フリーアドレスとは、オフィスで社員が固定の座席を持たず、その日の業務や気分に合わせて自由に席を選んで働くスタイルである。
主な目的は、固定席をなくすことで、部署・職種の壁を越えたコミュニケーションの活発化、業務内容に応じた環境選択による生産性向上、スペース効率の最適化によるオフィスコスト削減、社員の自律意識の向上などである。情報サービスやコンサル、広告・デザイン・メディアといったクリエイティブ業でよく見られる。
これに関し、大和ハウスグループでオフィス設計などを手がけるGOOD PLACEが調査(「フリーアドレスオフィスの実態調査」)を行っているので、簡単に紹介したい。
フリーアドレスの企業で働く社員に「最も快適に働ける座席タイプ」を尋ねたところ、「フリーアドレス(多様な席から自由に選べる)(44.2%)」、「固定席(自分専用)(20.9%)」、「フリーアドレスと固定席の混在型(16.6%)」、「チーム共有席(部内やチーム内で席を共有・選択できる)(13.4%)」となっている。フリーアドレスの企業であっても、固定席に一定のニーズがあることがわかる。
フリーアドレスでの席の決め方の設問では、「ルールはなく自由に選ぶ(57.6%)」が最多で、次いで「アプリやシステムで席を予約する(22.9%)」、「座席はあらかじめチームや上司が決めている(10.2%)」となっている。「毎日ランダムに座席が割り当てられる(2.7%)」は少数派である。
一方、席の決め方別の満足度を比較すると、「アプリやシステムで席を予約している」人の77.2%が満足を感じており、「ルールはなく自由に選ぶ」(57.1%)や「座席はあらかじめチームや上司が決めている」(48.9%)を大きく上回っている。事前に席を確保できるほうが安心感を得られ、満足度が高いと推察される。また、アプリやシステムを使えば、誰がどこにいるかがわかることも満足度の向上につながるだろう。
フリーアドレスの座席運用における不便・不満については、1位が「静かに作業できる席が足りない(29.7%)、2位が「会話や通話が多くて集中しづらい(24.9%)」となっており、聴覚に関する課題が上位を占めている。「同じような席しかなく、その日の業務に合った席が選びにくい」も22.7%で4位となっており、用途に応じたバリエーションのある座席を用意することが大切と考えられる。
こういった課題はあるものの、フリーアドレスに対する満足度は総じて高いといえそうだ。もっとも、現在、フリーアドレスが普及している業種からすると、変化や自由、自律を好む人材が多いと思われる。一般的な会社で言えば、決められた席のほうがよいというのが多数ではないだろうか。小中高と決められた座席に座るのが当たり前という環境で過ごしているのだ。そのような会社で導入をしても、結局、皆がいつも同じ席にいるということになりそうである。