることから、裁量労働制が働き過ぎにつながることのないよう、専門業務型裁量労働制についても、企画業務型裁量労働制と同様に、労使協定により健康・福祉確保措置及び苦情処理措置の導入を必要とすることとしたものであること。
(2) 健康・福祉確保措置及び苦情処理措置の具体的内容
 健康・福祉確保措置及び苦情処理措置の具体的な内容については、企画業務型裁量労働制における同措置の内容と同等のものとすることが望ましいものであること。
(3) 記録の保存(則第24条の2の2関係)
 本制度において、健康・福祉確保措置及び苦情処理措置を必要とすることとしたことに伴い、使用者に対して、制度の対象となる労働者の労働時間の状況及び当該労働者の健康・福祉を確保するための措置として講じた措置、制度の対象となる労働者からの苦情の処理に関する措置に係る記録の保存を要することとしたものであること。
(4) 労使協定の様式の改正(則様式第13号関係)
 本制度において、労使協定により健康・福祉確保措置及び苦情処理措置を必要とすることとしたことに伴い、労使協定の様式に「労働者の健康及び福祉を確保するために講ずる措置」及び「労働者からの苦情の処理に関して講ずる措置」の欄を追加したものであること。
(5) 労使協定の有効期間
 労使協定の有効期間については、不適切に制度が運用されることを防ぐため、3年以内とすることが望ましいものであること。
2 企画業務型裁量労働制(法第38条の4関係)
(1) 趣旨
 企画業務型裁量労働制は、労働者が主体的に多様な働き方を選択できる可能性を拡大するために、その選択肢の一つとして導入されたものであるが、今回の改正においては、この制度がより有効に機能するよう、その導入に当たって、労使の十分な話合いを必要とすること等の制度の基本的な枠組みは維持しつつ、同制度の導入・運用についての要件・手続を緩和したものであること。
(2) 対象事業場
 今回の法改正により、企画業務型裁量労働制を実施することができる事業場は、事業運営上の重要な決定が行われる事業場に限定されないこととなったところであるが、いかなる事業場においても企画業務型裁量労働制を実施することができるということではなく、対象業務が存在する事業場(以下「対象事業場」という。)においてのみ企画業務型裁量労働制を実施することができるものであること。
 また、企画業務型指針第2の対象事業場とは、留意事項として、その具体例を掲げているものであり、企画業務型裁量労働制を実施するためには、あくまで対象業務の要件を満たすことが必要であること。
(3) 対象業務
 法第38条の4第1項第1号の「事業の運営に関する事項」とは、企画業務型指針第3の1の(1)のイに記載のとおり、
① 対象事業場の属する企業等に係る事業の運営に影響を及ぼす事項
② 当該事業場に係る事業の運営に影響を及ぼす独自の事業計画や営業計画
をいい、対象事業場における事業の実施に関する事項が直ちにこれに該当するものではなく、例えば、次のように考えられるものであること。
ア 該当する業務の例
(ア) ①に該当する例
a 本社・本店である事業場においてその属する企業全体に係る管理・運営とあわせて対顧客営業を行っている場合、当該本社・本店である事業場の管理・運営を担当する部署において策定される当該事業場の属する企業全体の営業方針
b 事業本部である事業場における当該事業場の属する企業等が取り扱う主要な製品・サービス等についての事業計画
c 地域本社や地域を統轄する支社・支店等である事業場における、当該事業場の属する企業等が事業活動の対象としている主要な地域における生産、販売等についての事業計画や営業計画
d 工場等である事業場において、本社・本店である事業場の具体的な指示を受けることなく独自に策定する、当該事業場の属する企業等が取り扱う主要な製品・サービス等についての事業計画
(イ) ②に該当する例
a 支社・支店等である事業場において、本社・本店である事業場の具体的な指示を受けることなく独自に策定する、当該事業場を含む複数の支社・支店等である事業場に係る事業活動の対象となる地域における生産、販売等についての事業計画や営業計画
b 支社・支店等である事業場において、本社・本店である事業場の具体的な指示を受けることなく独自に策定する、当該事業場のみに係る事業活動の対象となる地域における生産、販売等についての事業計画や営業計画
(ウ) なお、「本社・本店である事業場の具体的な指示を受けることなく独自に策定する」とは、
a 支社・支店等である事業場の属する企業等が取り扱う主要な製品・サービス等の事業計画について広範な裁量が当該事業場に認められており、その広範な裁量の下で、当該事業場がその属する企業等に係る事業の運営に影響を及ぼす事項についての事業計画を策定している場合、又は、
