重本コンサルティングオフィス
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2018/7/30

過労死防止大綱の数値目標達成予想

 
 2015年7月に策定された「過労死等の防止のための対策に関する大綱(過労死等防止対策大綱)」が、3年の期間を経て今般見直された。

 ポイントは5つあるが、その1つが数値目標の見直しである。これまで、どのような目標が設定されていたかといえば次の3つだ。

1.週労働時間60時間以上の雇用者の割合5%以下(2020年まで)
2. 年次有給休暇取得率70%以上(2020年まで)
3.メンタルヘルス対策に取り組んでいる事業場の割合を80%以上(2017年まで)

 それぞれの達成状況は以下のようになっている。

1.2014年:8.5% ⇒ 2017年:7.7%
2.2014年:47.6% ⇒ 2016年:49.4%
3.2013年60.7% ⇒ 2016年:56.6%

 あまり芳しい状況とはいえず、3に至っては悪化している。

 こういった状況も踏まえ、今回、どのように見直されたかといえば、まずは上記の3目標が次のようになった。

1.目標はそのままで、「なお、特に長時間労働が懸念される週労働時間40時間以上の雇用者の労働時間の実情を踏まえつつ、この目標の達成に向けた取組を推進する」ことを追記。
2.目標はそのままで、「特に、年次有給休暇の取得日数が0日の者の解消に向けた取組を推進する」ことを追記。
3.メンタルヘルス対策に取り組んでいる事業場の割合を80%以上(2022年まで)。

 1と2の追記事項は目標というよりは手段なので、事実上、1と2の目標は据え置き、3は目標達成を先送りしたといえる。

 達成は微妙なのだからこの3つに注力すれば、とも思えるが、そこは行政である。次の3つの目標が新たに追加された。

4.勤務間インターバル制度について、2020年までに、労働者30人以上の企業のうち、
 ①制度を知らなかった企業割合を20%未満とする。(2017年:37.3%)
 ②制度を導入している企業割合を10%以上とする。(2017年:1.4%)
5.仕事上の不安、悩みまたはストレスについて、職場に事業場外資源を含めた相談先がある労働者の割合を90%以上とする(2022年まで)。(2016年:71.2%)
6.ストレスチェック結果を集団分析し、その結果を活用した事業場の割合を60%以上とする(2022年まで)。(2016年:37.1%)

 赤字で示したのは現状の数値である。現状に比べてかなり高い目標を設定していることがわかる。

 では、達成できるかどうかだが筆者の予想は次のとおりである。

1 ×(残業削減の流れはあるものの2020年までには困難)
2 ×(2019年からの年休付与義務化により改善はあるだろうが70%は無理)
3 ×(現状、中小企業の関心が高いと思えず困難)
4① 〇(名称の普及であれば可能)
 ② △(努力義務だが大企業に広まる可能性はあり、10%ならばいけるかも)
5 ×(現状、中小企業の関心が高いと思えず困難)
6 ×(現状、中小企業の関心が高いと思えず困難)

 このように悲観的なものとなった。もっとも、設定した当事者も密かに同意見なのではないかと思っている。ご存じのように行政の掲げる目標は、達成するための目標というよりはプロパガンダの意味合いの方が強いからだ。現実的な数字ではなく、見栄えのする数字が求められる。そういう前提なので未達成のために責任を取ったという話は聞いたことはない。そもそも誰に責任があるのかもわからない‥‥。

  まあ、それはともかく、一所懸命に働く労働者のために筆者の予想が外れることを祈る。


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