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2019/10/20

2019年版労働経済白書に見る「働きがい」

 
 2019年版労働経済白書のテーマとなっている「働きやすさ」と「働きがい」に関して、前回は「働きやすさ」を概観したが、今回は「働きがい」を見てみよう。

 白書では、労働政策研究・研修機構「人手不足等をめぐる現状と働き方等に関する調査」(2019年)に基づき、「ワーク・エンゲイジメント」という概念を用いて「働きがい」を分析している。「ワーク・エンゲイジメント」とは、「仕事から活力を得ていきいきとしている」(活力)、「仕事に誇りとやりがいを感じている」(熱意)、「仕事に熱心に取り組んでいる」(没頭)の3つが揃った状態として定義されるとのことだ。

 これをスコア化することで、様々な属性に応じた比較ができる。白書では、若い社員のスコアが低い傾向にあること、職位・職責が高くなるほどスコアは高くなっていく傾向にあること、「教育関連専門職」「管理職(リーダー職を含む)」「接客・サービス職」などの非定型的業務の比重が高いと思われる職種では高い傾向にあること、などを指摘している。

 続いて、ワーク・エンゲイジメント・スコアと様々な事項の結果との関係性を分析することで、「働きがい」の向上により、どのような効果が期待できるかを明らかにしている。ポイントをまとめると以下のとおりである。

・新入社員の定着率(入社3年後)の上昇や従業員の離職率の低下。
・個人の労働生産性の向上。
・企業の労働生産性(マンアワーベース)の向上。
・仕事に対する自発性や他の従業員に対する積極的な支援(役割外のパフォーマンス)
・企業が認識する顧客満足度に関するD.I.の向上 ・社員のストレス・疲労の軽減

 それでは、「働きがい」を向上させるにはどうすればよいだろうか。向上の可能性のある要因として、以下のものを挙げている。

・「仕事を通じて、成長できている」「自己効力感(仕事への自信)が高い」「勤め先企業でどのようにキャリアを築いていくか、キャリア展望が明確になっている」等の認識を持つこと
・雇用管理面では、「職場の人間関係やコミュニケーションの円滑化」「労働時間の短縮や働き方の柔軟化」「業務遂行に伴う裁量権の拡大」等を実施すること
・人材育成面では、「指導役や教育係の配置(メンター制度等)」「キャリアコンサルティング等による将来展望の明確化」「企業としての人材育成方針・計画の策定」等を実施すること
・業務上の目標管理に当たっては、達成にある程度の努力を要する難易度で目標設定されていること
・日常業務に対する上司からのフィードバックが頻繁に実施されること。その上で、手法としては、働く方の具体的な行動について、行動した内容の重要性や意義について説明しながら、行動した直後に誉めること
・日常業務の中で、管理職と今後のキャリア展望について話し合いが実施され、その頻度が相対的に高いこと
・現在担当している業務の意義・重要性だけでなく、将来を見据えながら、取得が必要になる資格・技能、向上させる必要があるスキル、従業員が担当を希望している業務の意義・重要性について話し合うこと
・「勤め先での管理職登用の機会は、性別・学歴・勤続年数・年齢等に関わらず、幅広い多くの人材にあると感じる」「性別にかかわりなく、社員の能力発揮を重視する企業風土があると感じる」といった所感を管理職がもつことのできる環境を推進すること
・「心理的距離(仕事のことを忘れる等)」 「コントロール(自分のスケジュールを自分で決められる等)」 「リラックス」「熟達(自己啓発をして新しいことを学ぶ等」といったリカバリー経験(休み方)ができており、仕事中の過度なストレスや疲労から回復すること

 いずれも特別なことではなく、少し進歩的な企業であれば取り組んでいそうな事項である。言い換えると、常識的なことを地道にやるのが働きがいの向上につながることを示唆している。

 社員が「働きがい」を持って仕事に取り組むには、前提として「働きやすさ」が必要であり、そのための努力が求められる。そして、働きやすい職場であっても、「働きがい」を感じるとは限らず、やはり、働きがいを向上させるための工夫が求められる。今年度の白書は、2つを分けて考えることの大切さをあらためて認識させるものといえる。   
 

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