b 支社・支店等である事業場に係る事業活動の対象となる地域における生産、販売等に係る事業計画や営業計画について広範な裁量が当該事業場に認められており、その広範な裁量の下で、当該事業場に係る事業の運営に影響を及ぼす独自の事業計画や営業計画を策定している場合
をいうものであること。
イ 該当しない業務の例
(ア) ①に該当しない例
a 本社・本店である事業場の対顧客営業を担当する部署に所属する個々の営業担当者が担当する営業
b 工場等である事業場における個別の製造等の作業や当該作業に係る工程管理
(イ) ②に該当しない例
支社・支店等である事業場において、本社・本店又は支社・支店等である事業場の具体的な指示を受けて行う個別の営業活動
(4) 健康・福祉確保措置
ア 今回の企画業務型指針の改正により、健康・福祉確保措置の例として、企画業務型指針第3の4の4の(2)のハの(へ)に産業医等による助言・指導等を追加したこと。これは、使用者は、裁量労働制対象労働者についても、健康確保の責務があるものであることを踏まえ、把握した対象労働者の勤務状況及びその健康状態に応じて、必要な場合に当該措置を行うことが考えられるものであること。
イ 企画業務型指針第3の4の4の(2)のニに規定する「必要な見直し」とは、例えば、対象労働者への企画業務型裁量労働制の適用を除外することが考えられるものであること。
(5) 決議の有効期間
 労使委員会の決議の有効期間については、その期間を当分の間1年以内に限るとしていた暫定措置を廃止したが、今後とも、不適切に制度が運用されることのないように、その有効期間については、3年以内とすることが望ましいものであること。
(6) 決議届の様式の改正(則様式第13号の2関係)
 今回の法改正により、労働基準監督署長に対する労使委員会の設置についての届出が廃止されることに伴い、同届出の様式の記載事項のうち、決議の届出に際して引き続き把握することが必要な事項について、労働基準監督署長に対する労使委員会の決議についての届出の様式に追加したものであること。
(7) 労働基準監督署長への報告(則様式第13号の4及び則第24条の2の5関係)
ア 報告様式の改正
 今回の法改正に伴い、報告の様式のうち「労働者からの苦情の処理に関する措置の実施状況」及び「労使委員会の開催状況」の欄を削除したものであること。
イ 報告事項
 使用者の報告する事項は、次のとおりであること。
(ア) 対象労働者の労働時間の状況
 対象労働者について4号決議事項として把握した時間のうち、平均的なもの及び最長のものの状況を報告すること。また、対象労働者の労働時間の状況を実際に把握した方法を具体的に報告すること。
(イ) 当該労働者の健康及び福祉を確保するための措置の実施状況
ウ 報告時期
 決議の届出をした使用者は、当面の間、これまでと同様に、決議が行われた日から起算して6箇月以内ごとに1回、則様式第13号の4により、所轄労働基準監督署長に報告をしなければならないものであること。
(8) その他
ア 労使委員会の適正な設置、運営
 企画業務型裁量労働制の導入に当たっては、労使委員会が重要な役割を担っていることにかんがみ、特に労働組合に加入していない労働者が多い中小企業においても、労使委員会が適正に設置、運営される必要があるものであること。
イ 苦情処理措置の適正な実施の確保
 今回の法改正により、苦情処理措置の実施状況については、法第38条の4第4項に基づく行政官庁への報告事項としないこととされたが、苦情処理措置については、引き続き、企画業務型指針第3の5の(2)を踏まえて労使委員会における決議がなされることが必要であるとともに、企画業務型指針第4の4の(2)において「使用者は、労使委員会に対し、(中略)対象労働者からの苦情の内容及びその処理状況等法第38条の4第1項第5号に係る決議に係る苦情処理措置の実施状況(中略)を開示することが適当であることに留意することが必要である」とされていることも踏まえつつ、その適正な実施が図られる必要があるものであること。
ウ 対象労働者の同意
 企画業務型裁量労働制の適用を受けることについての労働者の同意に関しては、従来から、企画業務型指針第3の6の(2)のロにおいて、「対象労働者から当該同意を撤回することを認めることとする場合にはその要件及び手続を決議において具体的に定めることが適当であることに留意することが必要であること」とされているところであり、対象事業場に対して、引き続き、その旨の周知徹底を図るものであること。
エ 省略

