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2020/6/8

過重労働は減っているか

 大手工作機械メーカーの入社2年目の社員が2018年に自殺した案件で、本年4月に労働基準監督署が労災認定をした。男性は2018年10月の残業時間が100時間を超過、同12月は亡くなる13日までに65時間に達していたそうだ。本人のスマートスピーカーに「疲れたよ、死にたいよ」との音声が残されていたという。

 2019年4月からの労働時間上限規制の施行前とはいえ、すでに過重労働は大きな社会的な問題となっていた。にもかかわらず、このような悲劇が起きてしまっている。大手企業なので、過重労働対策はそれなりに実施していたはずである。うかがえるのは、それが表面的なものであったり、部分的なものであったりすることだ。

 ところで、労働時間上限規制が導入されてから、過重労働は減っているのだろうか。厚生労働省が昨年11月に実施した「過重労働解消キャンペーン」における重点監督の実施結果を、一昨年のものと比較してみよう。左が昨年、右が一昨年の数値で、カッコ内は実施事業場に占める構成比である。

・実施事業場:8,904事業場、8,494事業場
・違法な時間外労働があった事業場のうち、時間外・休日労働の実績が最も長い労働者の時間数が月80時間を超えるもの:913事業場(10.3%)、1,427事業場(16.8%)
・うち、月100時間を超えるもの:537事業場(6.0%)、868事業場(10.2%)
・うち、月150時間を超えるもの: 110事業場(1.2%)、176事業場(2.1%)
・うち、月200時間を超えるもの: 23事業場(0.3%)、34事業場(0.4%)

 このように違法な長時間労働をさせている事業場の割合は概ね4割程度減少していることがわかる。法改正の効果が表れているのは確かなようだ。本年4月からは中小企業も対象となったので、来年公表される数値はさらに低下することが予想される。

 ただ、減るとはいえ80時間超の過重労働が完全に無くなることは期待できない。過労死のリスクは低下するものの、まだまだ存在するということだ。

 過労死による自殺者に対して、よく耳にするのは、「自殺するくらいなら休職するとか退職するとか、他のやり方もあっただろう」という意見である。確かにその通りだが、過重労働はそのような冷静な判断ができなくなるまで社員を追い詰めてしまうことを認識する必要がある。

 少なくとも、過重労働は見える化が可能である。月に80時間を超えるような過重労働は社員を追い詰めているという認識を持ち、必要な支援をしなければならない。極端だが、上司や同僚のたった一言で最悪の選択を思いとどまることがあるかもしれない。     
 

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