2024/9/22
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労基署チャットボット |
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7月末に厚生労働省が「労働基準監督署チャットボット」の運用を始めた。労働条件や安全衛生、労災保険に関する相談に24時間対応するとのことだ。厚労省のHPには、「AIを活用したシステムによる自動応答」とあるので、チャットGPTのようなものかと思い試してみた。
回答候補として挙がったのは以下の4件である。 ①仕事中(通勤途中)に事故が起きた。労災について教えてほしい ②通勤途中で負傷し、健康保険(国保)で治療していたが、労災へ費用請求(請求切替)ができるのか知りたい ③労災請求したが、不支給になった(認定されなかった)場合、どのように対応すればよいでしょうか、健康保険に切替が可能なのか確認したい。 ④健康保険(国保)で治療していたが、労災に費用請求するのに自己負担3割分の領収書をなくした。労災へ費用請求できるのか教えてほしい。 相談に直接答えるのではなく、似たような質問に対してあらかじめ用意してある回答を参照してもらう形式だ。②~④は明らかに的外れなので①を選択すると、
という十数行の説明が示された。労災の手続きを示したものであり、残念ながら質問の回答としては期待外れとなった。 ちなみにチャットGPTで同じ質問をすると以下の通りだ。
どちらが参考になるかは明らかである。もう1件、「会社で定められている作業服に着替える時間は労働時間ですか?」という質問をしてみたが、これも明らかにチャットGPTに軍配は上がった。「労基署」は39件もの回答候補が出てきたが、質問に近いものさえ見当たらなかった。 チャットボット利用の注意点に「ご質問が多い事項に対応しています。したがって、あらゆる質問に対応しているわけではありません」とある。現状では、ごく基本的な質問にしか対応できていないと思われる。 回答に際して、「この回答は役に立ちましたか?」とあるが、おそらく「いいえ」が大半を占めることになりそうだ。ただ、そこはAIである。今後学習を積み重ね、満足のいく回答ができるようになるまで成長するのを期待している。 にほんブログ村に参加しています。 |
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