 
 平成15年10月22日基発第1022004号

1 改正の趣旨
 専門業務型裁量労働制の対象業務としては、これまで労働基準法施行規則(昭和22年厚生省令第23号。以下「則」という。)第24条の2の2第2項において規定する5業務に、平成9年労働省告示第7号(労働基準法施行規則第24条の2の2第2項第6号の規定に基づき厚生労働大臣の指定する業務を定める件)により追加した6業務及び平成14年厚生労働省告示第22号(労働基準法施行規則第24条の2の2第2項第6号の規定に基づき厚生労働大臣の指定する業務の一部を改正する件)により追加した8業務を規定しているところであるが、今般、前回の告示制定以後に生じた状況の変化等を踏まえ、新たに大学における教授研究の業務(主として研究に従事するものに限る。)を追加するものであること。
2 改正の内容
 「学校教育法(昭和22年法律第26号)に規定する大学における教授研究の業務(主として研究に従事するものに限る。)」を専門業務型裁量労働制の対象業務に追加することとすること。
 当該業務は、学校教育法に規定する大学の教授、助教授又は講師の業務をいうものであること。
 「教授研究」とは、学校教育法に規定する大学の教授、助教授又は講師が、学生を教授し、その研究を指導し、研究に従事することをいうものであること。患者との関係のために、一定の時間帯を設定して行う診療の業務は含まれないものであること。
 「主として研究に従事する」とは、業務の中心はあくまで研究の業務であることをいうものであり、具体的には、講義等の授業の時間が、多くとも、1週の所定労働時間又は法定労働時間のうち短いものについて、そのおおむね5割に満たない程度であることをいうものであること。
 なお、患者との関係のために、一定の時間帯を設定して行う診療の業務は教授研究の業務に含まれないことから、当該業務を行う大学の教授、助教授又は講師は専門業務型裁量労働制の対象とならないものであること。
3 その他
(1) 学校教育法に規定する大学の助手については、専ら人文科学又は自然科学に関する研究の業務に従事する場合には、則第24条の2の2第2項第1号に基づき、専門業務型裁量労働制の対象となるものであること。
(2) 改正告示及び本通達については、平成16年1月1日からの円滑な施行に向けて、改正労働基準法の周知と合わせ、その内容をリーフレット等を活用して、各種集団指導等により十分周知すること。

 
 平成19年4月2日基監発第0402001号

 学校教育法(昭和22年法律第26号)の一部改正法が、平成19年4月1日より施行され、大学に置かなければならない職として、同法第58条において助教授に代えて「准教授」を設け、また、「助教」を新設することとされ、各職務内容について規定されたところであるが、新設された「助教」等の労働実態が明らかになるまでの間、平成15年10月22日付け基発第1022004号「労働基準法施行規則第24条の2の2第2項第6号の規定に基づき厚生労働大臣の指定する業務を定める告示の一部を改正する告示の適用について」(以下「局長通達」)の運用に当たっては、以下によることとするので、遺漏なきを期されたい。
 
 記
 
1 准教授について
 准教授は、局長通達記の2の「助教授」に該当するものと考えられるので、労働基準法施行規則第24条の2の2第2項第6号の規定に基づき厚生労働大臣の指定する業務を定める告示の一部を改正する告示第7号「学校教育法(昭和22年法律第26号)に規定する大学における教授研究の業務(主として研究に従事するものに限る。)」として専門業務型裁量労働制の対象業務として取り扱うこと。
 
2 助教について
 助教は、専ら人文科学又は自然科学に関する研究の業務に従事すると判断できる場合は、労働基準法施行規則第24条の2の2第2項第1号の業務のうち「人文科学又は自然科学に関する研究の業務」として専門業務型裁量労働制の対象業務と取り扱うこと。
 なお、この場合において「助教」は、教授の業務を行うことができることになっていることから、その時間が、一週の所定労働時間又は法定労働時間のうち短いものの一割程度以下であり、他の時間においては人文科学又は自然科学に関する研究の業務に従事する場合には、専ら人文科学又は自然科学に関する研究の業務に従事するものとして取り扱って差し支えないものとすること。
  

 第39条 年次有給休暇
 昭和22年9月13日発基第17号

(一) 年次有給休暇は使用者が積極的に与へる義務があることを強調し徹底させること。
(二) 年次有給休暇を放棄し又は年次有給休暇に労働したことを条件として割増賃金その他の手当を支給するのは違法であること。
(三) 規則第二五条第一項但書は労働者の請求する時季を聴く手続を使用者の負担において簡素化するも差し支えない趣旨であること。
(四) 年次有給休暇として休業の日数は本条第一項及び第二項の規定の適用については出勤したものとして取扱うこと。

 
 昭和27年9月20日発基第675号

(一) 本条は、年次有給休暇の賃金について、平均賃金、所定労働時間労働した場合に支払われる通常の賃金又は健康保険法第三条に定める標準報酬日額に相当する金額の三者の選択を認め手続の簡素化を図ったものであること。
(二) 年次有給休暇の賃金の選択は、手続簡素化の見地より認められたものであるから、労働者各人についてその都度使用者の恣意的選択を認めるものではなく、平均賃金と所定労働時間労働した場合に支払われる通常の賃金との選択は、就業規則その他によって予め定めるところにより、又健康保険法第三条に定める標準報酬日額に相当する金額の選択は、法第三六条の時間外労働協定と同様の労使協定を行い年次有給休暇の際の賃金としてこれを就業規則に定めておかなければならないこと。又この選択がなされた場合には、必ずその選択された方法による賃金を支払わなければならないこと。
(三) 所定労働時間労働した場合に支払われる通常の賃金には臨時に支払われた賃金、割増賃金の如く所定時間外の労働に対して支払われる賃金等は算入されないものであること。
(四) 第四項の規定は、計算事務手続の簡素化を図る趣旨であるから、日給者、月給者等につき、所定労働時間労働した場合に支払われる通常の賃金を支払う場合には、通常の出勤をしたものとして取り扱えば足り、規則第二五条の二に定める計算をその都度行う必要はないこと。
(五) 就業規則その他によって所定労働時間労働した場合に支払われる通常の賃金によること。又は労使協定によって健康保険法第三条の標準報酬日額に相当する金額によることが定められるまでは、改正法律附則第三項により従前通り平均賃金を支払わなければならないこと。


