2019/5/6

外国人アルバイトの意識

 今日、コンビニや飲食店を始め、多くの業種で外国人アルバイトが存在しており、外国人アルバイトによって運営が支えられていると言っても過言ではない。ところで、彼・彼女らはどのような意識で働いているのだろうか? これについて、先日公表されたマイナビ社の「在日外国人へのアルバイト意識調査」が興味深い。外国人を受け入れる企業に参考になりそうな項目をピックアップしてみよう。

 まず、「日本でアルバイトを探す際に魅力を感じる条件」の上位3つは、

①外国人を歓迎している 48.6%
②給与が高い 41.8%
③交通費がもらえる 37.1%

 である。また、「特に魅力を感じる条件」は、

①給与が高い 31.6%
②外国人を歓迎している 22.8%
③シフトを自由に決められる 15.6%

 となった。給与、交通費支給などの報酬面に加えて、受け入れ態勢が重要との意識がうかがえる。外国人アルバイトを採用する際、ぜひ留意をしてほしい。

 「日本でアルバイトを探す際に利用したことのある方法」は、

①インターネットの求人サイト 79.6%
②知人からの紹介 40.8%
③求人アプリ 37.8%

 で、「最も利用するもの」も同じ項目・順位である。ちなみにハローワークは、「利用したことのある方法」で5位(18.7%)、「最も利用するもの」で7位(3.7%)と外国人アルバイトにとって存在感が薄いようである。

 「日本で働き始める前に感じていた不安」として挙げられたのは、

①自分の日本語能力 56.1%
②職場の人間関係 40.8%
③外国人だからという理由で不当な待遇や扱いをされないか 40.1%

 で、「実際に働き始めて不安が的中したこと」も同じ項目・順位である。1番目と3番目は受け入れ企業のフォロー次第といえる。採用時、そして採用後も不安をできるだけ払しょくできるようフォローが重要となるだろう。

 現在のアルバイト先について、「働きやすい/どちらかといえば働きやすい」と回答した人に、「働きやすさの理由」を尋ねたところ、上位5つは、

①希望どおりの勤務時間で働ける 31.5%
②立地が便利である 29.7%
③仕事が楽しい 29.2%
④仕事がらく 28.8%
⑤職場の人間関係が良い 26.9%

 となった。逆に、「働きにくい/どちらかといえば働きにくい」と回答した人に、「どんな点に不満を感じますか」を尋ねると、

①仕事内容が過酷 36.0%
②職場の人間関係が悪い 26.7%
③時給(日給)に満足していない 20.0%
④異文化への理解がない 20.0%
⑤希望より勤務時間が増やされる 18.7%

 であった。勤務時間の融通性や物理的な環境とともに、仕事内容が過酷でないかどうかが重視されている。仕事の過酷さについては、賃金とのバランスもあるだろう。

 「アルバイトをしていてやりがいを感じるときはどんな時ですか?」については、

①給与をもらったとき 41.8%
②仕事が出来るようになったと感じたとき 41.2%
③お客様から感謝の言葉をもらったとき 37.1%

 である。おそらく日本人アルバイトに回答してもらっても同様の結果になるのでないだろうか。われわれお客側も、折に触れて感謝の言葉を伝えたいものである。

 最後に、「日本で働いてみて感じた違い」は、

①挨拶・マナーが厳しい 39.1%
②時間に厳しい 36.1%
③上下関係が厳しい 34.7%

 となっている。これはまさに文化の違いといえる。対お客様のこともあるので、ある程度は日本の風土に合わせてもらうことが大切だろう。ただ、5位・6位に「休みがとりにくい」(23.1%)「指示があいまい」(21.8%)というのもあった。この点については、外国人の感覚を積極的に受け入れ、“グローバルスタンダード”に合わせることも重要ではないかと思う。

 以上、外国人アルバイトであっても、多くの点で日本人と同様の意識をもっていると感じたのではないだろうか。もちろん、異なる点も確実にあるので、その配慮は求められるが、まずは同じ職場で働く仲間として受け入れることが大切となるのは間違いない。
 

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