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2019/6/15

人事評価の定量的バラツキ調整

 
 人事評価を実施したとき、評価者あるいは部門により甘い傾向が出たり、厳しい傾向が出たりしてバラツキが生じる。特に、人事評価を導入した企業や見直した企業で顕著に生じやすい。

 評価結果は給与査定や昇進・昇格に用いられることがほとんどなので、そのままにしておくのは望ましくない。評価のバラツキを修正するために何らかの調整をかけ、公平性を確保する必要がある。

 バラツキ調整には、経営者や各部門長などが話し合って行う定性的調整と、数学的な処理によって機械的に行う定量的調整の2つの方式がある。 ここでは、定量的調整の主な手法を2つ解説したい。なお、定量的調整の前提として、評価結果が点数化されていなければならず、SABCDといった評語のみの評価には使えないので注意していただきたい。

1.平均値方式
 全社(または部門や等級)の平均点と各評価者の平均点との差を、各々の評価点数に加減する方法である。
 たとえば、A課長の評価が次のようになっていたとする。

<調整前>
被評価者
Bさん
Cさん
Dさん
平均点
点数
70
60
80
70

 このとき、全社の平均点が65点であったとすると、A課長の評価は全体に比べて5点甘い(70-65)ので、各被評価者の点数をマイナス5点する。

<調整後> 
被評価者
Bさん
Cさん
Dさん
平均点
点数
65
55
75
65

 つまり、個々の評価者の平均点を全社平均点と同じにするというやり方だ。平均値方式のメリット・デメリットは以下のとおりである。

●メリット
・簡単でわかりやすい。
●デメリット
・部下が少ないと極端に修正されてしまうことがある。たとえば、部下が1人しかいない場合は、どんなに良い点、あるいは悪い点であっても、全社平均点になってしまう。
・中心化傾向や極端化傾向がある場合に機能しない。極端化傾向の例として、2人の部下のうちBが100点、Cが40点の場合、全社平均が70点だとすると、そのままの点数になる。

2.標準偏差方式
 標準偏差とは、データのバラツキの程度を表す。評価者の標準偏差を全社(または部門や等級)の標準偏差と比較し、その度合いにより各々の評価点数を修正する方法である。各評価者のバラツキ度合いを全社平均のバラツキ度合いに合わせる、つまり、個々の評価者の標準偏差を全体の標準偏差と同じにするというやり方である。
 たとえば、上記A課長の標準偏差は次のとおりとなる。

被評価者
点数
平均との差
二乗
二乗合計
二乗平均
標準偏差 
B
70
+5
25
275
91.7
9.6
C
60
-5
25
D
80
+15
225

 全社の標準偏差が12であったとして、これを1としたときのA課長の標準偏差の指数は 12÷9.6=1.25となる。これを評価傾向指数とする。この数値が大きいほど全社平均に比べてバラツキが小さいことを意味する。

 A課長の各評価は、 全社平均点+個々の平均との差×A課長の評価傾向指数 という算式で修正される。
 たとえばBさんは、

 65+5×1.25=71.25

 となる。A課長の評価は、全社平均と比べてバラツキが小さいので、よりバラツキが大きくなるよう修正したわけである。

 標準偏差方式のメリット・デメリットは以下のとおりである。

●メリット
・バラツキを合理的に補正できる。
●デメリット
・計算が複雑になる。

 このように少し手間がかかるものの、合理性の面で標準偏差方式の方が優れているといえる。どちらを選択するかは企業次第だが、いずれにしろ、定量的調整だけに頼るのではなく、それを踏まえて話し合いにより最終調整するなど、定量・定性双方を取り入れるのが適切だろう。
 

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