 昭和63年1月1日発基第1号

(1) 年次有給休暇の付与日数の引上げ
 年次有給休暇の最低付与日数の一〇日への引上げは平成六年四月一日以降の最初の基準日から、適用されるものであること。
(2) 所定労働日数が少ない労働者に対する年次有給休暇の比例付与
イ 趣旨
 所定労働日数が通常の労働者と比べて少ない労働者に対しても、六箇月以上継続勤務し、全労働日の八割以上出勤した場合には、所定労働日数に応じた年次有給休暇を付与することが、通常の労働者との均衡上からも妥当であること、所定労働日数が少ない労働者についても、有給休暇がなければ連続した休みをとることができないこと等にかんがみ、所定労働日数が少ない労働者に対して、年次有給休暇の比例付与を行うこととしたものであること。
ロ 削除
(3) 年次有給休暇の労使協定による計画的付与
イ 趣旨
 我が国における年次有給休暇の取得率が、完全取得が原則である欧米諸国と比べてきわめて低い水準にとどまっていることにかんがみ、年次有給休暇の取得率を向上させ、労働時間短縮を推進するためには、職場において、労働者が自己の業務を調整しながら、気がねなく年次有給休暇を取得できることとすることが有効であることから、労働者の個人的事由による取得のために一定の日数を留保しつつ、これを超える日数については、労使協定による計画的付与を認めることとしたものであること。
ロ 計画的付与の方法
 年次有給休暇の労使協定による計画的付与は、労使協定により年次有給休暇を与える時期に関する定めをしたときは、法第三九条第四項の規定にかかわらず、その定めにより年次有給休暇を与えることができるものであること。
年次有給休暇の計画的付与の方式としては、①事業場全体の休業による一斉付与方式、②班別の交替制付与方式、③年次有給休暇付与計画表による個人別付与方式等が考えられるが、それぞれの場合に労使協定において定められるべき事項としては、次のものが考えられるものであること。
① 事業場全体の休業による一斉付与の場合には、具体的な年次有給休暇の付与日
② 班別の交替制付与の場合には、班別の具体的な年次有給休暇の付与日
③ 年次有給休暇付与計画表による個人別付与の場合には、計画表を作成する時期、手続等
 なお、特別の事情により年次有給休暇の付与日があらかじめ定められることが適当でない労働者については、年次有給休暇の計画的付与の労使協定を結ぶ際、計画的付与の対象から除外することも含め、十分労使関係者が考慮するよう指導すること。
ハ 計画的付与の対象日数
 労使協定による計画的付与の対象となるのは、年次有給休暇の日数のうち、個人的事由による取得のために留保される五日を超える部分であること。
 なお、年次有給休暇の日数が足りない、あるいはない労働者を含めて年次有給休暇を計画的に付与する場合には、付与日数を増やす等の措置が必要なものであること。
(4) 年次有給休暇の取得に伴う不利益取扱い
 精皆勤手当及び賞与の額の算定等に際して、年次有給休暇を取得した日を欠勤として、又は欠勤に準じて取り扱うことその他労働基準法上労働者の権利として認められている年次有給休暇の取得を抑制するすべての不利益な取扱いはしないようにしなければならないものであること。
 年次有給休暇の取得に伴う不利益取扱いについては、従来、①年休の取得を抑制する効果を持ち、法第三九条の精神に反するものであり、②精皆勤手当や賞与の減額等の程度によっては、公序良俗に反するものとして民事上無効と解される場合もあると考えられるという見地に立って、不利益な取扱いに対する是正指導を行ってきたところであるが、今後は、労働基準法上に明定されたことを受けて、上記趣旨を更に徹底させるよう指導を行うものとすること。

