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2020/7/6

精神障害による労災を認められやすい出来事

精神障害による労災を認められやすい出来事
 6月26、厚生労働省から令和元年度「過労死等の労災補償状況」が公表された。その中の「精神障害に関する事案の労災補償状況」では、業種別、年齢別など様々な観点から、請求件数、決定件数(当年度中に業務上または業務外の決定を行った件数)、支給決定件数(「業務上」と認定した件数)が報告されているのだが、その1つに「精神障害の出来事別」の件数がある。

 これを見ると、労災を認められやすい出来事と、認められにくい出来事が浮かび上がってくる。 たとえば、「(重度の)病気やケガをした」の認定率(決定件数÷支給決定件数)は38.9%(28÷72)で、全体平均32.1%(509÷1586)に比べて高く、認められやすい出来事といえそうだ。

 それでは、労災を認められやすい出来事とはどのようなものだろうか。認定率の高い上位は次の通りである。なお、カッコ内は決定件数÷支給決定件数だ。

①特別な出来事 100%(63÷63)
②2週間以上にわたって連続勤務を行った 66.7%(42÷63)
③1か月に80時間以上の時間外労働を行った 59.3%(32÷54)
④悲惨な事故や災害の体験、目撃をした 58.5%(55÷94)
⑤セクシュアルハラスメントを受けた50%(42÷84)
⑤業務に関連し、重大な人身事故、重大事故を起こした 50%(5÷10)
※決定件数が9件以下は除外

 「特別な出来事」とは、「生死にかかわる、極度の苦痛を伴う、又は永久労働不能となる後遺障害を残す業務上の病気やケガをした」などの心理的負荷が極度のものや、「発病直前の1か月におおむね160時間を超えるような」極度の長時間労働である。「特別な出来事」は毎年ほぼ100%の認定率となっている。
 また、過重労働やセクハラも認定されやすいことがわかる。

 次に認定率の低いものを見てみよう。

①同僚とのトラブルがあった 5.5%(5÷91)
②上司とのトラブルがあった 7.1%(21÷294)
③部下とのトラブルがあった 7.7%(1÷13)
④業務に関連し、違法行為を強要された 8.3%(1÷12)
⑤非正規社員であるとの理由等により、仕事上の差別、不利益取扱いを受けた 16.7%(2÷12)
※決定件数が9件以下および「その他」は除外

 社員間のトラブルによるものは労災とされにくいことがわかる。違法行為の強要は結構なストレスになると思うのだが認定率は低い。これらは、認定率の高い出来事に比べれば、ストレスの度合いは一時的・限定的ということだろうか。

 他に主だったものを見ると次の通りだ。

・会社の経営に影響するなどの重大な仕事上のミスをした 33.3%(7÷21)
・顧客や取引先からクレームを受けた 17.2%(5÷29)
・退職を強要された 23.1%(6÷26)
・配置転換があった 23.6%(13÷55)
・(ひどい)嫌がらせ、いじめ、又は暴行を受けた 45.4%(79÷174)

 退職の強要と配置転換が同程度というのも少し不可解だが、労働者の立場に立てば、意に沿わない配置転換は退職強要と同じくらいのストレスになるとの見方もできる。社員の配転について、あらためて考えさせられる数値である。

 嫌がらせ、いじめ等のいわゆるパワハラは件数も多く、認定率も高めである。とはいえ、平成30年度分(パワハラ38.8%、セクハラ61.1%)を見ても、セクハラに比べると認められにくい傾向にあるようだ。     
 

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