新たに評価制度を導入したときなどに、「ただでさえ忙しいのに余計な仕事を増やして…」とネガティブに受け止める管理者が少なからずいる。
確かに評価というのは一定の労力が必要となる。評価シートの作成やフィードバック面談、目標管理を導入していれば目標設定面談にも時間は取られる。それだけでなく、納得のいく評価をするためには、これまで以上に部下の様子を観察しなければならない。程度の差はあれ、「そんなヒマはない!」というのが管理者の本音ではないだろうか。
気持ちはわかるが、それは誤った認識である。評価は管理者の余計な仕事ではなく、むしろ中核となる仕事である。これについて、人事評価というものを管理者のマネジメントの観点から考えてみたい。
前提としてマネジメントとは何かだが、一般的に「組織目標を達成するために、ヒト・モノ・カネ・情報などの資源を効果的に活用していくこと」と言われる。ここでいう組織目標とは、会社の目標であり、そこから降ろされた各部署の目標である。これを達成していくことが管理者の使命・役割となる。そして、目標達成に向けて資源を有効活用していくには、計画的に進める必要がある。つまり、PDCAのマネジメントサイクルを回していくということだ。
具体的には、プランでは「やることの確認」をし、ドゥでは「どのようにやっているかの確認」をする。そして、チェック・アクションでは「やったことの確認」をするとともに、結果を検証・フィードバックして次のプランを考えることになる。
これを評価活動に置き換えれば、プランは期首面談での目標設定や能力評価における能力向上課題の設定、ドゥは日常行動の観察や進捗度のチェック、定期的な面談などだ。そして、チェック・アクションは業績評価・能力評価のシート作成と評価フィードバックが該当する。
つまり人事評価というのは管理者のマネジメントの一環、重要な部分を構成するものである。管理者の普段のマネジメントとは全く別のところに人事評価が存在するわけではないのだ。
評価はマネジメントの一環として行うので、管理者の重要な仕事といえる。極論すれば、評価をしない管理者は、マネジメントをしない管理者であり、その職責を全く果たしていない存在ということになる。
そしてもう1つ言えるのは、評価はマネジメントの一環なので、1年を通じて行うということだ。1年が終わって評価シートに点数を付けるだけが評価ではないことを理解したい。人事評価というと、期末にシートへ評点をつける場面をイメージしがちだが、そうではない。期首に目標や課題を設定し、途中で進み具合を見て、期末に結果と次の目標・課題を確認する、その一連の流れ全体が評価活動である。
人事評価は管理者にとって特殊な別の仕事ではないし、まして余計な仕事ではない。普段管理者が行っているマネジメントを、評価制度という共通ルールのもとで、より効果的に行うものであるとの認識が大切である。