 
 平成6年1月4日基発第1号

5 年次有給休暇
(1) 初年度における継続勤務要件の短縮
イ 趣旨
 年次有給休暇の継続勤務要件は法制定当初から現在にいたるまで一年間とされていたが、若年労働者の年次有給休暇に対する希望が強いこと、労働力の流動化が進展していること等をかんがみ、初年度における継続勤務要件を一年から六箇月に短縮したものであること。これに伴い、六箇月以後の有給休暇についてもそれぞれ短縮され、一年六箇月、二年六箇月……一〇年六箇月にそれぞれ一一日、一二日……二〇日が付与されるものであること。
ロ 新しい継続勤務要件の改正の適用に当たっての経過措置
 新しい継続勤務要件の改正規定は、六箇月を超えて継続勤務する日が平成六年四月一日以後である労働者について適用し、それ以前に六箇月を超えて継続勤務している労働者(平成五年九月三〇日以前に雇い入れられた者)については、改正前の規定を適用することとしたものであること。
 また、改正規定の適用を受ける労働者のうち、四月一日前に雇い入れられた者については、改正前の規定の適用者との均衡を考慮して、一律四月一日に雇い入れられたものとして取り扱うこととしたものであること。
(2) 削除
(3) 年次有給休暇の斉一的取扱い
(1)の年次有給休暇について法律どおり付与すると年次有給休暇の基準日が複数となる等から、その斉一的取扱い(原則として全労働者につき一律の基準日を定めて年次有給休暇を与える取扱いをいう。)や分割付与(初年度において法定の年次有給休暇の付与日数を一括して与えるのではなく、その日数の一部を法定の基準日以前に付与することをいう。)が問題となるが、以下の要件に該当する場合には、そのような取扱いをすることも差し支えないものであること。
イ 斉一的取扱いや分割付与により法定の基準日以前に付与する場合の年次有給休暇の付与要件である八割出勤の算定は、短縮された期間は全期間出勤したものとみなすものであること。
ロ 次年度以降の年次有給休暇の付与日についても、初年度の付与日を法定の基準日から繰り上げた期間と同じ又はそれ以上の期間、法定の基準日より繰り上げること。(例えば、斉一的取扱いとして、四月一日入社した者に入社時に一〇日、一年後である翌年の四月一日に一一日付与とする場合、また、分割付与として、四月一日入社した者に入社時に五日、法定の基準日である六箇月後の一〇月一日に五日付与し、次年度の基準日は本来翌年一〇月一日であるが、初年度に一〇日のうち五日分について六箇月繰り上げたことから同様に六箇月繰り上げ、四月一日に一一日付与する場合などが考えられること。)
(4) 年次有給休暇の付与要件である八割出勤要件
 法第三九条第一項は六箇月継続勤務に対する年次有給休暇の付与を規定し、その際の当該期間における八割出勤を要件としている。一方、同条第二項においては一年六箇月以上継続勤務に対する年次有給休暇の付与を規定するとともに、継続勤務年数に応じた加算日数を規定しているものであり、「(当該労働者が全労働日の八割以上出勤した一年に限る。)」との規定は当該年に有給休暇を付与するか否かを判断することを明示的に規定するものであって、加算要件は意味せず、従来(昭和二二年一一月二六日基発第三八九号)と同様であること。例えば、六箇月目八割以上、六箇月から一年六箇月に八割未満、一年六箇月から二年六箇月に八割以上出勤者に対しては、二年六箇月継続勤務で一二日の有給休暇を付与するものであること。
(5) 育児休業をした期間の取扱い
 従来、育児休業等に関する法律(平成三年法律第七六号)第二条第一項に規定する育児休業をした期間については、年次有給休暇の算定基礎となる全労働日に含まないとしてきたが、今般の法改正において、当該期間については出勤率の算定上出勤したものとみなすこととしたものであること。

 
 平成21年10月5日基発1005第1号

第4 時間単位年休(法第39条第4項及び第7項関係)
〈年の途中で所定労働時間数の変更があった場合〉
問 年の途中で所定労働時間数の変更があった場合、時間単位年休の時間数はどのように変わるのか。時間単位の端数が残っていた場合はどのようになるのか。
答 時間単位年休として取得できる範囲のうち、1日に満たないため時間単位で保有している部分については、当該労働者の1日の所定労働時間の変動に比例して時間数が変更されることとなる。
例えば、所定労働時間が8時間から4時間に変更され、年休が3日と3時間残っている場合は、3日と3/8日残っていると考え、以下のとおりとなる。
【変更前】3日(1日当たりの時間数は8時間)と3時間
【変更後】3日(1日当たりの時間数は4時間)と2時間(比例して変更すると1.5時間となるが、1時間未満の端数は切り上げる)

 
 平成25年7月10日基発0710第3号

第1 法第39条関係<出勤率の基礎となる全労働日>を次のように改める。
<出勤率の基礎となる全労働日>
 年次有給休暇の請求権の発生について、法第三十九条が全労働日の八割出勤を条件としているのは、労働者の勤怠の状況を勘案して、特に出勤率の低い者を除外する立法趣旨であることから、全労働日の取扱いについては、次のとおりとする。
1 年次有給休暇算定の基礎となる全労働日の日数は就業規則その他によって定められた所定休日を除いた日をいい、各労働者の職種が異なること等により異なることもあり得る。
したがって、所定の休日に労働させた場合には、その日は、全労働日に含まれないものである。
2 労働者の責に帰すべき事由によるとはいえない不就労日は、3に該当する場合を除き、出勤率の算定に当たっては、出勤日数に算入すべきものとして全労働日に含まれるものとする。
 例えば、裁判所の判決により解雇が無効と確定した場合や、労働委員会による救済命令を受けて会社が解雇の取消しを行った場合の解雇日から復職日までの不就労日のように、労働者が使用者から正当な理由なく就労を拒まれたために就労することができなかった日が考えられる。
3 労働者の責に帰すべき事由によるとはいえない不就労日であっても、次に掲げる日のように、当事者間の衡平等の観点から出勤日数に算入するのが相当でないものは、全労働日に含まれないものとする。
(一) 不可抗力による休業日
(二) 使用者側に起因する経営、管理上の障害による休業日
(三) 正当な同盟罷業その他正当な争議行為により労務の提供が全くなされなかった日
第2 法第39条関係<全労働日が零となる場合の年次有給休暇>を削る。


