退職、解雇に関するQ&A

退職

Q.
労基法第22条では、労働者が退職する場合に退職証明書を請求した場合の交付義務を使用者に定めていますが、これは懲戒解雇であっても交付しなければならないのでしょうか?
 この場合の退職とは、理由のいかんを問わず労働者が離職することなので、懲戒解雇であっても、労働者の請求があれば証明書を交付しなければなりません。
(2012.10.30)

Q.労基法第33条では、労働者が退職した場合に請求があったときには、7日以内に賃金の支払いその他金品を返還しなければならないと定めていますが、「7日」の起算日とは退職日のことでしょうか? また、多額となる退職金も7日以内に支給しなければならないのでしょうか?
 「7日」の起算日は、退職日ではなく請求が使用者に到達した日です。退職金については、通常の賃金と異なり、あらかじめ就業規則等で定められた支払時期に支払えば足りるとされています(昭和63.3.14基発150号)。
(2012.10.30)

 
解雇

Q.労基法第19条では、労働者が業務上の負傷・疾病により療養のために休業する期間とその後の30日間は解雇できないことを定めていますが、治癒した後も出社しない労働者は解雇できないのでしょうか?
 30日間とは、傷病が治癒したと診断され、出勤した日または出勤できる状態に回復した日から計算されますので、治癒したにもかかわらず出勤しない労働者は、治癒後30日間を過ぎれば解雇可能となります。
(2012.10.30)

Q.通勤災害で療養中の社員は解雇できますか?
 通勤災害は業務上の災害ではありませんので、労基法の解雇制限の対象とはなりません。
(2012.10.30)

Q.解雇予告をした後に業務上の災害で療養することになった社員を、解雇予告日から30日後に解雇できますか?
 解雇制限期間前に行った解雇予告が、解雇制限期間中に満了しても解雇はできません。ご質問のケースでは、療養期間とその後の30日間は解雇できないことになります。ただし、解雇予告は有効なので、療養期間がよほど長いものでないかぎりは、解雇制限期間を経過すれば解雇は可能です。
(2012.10.30)

Q.解雇制限期間中は、解雇予告もできないのでしょうか?
 解雇予告はできます。
(2012.10.30)

Q.産前の6週間の休業を取らないで就業している労働者は解雇できるのでしょうか?
 解雇できます。同様に、産後6週間を経過後就労している労働者は、就労開始日から30日間を経過すれば解雇できます。
(2012.10.30)

Q.懲戒解雇事由に該当する行為(業務上横領)を行ったある社員を懲戒解雇とし、30日後の解雇予告をしました。懲戒解雇の場合は退職金不支給です。ところが、数日後に退職願いを届け出てきました。この場合、社員の依頼を受け入れ、退職扱いとし、規定通りの退職金を支給しなければならないのでしょうか?
 退職願の受取の拒否はできません。この場合、退職扱いとせざるを得ません。ただし、ただし、退職によって懲戒事由が消滅するわけではく、これに基づいて決定された処分も生きていますので、退職金を支給する必要はありません。
(2012.10.30)