2022/6/5

ミスが多い社員の懲戒

 業務上のミスが多く、上司から注意をしてもなかなか減らない、今後、お客様や会社に大きな損害を与えかねない、あるいはすでに与えた…。そのような社員への対応として、他の社員への影響や、今後、重大な事故を発生させる可能性もあることなどから、本人の自省を促すため、懲戒処分もありうる。

 今後、さらにミスが続くようであれば、将来的には退職勧奨や解雇も検討せざるを得ない。その前段階としての意味合いもある。

 もちろん、ミスの原因がADHD(注意欠陥・多動性)などの障害による場合や、うつ病等のメンタルヘルス障害による場合もあるので、そのような場合は産業医等と相談の上、別の対応が求められる。

 ミスが多い社員の懲戒事由としては、就業規則の以下の項目が考えられる。いずれも一般的な就業規則ならば記載があるはずだ。
・正当な理由なく、業務上の指示・命令に従わなかったとき
・職務に対する熱意または誠意がなく、怠慢で業務に支障が及ぶと認められるとき
・過失により会社に損害を与えたとき

 業務ミスによる懲戒処分のレベルだが、一般的には、故意や重大な過失がない限りは「けん責」等の軽い処分に留まることが多い。出勤停止以上の重い処分は、複数の懲戒処分をしてもミスが改まらないときなどに限定すべきだろう。

 また、ミスの理由が本人の意欲や心がまえの問題ではなく、単に能力不足であれば懲戒処分は難しいと考えられる。能力が不足する者を、そのポジションに配置した会社側にも責任があるからだ。

 本人の意欲か能力かの判断を懲戒処分手続きの前に行うか、手続きの中で本人の弁明を聴取してから行うかについては、具体的実態に応じて検討したい。

 単に能力不足ということであれば、教育指導や配置転換を行なうほか、人事権行使に基づく降格処分もありうる。これらも、将来、退職勧奨等を進めるにあたっての有効な措置となる。            

 


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