 第41条 労働時間等に関する規定の適用除外
 昭和22年9月13日発基第17号

(一) 監督又は管理の地位に存る者とは、一般的には局長、部長、工場長等労働条件の決定、その他労務管理について経営者と一体的な立場に在る者の意であるが、名称にとらわれず出社退社等について厳格な制限を受けない者について実体的に判別すべきものであること。
(二) 機密の事務を取り扱う者とは秘書その他職務が経営者又は監督若しくは管理の地位に在る者の活動と一体不可分であって、出社退社等についての厳格な制限を受けない者であること。
(三) 監視に従事する者は原則として一定部署に在つて監視するのを本来の業務とし常態として身体又は精神緊張の少いものの意であり、その許可は概ね次の基準によって取り扱うこと。
(1) 火の番、門番、守衛、水路番、メーター監視等の如きものは許可すること。
(2) 犯罪人の看視、交通関係の監視等精神緊張の著しく高いものは許可しないこと。
(四) 断続的労働に従事する者とは、休憩時間は少いが手持時間が多い者の意であり、その許可は概ね次の基準によって取扱うこと。
(1) 修繕夫の如く通常は業務困難であるが事故発生に備へて待期するものは許可すること。
(2) 貨物の積卸に従事する者寄宿舎の賄人等については、作業時間と手持時間折半の程度迄許可すること。
(3) 鉄道踏切番の如きものについては一日交通量十往復程度迄許可すること。
(4) 汽罐夫その他特に危険な業務に従事する者については許可しないこと。
(五) 規則第二三条は常態として殆んど労働する必要のない勤務のみを認める趣旨であるから、その許可は概ね次の基準によって取り扱うこと。
(1) 原則として通常の労働の継続は許可せず定時的巡視、緊急の文書又は電話の収受、非常事態発生の準備等を目的とするものに限って許可すること。
(2) 宿直、日直共相当の手当の支給、宿直については相当の睡眠設備を条件として許可すること。
(六) 本条による者についても深夜業についての規定の適用はこれを排除しないこと。


 第57条 年少者の証明書
 昭和50年2月17日発基第83号婦発第40号

 労働基準法第五七条に定める年少者の年齢証明書については、戸籍謄(抄)本又は年少者の姓名及び生年月日を記載して本籍地を管轄する地方自治体の長が証明したもののほか、昭和四三年一〇月四日付け基発第六三六号。婦発第三二六号通達により、使用者が住民基本台帳法(昭和四二年法律第八一号)による住民票の写しを備えている場合には労働基準法第五七条違反としては取り扱わなくても差し支えないものとしているところであるが、今後は、これらに代えて、住民基本台帳法第七条第一号(氏名)及び第二号(出生の年月日)の事項についての証明がなされている「住民票記載事項の証明書」を備えれば足りること。なお、「住民票記載事項の証明書」(証明願)の書式については、別紙1を参考とされたい。また、その取扱いについては、昭和四三年三月二六日付け自治振第四一号「住民基本台帳法に関する質疑応答集について」(自治省行政局振興課長から各都道府県総務部長あて通知)の間一三(別紙2参照)にその見解が示されているので念のため。


 第60条 年少者の労働時間及び休日
 平成6年1月4日基発第1号

9 年少者の労働時間
 年少者については一箇月単位の変形労働時間制、フレックスタイム制、一年単位の変形労働時間制及び一週間の非定型的変形労働時間制の規定は適用されないが、満一五歳以上満一八歳に満たない者についても四〇時間制に向けた猶予対象事業における各種の週休二日制に対応する必要性があること、一年単位の変形労働時間制は年間単位の休日管理による休日増を図る趣旨であり、当該年少者においても労働条件の低下を来さないことから、これらの者について、一週間について四八時間、一日について八時間を超えない範囲内において一箇月単位の変形労働時間制(法第三二条の二)又は一年単位の変形労働時間制(法第三二条の四)の規定の例により労働させることができるものであること。その際、一年単位の変形労働時間制の適用を行う場合は通常の労働者の場合と同様に労使協定の締結が必要であることに留意すること。


