
エン・ジャパン社が2月20日に発表した「ミドル世代の転職軸に関する調査レポート」では、35歳以上を対象とした転職に関するアンケート結果が示されている。
この結果から、ミドル採用で重要な2つのポイントが確認できる。1つは、転職希望者が重視するものは年代によって大きく違うことであり、もう1つは、志望企業で「働きたい」と思う理由と、「働きたくない」と思う理由は、必ずしも同じではないことだ。
まず前者から見てみよう。仕事選びで最も重視する軸の1位は、全体では「希望の仕事内容に従事できるか」(40%)で、2位「年収アップ」(17%)、3位「希望の勤務地があるか」(12%)と続く。
1位の「希望の仕事内容に従事できるか」を年代別で見ると、「30代」(27%)、「40代」(31%)、「50代」(42%)、「60代」(52%)と、年代が高まるにつれて重要度が増すことがわかる。
2位の「年収アップ」は、「30代」(27%)、「40代」(23%)、「50代」(18%)、「60代」(6%)と、逆に年代が低いほど重要度は高まる。
「希望の勤務時間・休日休暇があるか」も年代間の差が大きく、20代・30代がそれぞれ14%・12%であるのに対し、50代・60代は6%・5%となる。
これらの結果から、志望者の年齢に応じてアピール内容を変えることの必要性が示唆される。もちろん、何を重視するかは人それぞれであるが、希望者の年代から、重視するものを推察する参考にはなるだろう。
次に、志望企業で「働きたい」と思う理由と、「働きたくない」と思う理由が必ずしも同じではない点である。
転職活動を進める中で、「この会社で働きたいと思った理由」のトップとして挙げられたのは「キャリアアップに繋がると感じた」(26%)である。
それでは、「キャリアアップに繋がらないと感じた」が「この会社で働きたくないと思った理由」のトップかといえば、そうではなく、4位にランクダウンする。
1位は何かというと「採用担当・面接官の印象が良くなかった」(41%)である。一方、この会社で働きたい理由で「採用担当・面接官の印象が良かった」は6位に落ちる。
つまり、キャリアアップに繋がるかどうかは、入社意欲を高める要因であり、採用担当・面接官の印象の良し悪しは、入社をためらわせる要因になりやすいということである。言葉を換えると、採用担当・面接官の印象は、企業を候補として残してもらえるかどうかには大きく影響するが、最終的に入社を決断する際の決め手になるとは限らない。決め手となるのは、キャリアアップに繋がるかどうかのほうである。
ちなみに、「給与・待遇が良かった/納得がいかなかった」や「社風・風土が合いそう/合わなさそう」は、どちらにも上位で挙がっており、「働きたい/働きたくない」のいずれにも影響すると考えられる。
代表的なモチベーション理論にハーズバーグの「動機づけ・衛生理論」がある。仕事の「満足」と「不満」は別の要因によって引き起こされるものであり、不満が解消されても、それだけで満足度やモチベーションが高まるわけではないとする理論だが、今回のアンケート結果は、それを想起させるものである。