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2018/10/30

新卒者の早期離職

 
 一般に新卒者の3割が3年以内に会社を辞めると言われている。確かに、大卒の場合はその通りなのだが、他の学歴では、その傾向はさらに強まる。直近のデータ(厚生労働省「新規学卒就職者の離職状況(平成27年3月卒業者の状況)」)を見てみると、

【 大学 】 31.8% (前年比▲0.4P)
【 短大など 】 41.5% (+0.2P)
【 高校 】 39.3% (▲1.5P) 
【 中学 】 64.1% (▲3.6P)

  となっている。また、会社の規模によっても異なる。大卒・高卒を規模別に見ると、

会社規模
大学
高校
1,000人以上
24.2%
25.3%
500~999人
29.6%
32.9%
100~499人
31.9%
36.5%
30~99人
39.0%
46.3%
5~29人
49.3%
55.9%
5人未満
57.0%
64.3%

 となっており、規模が小さくなるほど離職率が高まることがわかる。30人未満の零細企業の場合は、3年以内に辞める方が多いという状況である。規模が大きいほど離職率が低いのは、待遇の良さ、企業イメージ、職場環境など、本人の満足度が高いからだろう。

 業種別による差も顕著である。大卒・高卒の高離職率ベスト5は以下の通りだ。

 
大学
高校
1
宿泊業・飲食サービス業  49.7%
宿泊業・飲食サービス業  63.2%
2
教育・学習支援業 46.2%
生活関連サービス業・娯楽業  59.2%
3
生活関連サービス業・娯楽業  45.0%
教育・学習支援業 56.5%
4
医療、福祉 37.8%
小売業 48.8%
5
小売業 37.7%
医療、福祉 47.0%

 逆に低いベスト3は以下である。

 
大学
高校
1
電気・ガス・熱供給・水道業 10.8%
電気・ガス・熱供給・水道業 7.9%
2
鉱業、採石業、砂利採取業 12.4%
金融・保険業 25.7%
3
製造業 19.5%
複合サービス事業 25.9%

 職種の特性もあろうが、離職率の低い業種は大企業が多いと見られ、規模の影響も大きいと思われる。それにしても、「電気・ガス・熱供給・水道業」の低さは奇跡のようだ。

 一口に3年と言っても、経過年数により離職率は異なる。この10年間の経過年数ごとの平均値は以下のようになり、1年目の離職率が高いことがわかる。企業側からすると、早期離職を防ぐためには、初年度のケアが特に重要ということだ。

経過年数
大学
高校
1年目
12.7%
19.9%
2年目
10.1%
11.4%
3年目
8.7%
8.5%

 最後に、早期離職者、いわゆる「第二新卒者」の再就職がどのような状況かを見てみよう。

 10月24日に公表された「2018年度マイナビ既卒者の就職活動に関する調査」では、既卒者の調査時点での内定率は45.0%で、ここ数年横ばい状態である(前年44.0%)ことが報告されている。ちなみに、現役学生の内定率は年々上昇し、8月末時点で83.4%に達しているとのことだ。調査には未就職者も含まれるので、純粋な「第二新卒者」の数値ではないが、現役学生と比べて厳しいのは間違いない。

 ただ、同調査で、「既卒者を受け付けている企業探しに苦労した」と回答した割合が、前年より7.2ポイント減の60.2%だったとあり、空前の人手不足を背景に、「第二新卒者」の再就職も明るさが増しているのは確かなようだ。

 とは言っても、現役学生ほどの売り手市場にあるわけではなく、安易な離職は禁物である。経営者や上司、身内などが、若手社員から相談を受けた際には、その辺のところをしっかりとくぎを刺すべきといえる。


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