2020/1/5

Society 5.0時代の働き方

 
 2020年の幕開けに、これからの10年の働き方の展望をまとめてみたい。ひと言でいえば、「Society 5.0時代の働き方」となるだろうか。

 Society 5.0とは、狩猟社会(Society 1.0)、農耕社会(Society 2.0)、工業社会(Society 3.0)、情報社会(Society 4.0)に続く新たな社会で、IoTやAIといった高度の情報技術により、知識・情報のオン・デマンドの提供や共有化を進めることで、「これまでの閉塞感を打破し、希望の持てる社会、世代を超えて互いに尊重し合あえる社会、一人一人が快適で活躍できる社会(内閣府)」である。

 それでは、Society 5.0時代の働き方とはどういうものか。ヒントとなるのが、日本経団連が昨年12月に発表した「Society 5.0時代の働き方事例集」だ。そこでは、次の8社の事例を紹介している。

①RPA(Robotic Process Automation)による生産性向上
②ダイバーシティ経営の推進
③人材マネジメントプラットフォームによる人材育成
④ICT(Information and Communicaion Technology)による安全衛生
⑤VR(Virtual Reality)による安全衛生
⑥柔軟な働き方
⑦テクノロジーを用いたオフィス空間
⑧HR-Techの活用

 いずれも他企業において、濃淡はあれ、すでに実践され拡大しつつあるものだ。大きく分けると、

・雇用・働き方の改革(②⑥)
・高度ITの活用(①③④⑤⑦⑧)

 ということになるだろう。ただ、2つは結びついており、前者の実現のために後者があり、また、後者の実践のために前者があるともいえる。

 こういった取り組みは、企業規模により、あるいは業種により度合いは異なるだろうが、今後各企業に浸透していくのは間違いない。たとえば、①のRPAは、10年後にはヒトによる大半の事務作業を淘汰しているはずだ。

 企業や人事部門の立場からは、このような変化に社員をどう対応させるかがカギとなる。当然、新技術・スキルを習得してもらうことや、変化に応じた制度・仕組みを設けることが重要となるが、組織がヒトの集まりであり、その相乗効果により付加価値を大きくしていくために、協働意識を高める施策がSociety 5.0時代においても大切となるのは強く認識しておくべきだろう。   
 

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