
先日、内閣府から「男女共同参画社会に関する世論調査」というのが発表された。その中に「夫は外で働き、妻は家庭を守るべきである」という考え方をどう思うかについて質問があった。結果は、「賛成」(33.5%)、「反対」(64.3%)で、賛成派が3分の1、反対派が3分の2という形となった。
ちなみに賛成の内訳は、「賛成4.0%、どちらかといえば賛成29.4%」であり、反対の内訳は、「反対26.1%。どちらかといえば反対38.2%」である。“明確な賛成”はごくわずかなのに対して、“明確な反対”はかなり多い。つまり、賛成が3分の1あるといっても、その中身は“どちらかといえば”が大半で、賛成派は見た目の数字よりも劣勢にあるといえそうだ。
もっとも、属性による差は結構ある。
女性・男性では、やはり女性のほうが賛成は少ない。また、都市間ではそれほど差はないものの、強いて言えば町村はやや賛成が高めである。これは次の年齢が関係していると思われる。町村のほうが高年齢者の割合が大きいと考えられるからだ。
年齢別では、年齢が高くなるにつれ賛成が増える。18~29歳の賛成は18.8%に対し、70歳以上は46.0%に上るなど顕著な差が見られる。
賛成の理由として上位に挙げられたのは次の3つである(複数回答)。
①妻が家庭を守った方が、こどもの成長などにとって良いと思うから(59.0%)
②育児・介護・家事と両立しながら、妻が働き続けることは大変だと思うから(56.0%)
③夫が外で働いた方が、多くの収入を得られると思うから(32.1%)
これを年齢別に見ると、①は、18~29歳が39.2%に対し、70歳以上は61.6%と高齢層に多い。逆に②は、18~29歳64.7%、30~39歳74.6%に対し、70歳以上は49.7%と若年層に多い。高齢層が「妻は家にいるべき」と積極的に考えている一方、若年層は「妻が家にいたほうがよい」と消極的に考えている様子がうかがえる。
反対理由として挙げられた中に、「自分の両親も外で働いていたから」13.3%というのがあった。数字自体は低いのだが、18~29歳が24.0%あるのに対し、70歳以上は7.9%と3倍もの開きがある。年齢による差が顕著に現れており、かつては専業主婦が当たり前だったことが反映されている。
労働政策研究・研修機構の資料によれば、データの確認ができるなかで最も古い1980年で、共働き世帯数614万に対し、専業主婦世帯数は1,114万である。割合でいえば64.5%。70歳以上が子どものころであれば、その割合はもっと高いはずだ。ちなみに2022年は、共働き世帯数1,262万に対し専業主婦世帯数は539万で、割合は29.9%。勤労世帯の3割にも満たない。
年齢が高いほど賛成派が多いということは、今後、賛成はさらに少数派になっていくと予想される。
実際、時系列でみてもその趨勢は明らかだ。約30年前の平成4年(1992年)調査では、賛成は60.1%もあった。それが、4年前の令和元年には35.0%となり、今回、さらに低くなっている。もちろん、賛成がゼロになることはないだろうが、“明確な賛成”を示す岩盤層の薄さからして、やがては10パーセントくらいになりそうだ。もっとも、そうなれば調査をやってないかもしれないが。