 第61条 年少者の深夜業
 平成16年11月22日基発第1122001号/16文科初第827号/

 「労働基準法第61条第5項の規定により読み替えられた同条第2項に規定する厚生労働大臣が必要であると認める場合及び期間について」


 第65条 産前産後
 昭和22年9月13日発基第17号

 第六五条第三項は原則として女子が請求した業務に転換させる趣旨であること。


 第77条 障害補償
 平成23年2月1日基発201001号

 労働基準法施行規則及び労働者災害補償保険法施行規則の一部を改正する省令(平成23年厚生労働省令第13号。以下「改正省令」という。)により、労働基準法施行規則(昭和22年厚生省令第23号。以下「労基則」という。)別表第2及び労働者災害補償保険法施行規則(昭和30年労働省令第22号。以下「労災則」という。)別表第1の一部が改正されたので、下記に留意の上、その施行に遺漏なきを期されたい。
1 改正の内容
外貌の醜状障害については、労基則別表第2及び労災則別表第1において、女性については第7級又は第12級、男性については第12級又は第14級に区分されていたが、これについて、男女差の解消を図るため、女性の等級を基本として男性の等級を引き上げるとともに、医療技術の進展を踏まえ、新たに第9級として「外貌に相当程度の醜状を残すもの」を加えることとしたこと。
2 経過措置等
(1) 労基則の一部改正に伴う経過措置について(改正省令附則第2条関係)
改正省令による改正後の労基則別表第2の規定は、改正省令の施行日(平成23年2月1日。以下「施行日」という。)以降にその事由が生じた労働基準法(昭和22年法律第49号)に基づき使用者が行う障害補償について適用されること。
(2) 労災則の一部改正に伴う経過措置について(改正省令附則第3条第1項及び第2項関係)
改正省令による改正後の労災則別表第1の規定は、施行日以降にその支給事由が生じた労働者災害補償保険法(昭和22年法律第50号。以下「労災保険法」という。)に基づく障害補償給付又は障害給付(以下「障害補償給付等」という。)の支給について適用されること。また、遺族補償給付又は遺族給付(以下「遺族補償給付等」という。)の支給についても同様であり、施行日以降に遺族補償給付等の支給事由が生じた場合における遺族の障害状態の評価については、改正省令による改正後の労災則別表第1により行うこと。
(3) 障害補償給付等に関する遡及適用について(改正省令附則第3条第3項関係)
施行日前に生じた障害補償給付等の支給事由に係る障害であって、改正省令による改正前の労災則別表第1第12級第13号又は第14級第10号に該当するもの(平成22年6月10日前に障害補償給付等に関する決定を受けた者に係るものを除く。)については、(2)にかかわらず、当該障害に係る障害補償給付等の支給事由が生じた日から、改正省令による改正後の労災則別表第1の規定を適用することとしたこと。
したがって、平成22年6月10日以降施行日の前日までに改正省令による改正前の労災則別表第1第12級第13号又は第14級第10号に該当する障害を有する者として障害補償給付等の支給決定を行った者については、当該決定を取り消し、改正省令による改正後の労災則別表第1第7級第12号、第9級第11の2号又は第12級第14号に該当する障害を有する者として、支給事由発生日まで遡って、新たに支給決定を行うこと。また、施行日前に障害補償給付等の支給事由が生じた者(改正省令による改正前の労災則別表第1第12級第13号又は第14級第10号に該当する障害を有する者に限る。)について、施行日以降に障害補償給付に関する支給決定を行う場合にあっても、同様に、改正省令による改正後の労災則別表第1が適用されるものであること。
(4) 遺族補償給付等に関する遡及適用について(改正省令附則第3条第4項関係)
施行日前に生じた労働者の業務上の事由又は通勤による死亡について、遺族補償給付又は遺族給付(以下「遺族補償給付等」という。)が支給される場合であって、当該労働者の遺族に、改正省令による改正前の労災則別表第1第12級第13号又は第14級第10号に該当する障害を有する者があるとき(当該死亡に関し、平成22年6月10日前に遺族補償給付等に関する決定を受けたときを除く。)における当該遺族の障害状態の評価については、(2)にかかわらず、改正省令による改正後の労災則別表第1の規定を適用することとしたこと。
したがって、平成22年6月10日以降施行日の前日までに遺族補償給付等の支給決定を行った事案について、遺族の障害の状態を再度調査し、改正省令による改正前の労災則別表第1第12級第13号又は第14級第10号に該当する障害を有する者がある場合は、改正省令による改正後の労災則別表第1によりその障害の状態を改めて評価し、必要に応じて、受給権者又は受給額の変更等を行うこと。また、施行日前に遺族補償給付等の支給事由が生じ、施行日以降に遺族補償給付等の支給決定を行う場合であって、遺族に改正省令による改正前の労災則別表第1第12級第13号又は第14級第10号に該当する障害を有する者があるときにあっても、改正省令による改正後の労災則別表第1により当該遺族の障害の状態を評価するものであること。
3 特別支給金の取扱い
労働者災害補償保険特別支給金支給規則(昭和49年労働省令第30号)に基づく障害特別支給金、障害特別年金若しくは障害特別一時金又は遺族特別支給金、遺族特別年金若しくは遺族特別一時金については、2の労災保険法に基づく保険給付の取扱いと同様の取扱いとなるものであること。


 第89条 作成及び届出の義務
 平成15年10月22日基発第1022001号

3 就業規則の記載事項(法第89条関係)
(1) 趣旨
 解雇をめぐる紛争を未然に防止する観点から、就業規則の絶対的必要記載事項である「退職に関する事項」には「解雇の事由」が含まれることを法律上明らかにしたものであること。
(2) 受理時の相談・援助
 労働基準監督署における就業規則の届出の受理に当たっては、解雇の事由ができる限り明確に記載されるよう、モデル就業規則を活用すること等により、使用者に対して必要な相談・援助を行うものであること。

