重本コンサルティングオフィス
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2020/8/16

職場結婚と退職勧奨

 
 福井県にある人口2500人ほどの町がネットで話題になっている。同県の池田町には、町職員同士が結婚したとき、どちらかに退職を促す慣習が残っており、撤廃も考えていないという。

 報道した8月10日付の福井新聞の記事をまとめると以下のようになる。
 
・前町長時代の1993年にルールを設け、人事上の内規として文章化されたものが残っている。
・過去20年で3組程度の夫婦が対象になっており、現在の約70人の町職員に夫婦が両方残っている例はない。
・慣習を撤廃できない理由は、以下の3つである。
①町職員の給与に対する批判が一部の町民の中に残っている
②人事ローテーションに大幅な制約が出る
③過去に慣習を受け入れて退職した職員がいる
・退職勧奨に強制力はなく、両方が残っても不利益な扱いを受けることはない。
・職員組合は慣習撤廃を要望している。
 
 突っ込みどころはたくさんあるが、まずは撤廃できない理由で、これには、ある種の無力感を覚える。1つは、他者の視線を過剰に気にするムラ社会の思考様式である。もう1つは、とりあえず問題を先送りにしようとする態度である。理由の②③には、当問題に本気で取り組もうとしていないことが示されているように思える。

 公務員の給与が批判を受けるのは、公務員の給与が税金から支出されている以上、仕方のないことだ。何をしても、公務員批判をする人は必ず存在する。地方では、相対的に高所得になることもあるだろう。だからといって、夫婦単位でもらえないようにするというのは筋違いだ。大切なのは、いかに給与に見合うサービスを提供するかである。

 人事ローテーションに大幅な制約が出るというが本当にそうなのか。思い込みで言ってないか。世の中には、夫婦が同じ職場で働くケースは山のようにある。大企業でなくても、小規模企業でも普通にある。

 理由の③に、過去に慣習を受け入れて退職した職員がいることを挙げているが、それを言えば、物事は何も変えられなくなってしまう。とってつけた理由としか思えない。

 「退職勧奨に強制力はなく、両方が残っても不利益な扱いを受けることはない」との説明にも白々しさを感じる。普通に考えれば、事実上の強制である。

 たとえば、親子や親せき同士は在職してよいのかという点も気になる。上記理由に照らせば、そちらも制限すべきであるが、おそらく、そういったルールはないのだろう。実質、女性の活躍を阻むような仕組みを、自治体が放置したままでよいのだろうか。

 かつて筆者がいた企業にも同様の慣習があった。25年以上前になると思うが、勇気ある後輩カップルが、それを打破してくれたのを覚えている。池田町でも、そのような人が現れれば、事態は変わるのかもしれないが期待は薄い。
  この問題はトップが変えるしかない。報道を通じて、自分たちが世間の感覚と大きくズレていることを自覚し、改革に手を付けてほしいものだ。     
 

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