重本コンサルティングオフィス
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2018/12/25

管理職になりたくない理由

 古き貧しき昭和の時代、会社員の多くは出世を望んだ。管理職になれば給料は上がり、少しでも豊かな生活が期待できた。今と違ってプレイングマネジャーではなく、文字通り部下の管理だけでよかったので仕事もラクだった。そして、会社自体が拡大するなか、結構な割合でその願いはかなえられた。部下からすると、そのような管理職への途があるからこそ、下積みの苦労にも頑張ることができた。

 現代は管理職志向が減ったといわれる。転職サービスのエン・ジャパン社がユーザーに行った「管理職への志望度調査」によれば、管理職に「興味がある」のは50%(興味がある:26%、どちらかといえば興味がある:24%)、「興味がない」は29%(興味がない:16%、どちらかといえば興味がない:13%)であった(残りは「どちらとも言えない」16%、「既に管理職である」4%)。

 「興味がない」「どちらかといえば興味がない」と答えた人にその理由を尋ねたところ、上位5つは次のものだった(複数回答。カッコ内は男性・女性の%)。
 
①自分に管理職は向いていないと思うから 28%(26%、29%)
②プライベートの時間がなくなりそうと感じるから 23%(21%、24%)
③仕事の責任を増やしたくないから 22%(18%、24%)
④仕事の量を増やしたくないから 15%(15%、15%)
⑤人間関係の調整に時間を取られそうだから 14%(16%、13%)

 トップに挙げられた「管理職に向いていないと思う」のには、さまざまな理由があるだろうが、まず考えられるのはリーダーシップに自信がないということではないだろうか。ただ、今の時代、グイグイとメンバーを引っ張っていくようなリーダーではなく、メンバーを見守りサポートするサーバント・リーダーも求められている。そうすると、一見、向いていない人の方が案外向いていることもありうる。ともかく、現代のリーダーにはいろいろなタイプがあるのだから、向いていないと決めつけないほうがよいだろう。管理職を薦める上司や人事は、「あなたは〇〇の点から管理職に向いている」といったアドバイスも大切となる。

 ③の「仕事の責任を増やしたくない」は、男女のギャップが最大である。これは別に女性が責任を負うのがイヤというわけではなく、責任を負えるような体制が不足している、要は女性管理職をフォローする仕組みが欠けているからだと思う。男性管理職はたくさんいるので、特別な仕組みがなくても周囲のフォローが期待できるが、女性の場合は一人で悩みを抱え込んだり、孤立してしまったりする可能性が懸念される。そのような状況で責任は果たせないという、むしろ責任感の強さの表れと解釈したい。

 管理職になりたくない理由としてすぐに思い浮かぶ「現場のスペシャリストを志向しているから」は7%(11%、5%)と意外に低い。一方で、「残業代が出なくなるから」14%(15、13)は意外と高いという印象だ。実際、管理職と非管理職とで収入の逆転が生じているケースはよく見られ、管理職になって年収が100万円以上も減ったという事例も知っている。

 管理職志向が減少したのは、ひと言でいえば管理職の魅力が少なくなったからだ。ただ、なりたくない人の多くは、「絶対になりたくない」と頑なに思っているわけではなく、「あまりなりたくない」といった程度のものと思う。企業がヒトの集団である以上、ヒトを管理する職能は絶対に必要である。管理職のなり手を増やすために、管理職の魅力を高める工夫を企業は考えなければならない。

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代表者:重本 由宇
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