 
 平成25年4月4日基発0404第1号

 労働基準法(昭和22年法律第49号。以下「法」という。)第89条に規定する就業規則及び法第95条に規定する寄宿舎規則(以下「就業規則等」という。)の電子媒体による届出については、平成11年3月18日付け基発第125号「労働基準法第89条に規定する就業規則の電子媒体による届出について」(以下「125号通達」という。)及び平成13年3月22日付け基発第163号「労働基準法第95条に規定する寄宿舎規則の電子媒体による届出について」(以下「163号通達」という。)により取り扱ってきたところであるが、平成25年度の労働基準行政情報システム・労災行政情報管理システムのハードウェアの更改に伴い、次期ハードウェアではフロッピーディスクが使用できなくなる等の変更を行うため、平成25年4月27日より、就業規則等の電子媒体による届出については、下記のとおり取り扱うこととするので、遺漏なきを期されたい。
 なお、125号通達及び163号通達は、平成25年4月26日をもって廃止する。
1 就業規則等の届出として受理する電子媒体は、以下のいずれの要件も満たすものであること。
(1) 電子媒体の種類
電子媒体は、再生専用形コンパクトディスク(以下「CD―ROM」という。)、書込可能形コンパクトディスク(以下「CD―R」という。)、リライタブル光ディスク(以下「CD―RW」という。)、DVD―レコータブルディスク(以下「DVD―R」という。)又はDVD―リレコータブルディスク(以下「DVD―RW」という。)であること。
(2) 電子媒体のフォーマット
CD―ROM、CD―R、CD―RW、DVD―R又はDVD―RWのフォーマットは、WindowsXP、WindowsVista及びWindows7上で動作できるISO9660、UDFブリッジ、UDF1.02、UDF1.5、UDF2.0又はUDF2.01フォーマットのものであること。
(3) 電子媒体の文書形式
原則としてHTML形式とすること。
2 就業規則等の届出に対して添付する法第90条第2項に定める意見書及び法第95条第3項に定める同意書は、従来どおり書面によらなければならないこと。


 第91条 制裁規定の制限
 昭和22年9月13日発基第17号

 就業規則に定めるの制裁は減給に限定されるものでなく、その他譴責出動停止即時解雇等も制裁の原因たる事案が公序良俗に反しない限り禁止する趣旨でないこと。


第104条 監督機関に対する申告
 平成23年12月28日基発第1228005号

 
標記については、昨年実施された労働基準監督業務に係る省内事業仕分けにおいて、「事務・事業の改革」の項目の1つとして、「厚生労働省HPで法令違反事業場の情報をメールで受付」することとした改革案を示し、了承されたところである。
これを受け、厚生労働省ホームページにおいて労働基準関係情報メール窓口(以下「メール窓口」という。)を平成23年11月1日から開設し、試行的に運用してきたところであるが、メールを直接各局に送信するなど手続を一部変更した上で、下記のとおり本格的な運用を行うこととしたので、適切な運用に遺憾なきを期されたい。
1 メール窓口開設の趣旨
メール窓口は、労働基準監督機関が、労働基準関係法令に違反していると考えられる事業場の情報を把握するための新たな手法として開設するものであること。
2 メール窓口の本格運用開始日
平成24年1月4日とする。
3 情報メールの処理
労働者等の情報提供者から当該メール窓口に寄せられたメール(以下「情報メール」という。)の処理については、以下のとおりとすること。
(1) 厚生労働省ホームページ上にある別添「労働基準関係情報メール窓口」の画面で入力された情報は、メールにより「会社(支店・工場等)所在地」を管轄する都道府県労働局(以下「管轄局」という。)労働基準部監督課に送信される。
(2) 情報メールを受信した管轄局は、「会社(支店・工場等)所在地」を管轄する労働基準監督署(以下「管轄署」という。)に、当該情報メールについて情報提供する。
(3) 情報提供を受けた管轄署は、当該情報メールの情報について、監督指導業務等に適切に活用する。


 第106条 法令等の周知義務
 平成9年10月20日基発第680号

 以下の要件のいずれも満たし、各労働者が就業規則等の内容を事業場内に設置するパーソナルコンピュータ等の電子機器から電子的データとして取り出し、必要なときに容易に確認できるときは、本条にいう就業規則等の周知義務の要件を満たすものとして取り扱うこと。
一 各労働者に、就業規則等を電子的データとして取り出すことができるよう、電子機器の操作の権限が与えられていること。
二 事業場における各労働者に対して、必要なときに就業規則等の内容を容易に確認できるよう、電子機器から電子的データを取り出す方法が周知されていること。








代表者:重本 由宇
経済産業省登録:中小企業診断士
社会保険労務士(有資格者)


〒152-0001
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