2026/2/8

労働時間管理の仕方

 厚生労働省の「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン」では、使用者が始業・終業時刻を確認・記録する方法として、
・使用者が、自ら現認することにより確認し、適正に記録すること
・タイムカード、ICカード、パソコンの使用時間の記録等の客観的な記録を基礎として確認し、適正に記録すること
 の2つを原則に揚げている。

 上記によらず、自己申告制により「行わざるを得ない場合」は、労働者に十分な説明をすることや実態調査をし、必要に応じて補正をするなどの措置を使用者に求めている。「行わざるを得ない場合」という表現からもわかるように、厚労省としては自己申告制はあくまで例外という扱いである。

 それでは、企業は実際どのような方法を取っているのだろうか。経団連「2025年人事・労務に関するトップ・マネジメント調査結果」によれば以下の通りである(あてはまるものすべて)。

・タイムレコーダー(紙、ICカード、勤怠システム等)による打刻(74.0%)
・社員による自己申告・記録(70.4%)
・パソコンの使用時間による記録(60.1%)
・管理職による確認・記録(54.9%)
・職場・事業場への入退館記録との連携(32.0%)

 厚労省が推奨する「管理職による現認」よりも、例外と位置付けている「自己申告」のほうが多用されている。その理由の1つに、管理者の負担があると考えられる。

 同調査では、社員の労働時間の適正化に関する課題(あてはまるものすべて)として、「人員不足により時間外労働が発生」と並んで「管理職の業務負担が増大」がトップ(73.3%)に挙がっている。

 もっとも、管理職が大変だからといって野放図に自己申告とするのはリスクがある。残業代の増大やサービス残業の発生を招きかねない。管理職の労働時間管理の負担軽減を適正に進めるには、会社としての仕組みづくりが必要である。具体的には、以下のような方策を検討したい。

①事前承認のルール明確化
・月○時間超、特定業務・特定期間以外は自己申告とする
・急な顧客対応や障害対応は事後申請でOKとする
②システムによる自動判定・アラート化と部下自身によるセルフマネジメント
・上限までの残時間通知、上限超過・連続長時間の場合の自動アラート
・上限越えは本人が改善計画提出
③管理職=現場対応、人事=モニタリングの役割分担
・一定時間超過者の抽出・分析は人事部門が実施
・管理職は是正アクションに専念

 労働時間管理はあまりに日常的すぎて、ついついお座なりになりがちである。ただ、社員としては、日々のちょっとした時間管理の仕方に不満を覚えるケースが多い。そういったモヤモヤ感を減らすためにも、適正な労働時間管理の仕方を考えてみてほしい。         

 


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