2020/12/27

老後の働き方

 
 2021年4月から70歳までの就業確保措置が努力義務となる。企業は65歳を超えて働く意志のある者に雇用等の場を提供するよう努めなければならないわけだが、そもそもどれくらいの人たちがそのような意志をもっているのだろうか。また、働くにしても1日の労働時間や1週の勤務日数など、働き方のニーズも異なるはずだ。

 そういったことを含め、われわれが老後の働き方をどう考えているか、厚生労働省の「平成30年高齢期における社会保障に関する意識調査報告書」を概観してみよう。

 まず、何歳まで働きたいかについては以下の通りだ。

「60 歳まで」16.6%
「65 歳まで」24.9%
「70歳まで」19.4%
「75歳まで」8.3%
「80歳まで」3.9%
「生涯働きつづけたい」7.8%

 「65歳超」というくくり(「70歳まで」以下の4つ)でみると、4割近くになることがわかる。今回の高年齢者法の改正は、労働者のニーズをある程度反映しているといえそうだ。

 どのような働き方を希望するかについては、

「働く日数を減らしたり、時間を短くして働きたい」51.8%
「老後は働かずに過ごしたい」28.0%
「現役世代と同じようにフルタイムで働きたい」5.1%

 となっており、負担の軽い働き方に圧倒的なニーズがある。健康上の問題に加えて、それほど稼ぐ必要はないという面もあるだろう。老後の生計を支える手段として最も頼りにする収入源を見ると、

「公的年金(国民年金や厚生年金など)」58.2%
「自分の就労による収入」18.7%

 となっており、就労収入に依存する人はそれほど多くない。

 ところで、勤勉で知られる日本人は、歳をとっても働くことが生きがいと考える人も多そうだが、この点はどうだろうか。老後の生活の中で生きがいを感じることは、

「教養・趣味を高めること」43.6%
「子どもや孫の成長」43.3%
「家族との団らん」33.3%
「友人や地域の人との交流」29.8%
「働くこと」20.1%

 となっており、「働くこと」は5番目である。男女別では、男性は23.4%で「友人や地域の人との交流」23.2%をわずかに上回るものの、働くことに生きがいを求める人は、それほど多くないという結果である。

 以上をまとめると、老後の働き方は一言でいえば「気ままに」働くことを望む人が多いということだろう。現役時代の成果や効率の飽くなき追及から解放され、ゆっくり働きたいという気持ちはよくわかる。もっとも、永年、身についた習慣はそう簡単には変わらないので、ついつい懸命に働いてしまう姿も想像できる。企業もそれを望みそうである。

 一方で、職場に一人くらいはのんびりと働く人がいてもいいのではないかという気もする。効率重視の、ともすれば殺伐となりがちな職場で、意外とよい潤滑油になるのではないだろうか。そういった存在を活かせる職場であれば、社員も生き生きと働けると思うのだが。     
 

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