2026/5/17

新入社員の理想の上司

 新入社員が考える理想の上司とはどういったものか。東京商工会議所が4月22日に発表した「2026年度新入社員意識調査」結果によると、トップ3は「仕事の指導を丁寧に行うこと(49.8%)」、「人間関係、チームワークを重視すること(36.8%)」、「明確な理念や考えを持っていること(35.3%)」となっている。近年の新入社員のイメージと概ね合致するのではないだろうか。

 以下も、「業績や成果を正当に評価すること(26.8%)」、「部下に対して優しく丁寧に接すること(24.4%)」、「若者の感覚や考え方を理解すること(21.0%)」、「部下の意見や考えを真摯に聞くこと(19.2%)」、「上司自ら具体的な手本を見せること(18.5%)」と続く。部下というよりはお客様の要望リストのようであり、苦笑を浮かべる上司も少なくないだろう。

 一方で、「部下との仕事外でのコミュニケーションを重視すること(4.0%)」、「部下に仕事を任せること(3.5%)」、「部下を厳しく指導すること(1.7%)」は限りなく低い数値である。

 近年、あまりに優しすぎる上司は、結果的に部下の成長機会ややりがいを奪ってしまうホワハラ(ホワイトハラスメント)も問題視されているが、厳格な指導を好む若手社員が増えているわけではなさそうだ。「優しい上司はもう古い、これからは厳しい上司だ」と勘違いをしないよう注意したい。

 ところで、上司から見た理想の部下とはどのようなものだろうか。パーソルキャリアの『2024年 上司と部下の意識調査』で、部下の理想像として挙げられたのは、「コミュニケーションを大切にする(59.7%)」がトップで、次いで「自身の考えや提案を積極的に伝える(50.0%)」、「自己管理と能力の向上に努める(44.4%)」、「チームでの協力を重視(40.3%)」、「謙虚な態度を示す(31.5%)」である。

 項目の違いはあるものの、互いの理想像にややギャップがあるように感じられる。少なくとも、新入社員のほうは仕事外でのコミュニケーションは求めていない。上司のほうも、部下の自律性を重視していうように思える。「上司に過度の依頼・要求をしない」という項目はないが、あれば上位になるかもしれない。

 調査からうかがえるのは、新入社員には、まずは「仕事をきちんと丁寧に、優しく教える」必要があるということだ。一方で、彼・彼女らのプライベートにズカズカ踏み込むようなことは避けなければならない。

 東商の調査では、歴史上の人物での理想の上司の第1位は織田信長。先ほど挙げた項目とは、およそ正反対と思えるが、その辺りの複雑性も含めて、今回の調査は新入社員に対して、高度なマネジメント能力が求められることをあらためて認識させる結果と言えよう。         

 


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